Q:ヤマザキナビスコカップの予選リーグを突破して、決勝トーナメントに進出するためには、何勝しなくてはいけないのか?
A:4回勝つ、最低でも3試合勝って3試合引き分けないといけない
======================
サッカーの勝ち星について語る上で、定番中の定番のフレーズは、
【ホーム試合では勝ち点3=勝利、アウエー試合では勝ち点1】
これは一見、〝感覚的〟な勝ち星計算のように思えるけども、実は「真理」を捉えた格言。
このとおりに勝ち点を積み重ねることこそ、リーグ優勝への近道。
ホームで勝ち点「3」、アウェイで勝ち点「1」、ということは即ち、1試合につき勝ち点「2」を稼げばいいということ。
要するに、試合数の2倍の勝ち点を挙げること、或いは2倍以上の勝ち点を獲得することが、優勝するための「数字上の条件」なんです。
そして非常に不思議なことに、【ゲーム数の2倍の勝ち点を積み上げるのが優勝へのノルマ】という法則は、J1のみならず、J2、JFL、地域リーグ、欧州に南米、古今東西のリーグに当てはまるんですな。
もちろん、試合数の2倍の勝ち点を獲得したからって優勝できないケースもあるし、到達しなくてもチャンピオンになれる場合もあるんだけど。
ただ、概ね、この「2倍の法則」は〝成立〟します。.
そして、この「2倍の法則」は、AFCチャンピオンズリーグや欧州CL、FIFAワールドカップ本大会のグループリーグ、W杯の大陸予選の総当りリーグ戦などにも、適応されるんですよ!
試合数の2倍の勝ち点を越えるか、それに近い勝ち点を獲得すれば、そのグループリーグを突破出来るんです!
そして、それはヤマザキナビスコカップのグループリーグにも当てはまります!!
昨季までのナビスコ杯の予選リーグの大会規定は、4チームずつグループ分けさせられて、ホーム&アウエーで総当りのリーグ戦を行うというものでした。
つまり、各チーム6試合戦ったわけです。
はい、それでは、過去5シーズンのリーグ戦突破チームの総勝ち点を確認していきますね。
[2004シーズン]
ヴェルディ 16
F・マリノス 10
グランパス 11
ガンバ 8
レッズ 12
エスパルス 12
FC東京 13
アントラーズ 10
GL突破8チームの平均勝ち点は「11.5」
※アルビレックスは1勝3分け2敗の勝ち点「6」
[2005シーズン]
レッズ 15
アルディージャ 10
ガンバ 13
ジェフU 13
エスパルス 11
セレッソ 10
GL突破6チームの平均勝ち点は「12」
※アルビレックスは3勝1分け2敗の勝ち点「10」
[2006シーズン]
レッズ 16
F・マリノス 10
フロンターレ 15
アントラーズ 9
ジェフU 13
セレッソ 12
ジュビロ 10
GL突破7チームの平均勝ち点は「12.1」
※アルビレックスは1勝3分け2敗の勝ち点「6」
[2007シーズン]
サンフレッチェ 12
ガンバ 10
F・マリノス 8
FC東京 10
アントラーズ 12
ヴァンフォーレ 10
GL突破6チームの平均勝ち点は「10.3」
※アルビレックスは2勝3分け1敗の勝ち点「9」
[2008シーズン]
グランパス 15
エスパルス 11
FC東京 11
ジェフU 12
F・マリノス 12
トリニータ 11
GL突破6チームの平均勝ち点は「12」
※アルビレックスは0勝4分け2敗の勝ち点「4」
どうですか!このデータ!!
ヤマザキナビスコカップの予選Lの試合数は「6」だけども、決勝トーナメントに進出したチームは、試合数の2倍の数字、つまり「12」前後の勝ち点を積み重ねているのが、一目瞭然!!!
まあ、グループリーグの巡り会わせで、「12」に大きく届かない1桁の勝ち点で決勝ラウンドに進んだケースも存在しますが、概ね「12」前後の勝ち点を稼いでいるのが、お分かり頂けると思います。
新潟は、1度、二桁に乗せたことがあるけど、残り4シーズンは1桁止まり。
勝ち点「12」には大きく届かず。
これじゃあ、決勝Tには進めやしませんって。
もう一つ、「2倍の法則」を実証する参考例を書きます。
それは2008-2009シーズンのUEFAチャンピオンズリーグのグループリーグのデータ!
