紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

暗い歌ベスト3は?

2006-11-25 20:19:26 | 音楽
 今晩は珍しくお父さんのいない食卓で、ささやかにみんなでうどんを食べる。晩ご飯にうどんって、たまにはビンボーを実感できて、それはそれでなかなかいいかも。しかも賞味期限ぎりぎりだし。わびしさが募る話である。

 そんな侘しい夕餉にテレビからは「雪の降る街を♪」のイントロが流れて来た。「暗ぁ~」「くらぁ~」と子ども達がテレビに声を投げかける。

「うーん、確かにこの曲は暗いよねー。日本三大暗い曲の一つやもんなあ」と、いつもの口からでまかせが、つい出てしまう私。
「そやの?」と軽く訊くKちゃん。
「この曲やろ、あと『こがね虫♪』にやっぱり『叱られて♪』やろな」

 もちろん最後の曲は子ども達が知ろうはずもないので、話題はもっぱら『こがね虫』に流れる。
「こがね虫は金持ちなんやろ? カネ蔵とか蔵とか、いくつ蔵たてるねん!ってつっこみたいくらい金持ちのくせに、買うもんてゆうたら、飴屋で水飴やで! なんちゅうけちくさい奴やろ」
「でもまあ、なんちゅーても『こがね虫』でしかないしなあ。水飴くらいしか欲しいもんないんやろなあ」
「うん、やっぱり虫やしな。青虫は八百屋でキャベツ買うやろしな。あ、買いに行くのは親の紋白蝶か」

 上記のベストはとっさのでっち上げなので、異論のある方も多々いらっしゃるだろう。ちなみにH氏に「暗い歌ベスト1」を訊いてみたら、
「それは『かあさんの歌』にきまってるやん!これ以上のは、ないで~ ♪かーさんは~、夜なべ~をして~♪」と歌まで歌ってくれたのだった。
 さて、あなたの暗い歌ベストは?

       * * * * * * * 

 ところでお詫びと訂正です。

 先日の「B級ロケ地」のブログを読んだ地元読者の方から、藁小屋になったのは宇宙船ではなくゴケミドロに襲われる旅客機というご指摘がありました。すみません、H氏は正確に教えてくれたのに、私がうろおぼえで歪曲してしまいました!

 それからピンク映画ロケは、ピンクじゃない部分が水晶山で行われたそうで、それはたぶん「女囚さそり」(梶芽衣子:主演)ではないか?ということでした。
 う~ん、40年前の記憶が掘り起こせるなんて、キョーレツな記憶力が羨ましいですう。私は『明日の記憶』(荻原浩/著)が人ごとじゃないとうろたえている日々だというのに、まったく。ご指摘、ありがとう! Sさん。


 八幡山(近江八幡市)です。水晶山とは関係ありませんが、秋の明るさと淋しさが同時に伝わるような風景に思わずパチリ。

水槽の中はハングリー

2006-11-24 23:41:02 | ノンジャンル
 我家のたぬき亭の水槽には現在メダカ大のワカサギ4~5匹とサクラエビ大の手長エビ2匹が棲息している。ワカサギの内1匹だけは大きめのグッピー大で、威風堂々と泳いでいる。名前は「甚くん」。

 彼らはたびたびエサやりを忘れられて、たいていはガツガツしている。
 そんな餓えた魚類と甲殻類を実験台にして、1週間前に水槽に青虫を入れてやった。 するとエビの1匹が両手で抱え込んで、素早くむしゃむしゃと食べちゃったのを見て、うわ、面白いっ!と青虫を何匹か投入し、その後30分も水槽を眺め続けた。結局の所、その30分は何事も起こらない無意味な時間だったのだけど。ああ、もったいない。

 それに懲りず、今日のお昼前にもまた、小さめの青虫を水槽に5匹放った。しかしなんか今日のエビは勘が悪くて、「食いもん、ありそうな気配・・・?」と一応水面まで泳ぐのだけど、元来泳ぎが下手そうで、ちょっと気を許すとスノードームの雪のように、すぐに下に沈んでしまう。あともうちょっとで青虫に手が届いたのになあ!
 せっかく両手で青虫を抱え込んで、やっと水底でお食事開始!と思ったら、ちょっとした油断で青虫が手元を離れ、ゆらゆら浮かび上がってしまったり。

 ところがワカサギで一番大きな「甚くん」が、水底に沈む青虫をたまたま発見。
口をかぱっ!と精一杯広げ、自分の体長程もある青虫を三口くらいでくいくい呑み込むではないか!!! 
 そのあまりの食べっぷりに私はしばし茫然自失。その後、凝りもせず30分水槽と向き合い、案の定、無意味な時間を過ごす事になる。ああ、もったいない。

 それはテレビの『黄金伝説』の「1ヶ月1万円生活」で浜口優氏が発案、製作、消費した極太なうどん=1本うどんを思わず連想させた。いや、あの豪快な「甚くん」の食べっぷりは、浜口優をはるかに上回るものだった。ハングリー精神をビジュアル化すればかくやと思う、胸のすくような光景であった。

火星人が街にやってくる

2006-11-23 22:49:55 | ドラマ
 今日はH氏に職場まで車で送ってもらった。昨日のブログのB級映画の話から、アメリカの映画監督ティム・バートンの話になって、火星人が地球を襲撃する、不条理でおバカな映画『マーズ・アタック!』の話で盛り上がる。ストーリーがネタバレなので、ご了承の上でお読みください。

「ティム・バートンって、B級映画大好きやったねんて。青春時代にB級映画見まくらはったオタクらしいねんけど、ほんまに面白い映画つくらはるねん。な、Kちゃん? 『マーズ・アタック!』何回見たかなあ」
「3回ぐらい(ビデオで)違うかな」

「それでまた、ティム・バートン監督の映画やったら出演したい!っていう役者さんがわんさといやはるみたいやねん。『マーズ・アタック』は、他の映画やったら主演級の役者さんが脇役で、しかもどんどん火星人にやられてしまうんやで」
「へええ」と映画にはほぼ無関心なH氏が、珍しく興味を示した。

「しかもえらいヒトたちとかは軒並み、火星人にやっつけられちゃうんやけど、最後に地球を救うのは認知症のおばあちゃんとそのおばあちゃんのことが好きで世話をしている孫やねん。あと、ゲームが大好きなスラムの子どもとか」

「それ、新しい映画やの?」
「ううん、Kちゃんが小さかったときに借りたから、10年くらい前かな」

 あとで調べたら1997年公開と判明。

 同じ監督の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は山盛りにグッズが出ているくらい一般受けしているけど、『マーズ・アタック!』はけっこうブラックだし、バカバカしいし(火星人が宇宙船の中で『PLAY BOY』を読んでる所が、私は好き)、結末は脱力するし(いや、私はいろんな意味で何回見ても「いいなあーっ!」と思っちゃうんだけど)で、人を選ぶ映画なのかもしれない。

 『ナイトメア』も大好きで何回もKちