え~、日本サッカー界的には、イビツァ・オシムさんがナショナルチームの監督にし、男前が北京五輪代表の監督とA代表のコーチ就任という一大トピックがありました。
またサッカー組織としても、背広組の人事異動の時期でもあり、川淵三郎氏がオシムジャパン誕生のドサクサに紛れて、日本サッカー協会会長の続投を内定させたようです
そして社団法人日本プロサッカーリーグ、つまりJリーグのことですが、この組織も首脳陣が替わりました。
鬼武さんが新チェアマンとなり、浦和レッドダイヤモンズの社長として辣腕を奮った犬飼さんが専務理事に就任です。
さてさて、鬼武チェアマン体制となったJリーグ、
(1)リーグ戦の充実
(2)個性を伸ばす育成の確立
(3)クラブ・地域の特性を生かしたホームタウン活動
(4)日本サッカー協会との協調体制構築
の4項目を推進する方針です。
この4項目、どれも素晴らしいことじゃないですか。
まあ、この4つ、どれも簡単なようで、実現・実行するのは大変ですけどね。
しか~し、この鬼武チェアマン体制となったJリーグ、北国の人間にとっては、とんでもない事を実現させようと動こうとしています。
それは、Jリーグの開催シーズンを
春~秋制から
秋~春制へと
移行させようと、計画しているのです。
Jリーグ誕生直後から、日本サッカー協会とJリーグは、選手の移籍がスムーズに進むことや代表戦のマッチメイクのし易さ等の理由から、春~秋制でなく、ヨーロッパと同様の秋~春制に移行することを考えていたようですが、この計画は事実上、立ち消えになっていました。
が、眠っていた「Jリーグ秋~春制」への移行案が、ここにきて復活。
きっかけは、オシム日本代表監督が提案した日本サッカー強化私案。
欧州リーグと一緒のリーグ戦日程することが、日本サッカー強化への一助になるというアイデアを、オシムさんは川淵キャプテンに開示したのです。
この発言がきっかけとなり、急にJリーグ秋~春制の動きが、復活したんです。
で、鬼武新体制となったJリーグで、秋~春制への移行が議題に上りました。
犬飼新専務理事曰く、
“最初にやらなきゃいけないのは、Jリーグも欧州と時期をあわせること。日本協会もクラブ側も不満は解消できると思う”
最大の懸念である雪国対策については、
“人工芝にすればいい”
( ゜Д゜)ポカーン
えっ
人工芝にすれば、それだけで問題解決なんですか
人工芝にすれば、もうあっという間に秋~春制に移行できるんですか
レッズ社長時代、名実共にビッグクラブへと一気に飛躍させた犬飼さんともあろう御方が、まさか“人工芝にすればいい”という考えだけで、秋~春制に移行できる、そう考えているんですか
犬飼専務理事、
ガッカリです
そもそもJリーグって、Jリーグ100年構想で、全国に天然芝を普及させようと、地道ながらも共感できる活動をしているじゃないですか。
なのに、それに逆行する人工芝とは
Mr.ピッチも泣くよ
ところで、オシム監督がJリーグの秋開幕を直接、訴えた相手は川淵キャプテンです。
その川淵キャプテンは
“世界ではヒーティングシステム(芝を暖めて雪を溶かす装置)などもある”
_| ̄|○
川淵キャプテン、Jリーグ発足時のあの賢明さは、どこへ行ったのでしょう
ハッキリと言います。
スタジアムの芝を天然から人工に張り替えたり、スタジアムにヒーティングシステムを設置するだけでは、冬対策の解決にはなりません。
・仮に、スタジアムを人工芝にしたり、ヒーティングシステムを導入したとしても、スタジアムに来てくれるサポーターの防寒対策はどうするんですか?
Jリーグのサポーターの特徴は、ファミリー観戦の割合が多いことですよ。
寒い上、雪等で足場の悪いところを、子供や年配の人が行くのは困難であり、行けたとしても風邪ひいたり、足滑らせてケガする人も続出しますよ。
・アルビやモンテディオなどの選手は、冬季の普段の練習はどこでやればいいんですか?
今年3月、アルビレッジに雪が降り、仕方なく、アルビの選手は福島県のJ-ヴィレッジまで行って、そこで練習したんですよ。
冬の間中は、雪のない温暖な地域で練習して、試合がある日だけホームスタジアムでプレーするんですか?
そうじゃなきゃ、立派で広い屋内練習場を、お金出して作ってくれんですか?
・新潟や山形、札幌に遠征しに来るアウエーのクラブやサポーター、遠隔地に住む人たちの交通手段を、どう考えているんですか?