欧州CLもまた、4チームずつにグループ分けされて、ホーム&アウエー計6試合戦います。
「2倍の法則」が成立するならば、決勝Tに進んだクラブは、「12」前後の勝ち点を稼いでいなくてはいけません。
では、GLを突破したクラブの名前と勝ち点を書いていきます。
ローマ 12
チェルシー 11
パナシナイコス 10
インテル 8
バルセロナ 13
スポルティング 12
リヴァプール 14
Aマドリー 12
マンチェスターU 10
ビジャレアル 9
バイエルン 14
リヨン 11
ポルト 12
アーセナル 11
ユベントス 12
Rマドリー 12
18チームの平均勝ち点は「11.4」、「12」に近い数字ですよね。
いやあ、それにしても不思議な現象ですなあ。
これとは真逆の現象が、【試合数と同じ勝ち点が、下部リーグ降格への分岐点】というもの。
Jリーグのみならず、これまたあらゆるカテゴリー、どの国のリーグにも該当する法則で、試合数と同じ数の勝ち点プラスαを積み重ねないと降格してしまう、というね。
昨季のJ1は史上空前の混戦で、残留の分岐点は勝ち点「40」くらいじゃないかと目されたけど、結果的には「37」が分岐点。
総試合数は「34」だから、まあ妥当な数字。
うまく〝できています〟。
話を戻します。
というわけで、ヤマザキナビスコカップの決勝トーナメントに進むには[試合数×2]の勝ち点を奪わなくてはいけません。
今季から、予選リーグは変則的な規定に変わったけども、試合数は変わらず「6」。
従って、勝ち点「12」が、GL敗退か、決勝T進出かの分かれ道となるはず。
ここで、冒頭の問いにつながります。
Q:ヤマザキナビスコカップの予選リーグを突破して、決勝トーナメントに進出するためには、何勝しなくてはいけないのか?
勝ち点「12」のノルマを果たすには、「4勝」もしくは「3勝3分け」しなくてはいけません。
裏を返せば、3敗した時点で即アウト。
2回黒星が付いた時点で、黄色信号がついてしまいます。
星の潰し合いの結果、決勝進出ラインが下る可能性はあるけど、そういう考えは危険。
なにがなんでも、「4勝」もしくは「3勝3分け」をクリアしなくては!!
戦略的には―
東北電力ビッグスワン開催のジュビロ戦、※訂正※マリノス戦、 そしてトリニータ戦は全て勝利―
アウエーのアルディージャ戦、レッズ戦、そしてサンフレッチェ戦を全て引き分けに持ち込むか、どれかに1勝する―
これが理想。
磐田は東北電スを苦手としないチームで、やっと昨季、スワンで負かすことに成功しています。
磐田にビッグスワンへの苦手意識はそうないでしょうが、今季ここまでの戦いぶりからすると、新潟が勝つ可能性は高い。
※訂正※横浜はスワンで戦うことを得意としていません。
ホームナビスコ試合の最大の関門は、シャムスカ監督の大分。
そのときの状況次第だけど、ナビスコカップのリーグ戦最終節、アルビにとって運命を懸けた戦いになることでしょう。
ビジターゲームの試合会場のうち、広島ビッグアーチはアルビレックスが一度も勝ったことがない相性の悪いスタジアム。
そして、浦和戦での埼玉スタジアム2002もまた、新潟にとっては鬼門で勝った試しがない。
冷静に計算して、この2試合で、アルビは勝ち点「2」ないし「3」を奪えれば、御の字でしょう。
言い換えれば、広島か浦和のどちらかに負けても許容範囲。
一方、NACK5スタジアムでは勝利が義務付けられます。
もとより、ヤマザキナビスコカップの第1節なので、この試合に勝てば状況は大きく違ってきますからな。
「4勝」するためには、アルディージャ戦がとっても重要、この上なく重要。
先日の大分トリニータ戦は、アルビにとって、J1リーグ戦の戦略的最重要ゲームだたけども、明日の大宮アルディージャ戦は、カップ戦を勝ち抜くための戦略的ポイントとなります。
大宮アルディージャとジュビロ磐田に連勝すれば、残り4試合を「2勝2敗」でもいいわけで、心理的に有利に立てます。
おまけに、この連勝の勢いが、4月4日から再開されるリーグ戦にも直結します。
NACK5スタジアムの戦いは、必勝あるのみです。
アルビレックス新潟には、ホーム最終節に勝てない、開幕戦に勝てない、これらの忌まわしきジンクスがありました。
でも、それはもう過去のもの。
今度は、ヤマザキナビスコ杯の決勝ラウンドに進めないというジンクスを打破してやましょうぞ!
これも見事に44試合×2です。
末広がりで、なんと縁起の良い勝ち点で昇格を決めたんだ!と当時思いましたが、統計学上、実に理に適った勝ち点を稼いでの昇格でもあったんだですよね。