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「1シーズンに1試合」アルビレックス新潟&アルビレックス新潟レディースの育成チームの試合を御覧になってみませんか 

2戦2勝 福岡J・アンクラス×アルビレックス新潟レディース

2011年05月11日 13時00分00秒 | アルビレックス新潟レディース


両チームに跨る格の差を、力の差をまざまざと見せ付けた、そんなアルビレックス新潟レディースの白星試合―プレナスなでしこリーグ2011第7節。

アルビレックス新潟レディースの先発11人は、スワンフィールドで行なわれた前節・対狭山戦と全く同じ選手構成で、[4-1-3-2]というという布陣。
対する福岡J・アンクラスは、[4-4-2]という選手の並び方。

おもしろいのは、新潟も福岡も届け出たメンバー表では「3バック」なのに、実際は「4バック」だという点。
アルビレックスの先発DFは[山本・東山・北原]だけど、現実にはMFの小原が右サイドバックに入っていた。
アンクラスのそれは[矢田貝・磯金・内堀]だけど、MFの秋山が、右サイドバックを務めていた。



が、さらにさらにユニークなのは、新潟レディースが90分間〝終始〟に渡って「4バック」だったのに対し、福岡アンクラスは〝多くの時間帯〟で「3バック」化していたことだ。
どういうことか―
それは福岡の守備時に、サイドバックのどちらかが中に絞ってしまい、実質的に「3バック」となってしまうのだ。

アンクラスのセンターバックの磯金と内堀が、アルビレックスの2人のFWやトップ下の上尾野辺(かみおのべ)との局地戦に敗れる、或いは苦戦する―
そこで、左右どちらかのサイドバックが中央の救難に向かう―



それと、これは想像なのだけど、前節の試合で平井咲奈がハットトリックを達成したことが効いていた可能性がある。
日本代表の阪口と上尾野辺、それに昨季2桁得点を記録した菅澤と、ただでさえ厄介な攻撃的選手を擁している上に、平井という新戦力までアルビレックスにはいる。
これはより真ん中を堅くしなくてはいけない―そんな意識付けが、本当は4バックなのに3バック化を招いてしまったのかもしれない。

そしてこのおかげで、新潟にとっては〝美味しい〟展開に。
右サイド前方、もしくは左サイド前方に広大な「がら空き空間」が生まれるのだから。
上尾野辺や菅澤らが、スペースにボールを出す―
そこに走りこむサイドバックの小原、ウイングの佐伯―
ボールを受け取った佐伯や小原は、中に切り込んでいったり、マイナスのクロスをあげたりして、得点機を創出―。

阪口や山本、平井らがユニットとなってスペースに侵入していく―
アンクラスのサイドの防人は手薄だから、あっさりパス交換からペナルティエリア内に入っていける―
そしてシュート体勢に―
こういうサイドを鋭く抉っていく攻撃パターンが、前半に幾度も見られた。

菅澤優衣香の先取点も、この形だ。
スペースに由梨愛が右前方の空間にパスを出し、優衣香が追いついて、サイドから急襲してゴールを陥れた。
ゴールが決まる・決まらないは別として、正にアルビレックス新潟レディースがやりたい放題。


ハーフタイム、流石に、福岡の河島監督は修正を施す。
新潟のパスの起点に圧力を掛けて、容易にスペースにボールを出させない、そんな守り方を指示したようだ。
そして、リードを許しているホームゲームだから当たり前といえば当たり前なのだけど、ラインを高く上げて中盤をコンパクトにしてきた。

前半に比べて、アンクラスの選手たちの出足が鋭い。
スライディングタックルをかましたり、球際勝負での粘りが出てきた。
前線に全く顔を出していなかった福岡のボランチ川村が、2列目から飛び出してくる。
前半45分間の淡白で緩慢なアンクラスの守備に慣れてしまっていたアルビレックスの選手たちは、急に勝手が変わり戸惑う。
そして、明け渡す主導権。

ただ、新潟の選手たちは慌てなかった、焦らなかった、ペースを乱されなかった。
落ち着いて対応する。
攻勢を掛けるアンクラスだが、ゴール前に人数を割くという危険を冒さなかったのも幸いした。
後半の入りの10分間はホームチームの時間帯で、観客の多くが盛り上がったものの、それをやり過ごすと、再びアウェイチームのリズムに。



アンクラスのプレスに、最初こそ苦労したアルビレックスレディースの選手たちだけど、そもそも個の力が違うから、そうあっさりボールを奪われない。
それに、連係プレーの密度も違う。
澱みないパス交換から、軽くプレス網を掻い潜れてしまうのだ。
加えて、アンクラスがDFラインを高く設定しているものだから、その背後をどんどん突いてみせる。

前半の最初から、アルビレックスLがボールを保持し続け、アンクラスを走らせたことも効いてきた。
後半20分くらいから、目に見えて足取りが重くなってきた。
でも、どういう理由からか、福岡の河島監督は動かず。
アンクラスイレブンは“ホームゲームだから”という心理的動機付けで、なんとか脚を動かし続けているような按配。

対する新潟Lの奥山監督は、口木未来・中村早樹という〝足のある〟選手を投入して、鞭を入れる。
試合終了間際には、斎藤友里を今季初出場させる余裕も見せる。



かくして、後半45分間もアルビレックス新潟レディースが主導権を握って試合終了。
チャンスに比例せず、奪った得点が少なかったことを除けば、新潟の完勝。
2011シーズン、アルビレックスはレベルファイブスタジアムで2試合を行なったわけだけど、共に勝利で締め括られた。

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