大雪のため、空港が閉鎖されたり、新幹線が止まったり、高速道路が通行止めになったりすることは、ザラですよ。
万一、リーグ戦の試合のある日に、そういう事態になったら、どうなるんですか。
・クラブの収入の大部分は、入場者収入や、スタジアムでのグッズ販売です。
冬のゲームは、確実に観客動員が落ちます。
いくらアルビでも、冬場の観客動員は減るの必至ですよ。
他にも、課題・懸念は、あります。
犬飼さんと川淵さん、新潟県・山形県・北海道に12月~2月の間、暮らしてみてください。
それも2~3年の間。
雪国で外で活動するのが、
どんなに厳しいか、
身を以って分かります。
(寒さと積雪が嫌で、冬場に帰郷するのが億劫な吾輩が言うんですから。)
そうすりゃあ、人工芝・ヒーティングシステムがあるから、秋~春制に移行できるなんて、簡単に言えませんよ。
とにかく、Jリーグのシーズンを、秋~春制にするなんて言うんだったら、せめて雪国開催の懸念を十二分に研究してから、言ってください。
ですけどね、
新チェアマンの鬼武さんは賢明です。
東京中日スポーツによれば
[「ヨーロッパのシーズンに合わせる話は数年前から検討している。次の課題として取り上げるための心の準備はしている」
その一方で、
「雪国の練習場確保などの問題もある。決心はすぐにはできない」と慎重な姿勢も見せた]
デイリースポーツによれば
[(鬼武チェアマンは、冬季シーズンへの移行提案に)「雪国でのドームスタジアムや練習場にお金がかかる」と長年の課題に即答を避けた。]
という風に、秋~冬制への移行は、簡単なことではないという認識を示してます。
そりゃあ、吾輩も雪国対策とか、そういう事情を除外して考えれば、秋開幕の春閉幕、というヨーロッパと同じシステムにするのが良いとは考えます。
しか~し、そこは日本の気候・雪質と、ヨーロッパのそれとは違います。
環境も違います。
そういうのを含めて、Jリーグと日本サッカー協会には、シーズン日程のあり方を熟慮して頂きたい、そう思ってます。
トラバ返礼のコメント、ありがとうございます。
安易に、Jリーグの冬季開催を唱えるのは、雪国クラブのサポ、そして選手たちに失礼です。
もしも十二分な対策なしに、Jリーグの秋~春制に移行しようとする事は、Jリーグ100年構想にも反することだと思います。
TBありがとうございました。
呆れかえって、ここまで書く元気がありませんでした。アタシ。
よくぞ書いて下さいました!
とりあえず、真冬にやるって言ったら、無観客試合や選手の移動に支障が出て、中止試合もありかと・・・(笑)
アタシも神経痛がでそうなんで、ボラやめます。
早いとこ風見鶏に、正気にかえって頂きたいモノですね。
返礼コメント、ありがとうございます。
>・・・・・札幌の練習場、白い恋人サッカー場の天然芝ピッチには、芝の下に温水を流し暖めるパイプが備わっています。
>それでも、ピッチがなんとか使えるようになるのは、どんなに頑張っても3月下旬です。
川淵氏の唱える手段を用いても、雪対策はそう簡単に解決しないのですね。
>闇雲に秋~春開催がイヤだと言ってる訳ではないんです。
>しかし、気温が低くて雪が降ることは、クラブの力じゃどうにもなりません。
そうです、私も理由なく、秋~春開催に反対しているのではありません。
秋~春制のメリットも理解していますし、可能ならば、そうしても良いと考えています。
しかし、自然環境ばかりは、どうにもなりません。
防寒・降雪対策というのは、そんな甘っちょろいモノじゃありません。
相手は、人間の力の及ばない自然なんです。
それを踏まえて、Jリーグのお偉方には、秋~春制について、十二分に納得できる回答を考えて頂きたいです。
犬飼氏の発言は、短絡的過ぎて、本当に腹が立ちます。
レッズをビッグクラブにした手腕を評価していたので、余計に犬飼氏の発言にはショックを受けました。
>まず雪国で暮らしてみろと。
仰る通りです。
犬飼氏には、雪国に住んでもらって、その上で秋~春制について語ってもらいたいものです
>“世界ではヒーティングシステム(芝を暖めて雪を溶かす装置)などもある”
・・・・・・札幌の練習場、白い恋人サッカー場の天然芝ピッチには、芝の下に温水を流し暖めるパイプが備わっています。
それでも、ピッチがなんとか使えるようになるのは、どんなに頑張っても3月下旬です。
闇雲に秋~春開催がイヤだと言ってる訳ではないんです。世界強豪国と日本との垣根が低くなって、選手が強くなって日本のサッカーが強くなってくれるのはいいことだし、嬉しいです。
しかし、気温が低くて雪が降ることは、クラブの力じゃどうにもなりません。
普通のやり方ではどうにもならないことを、どうやって克服するのか。
そういうビジョンも一緒に考えた上で、発言してほしいと思うのです。