今週末のアルビレックス新潟主催によるサポーターズカンファレンスで、ビッグスワンの入場者数、無料招待券の是非、が俎上に上るに違いない。
無料招待券の功罪については、インターネット上、サポ同士による飲み会の場などで、しばしばネタになる話題。
実際に統計を取っていないのだけど、感覚的には、『タダ券は廃止するべきだが、廃止して入場者数が減って、空席の目立つビッグスワンになったら大変なわけで、それを考えたら……』という意見が多い気がする。
吾輩は、この意見には与しない。
招待券を廃止して、入場者数が減少するのは必至だけど、それを〝一時的な現象〟に留めればいいだけの話。
3万5000人のお客さんが2万人になったとしても、またそこを出発点にして、3万人、3万5000人、4万人、と入場者の「V字回復」を果たす努力と工夫をすればいいじゃないか!
無料チケットを無くすことで、観客数が減るリスクを恐れていたら、いつまで経っても堂々巡り、入場料収入のアップは達成されやしない。
ここで、無料招待券を廃止しながら、入場料の増収に成功したJクラブの実例を紹介します。
そのJクラブとは、大分トリニータ。
トリニータは、2005シーズンまでタダ券を、毎試合3000枚ばら撒いていたのだけど、2006シーズンにSTOPしたのだ。
正確には、スポンサー向けに若干数は配っているようだけど、原則的には廃止。
では、果たして入場者数はどう変化したのか?
2003シーズン第1ステージ 計15万5822人 1試合平均2万2260人
2003シーズン第2ステージ 計16万4775人 1試合平均2万0597人
2003シーズントータル 計32万0597人 1試合平均2万1373人
2004シーズン第1ステージ 計14万5107人 1試合平均2万0730人
2004シーズン第2ステージ 計18万3229人 1試合平均2万2904人
2004シーズントータル 計32万8336人 1試合平均2万1889人
2005シーズン 計37万5359人 1試合平均2万2080人
2006シーズン 計34万5955人 1試合平均2万0350人
2007シーズン 計33万5896人 1試合平均1万9759人
2008シーズン 計34万5481人 1試合平均2万0322人
タダ券を廃止したのは2006シーズンから。
2005シーズン以前と、2006シーズン以降との1試合平均観客動員数を比較してみると、〝大きな〟増減がないのが理解る。
確かに、無料招待券を配っていた2005シーズン以前の入場数は、2006シーズン以降に比べたら多いけども、目を見張るような〝差〟はない。
結果、無料招待券配布以前に比べて、1試合平均の入場者数はやや減ったものの、 《有料》入場者数の占める割合は増加した計算に。
つまり、トリニータの入場料収入はUPしたのだ。
データも裏付けている。
Jリーグは、各クラブの収支を毎年発表している。
2005年度のからは、個別の数字も公表。
トリニータの入場料収入の推移は―
2005シーズン 3億6400万円
2006シーズン 4億8500万円
2007シーズン 4億9200万円
昨年12月24日、讀賣新聞の九州版が、こんな記事を報じていた。
<2006年から大分は招待券の配布を避け、有料入場者を増やすように方針を転換。
この年から入場者数そのものは微減が続いていたが、チケット事業部の渡辺博部長は「逆に収入は右肩上がり」と話す。>
この記事本文に、大分の2008シーズンの入場料収入が5億6000万円と出ている。
これは、トリニータ史上初めて進出したヤマザキナビスコカップの準々決勝と準決勝の金額も含まれているのか?
いずれにしろ、入場料収入が、右肩上がりでUPしているのが一目瞭然だ。
大分トリニータがヤマザキナビスコカップで優勝して、地方に本拠を置くライバルクラブとして、アルビは差を付けられてしまった。
だけど、差を付けられたのは、成績面のみらなず、経営面もなのだ!!
それが悔しい、一歩先を行かれたのが歯痒い!!
しかし、しかし、別の見方をすれば、トリニータが無料招待券を廃止しながらも、入場料収入を増加させた実例は勇気付けられる。
大分に出来て、
新潟に出来ないはずが
ないではないか!!!!!
今季、ディビジョン1に昇格したモンテディオ山形。
山形は、アルビレックスに触発されて無料招待券を配り、集客に務めてきたのだけども、2009シーズンからは原則廃止とすることに。
J1にステージを移すのを機に、料金体系を見直したのだけど、その一環として廃止したのだ。
その代わり、自由席価格を据え置きにしたり、ファンクラブの会員料金を半額にするなどの配慮を施している。
でも、タダ券を廃止したのだから、〝理論上〟、収入はアップする計算。
それとJ1に昇格したシーズンは、「昇格ご祝儀」で入場者が大きく増えるのが常。
2009シーズンの山形は、入場料収入において、かなりの増収を見込めるのではないか。
もうどうしようもない話だが、2004シーズンにアルビレックス新潟は、タダ券を止めていたら、と最近よく思う。
昇格バブルもあり、招待券無しでも入場者は4万人を超えて、クラブの懐は随分潤ったのではなかろうか。
有料入場者をつなぎとめるため、サービスは向上し、サポの“我々がクラブを支えているんだ”という意識がいや増していたのではないか。
山形の試みを知り、よりその妄想が強くなった。
吾輩はこれまで何度も訴えてきましたが、改めて書きます。
アルビレックス新潟は、無料招待券戦略を取り下げるべし。
別の手段で、誘客に努めるべし。
bjリーグのブースターのHPやブログを見ると嬉しい限りです。
さて、このたびブースター倶楽部というbjリーグ所属チームのブースターだけのサーチエンジンを開設しました。他のチームのブースターが一同に会する機会というものがなく、他のチームのブースター同士で一緒にブーストしていければと思い開設しましたので、よかったらブースター倶楽部へ参加(登録)してみませんか?それぞれのチームを応援しながらbjリーグを盛り上げられればと思っています。
上記の実例として「大分トリニータ」を取り上げるのはいかがなものでしょう。
大分が無料招待券を廃止したといってもそれは焼酎会社がユニスポに成れない代わりにとった策でチケットの一括お買い上げだったはずである。
当然お買い上げなのだから入場収入も増えるが決して一般の人が身銭を切って観戦を増やしたわけでない。
と思っていたのだが違うのだろうか。
カンファレンスでは無料招待券の話は現状認識程度でした。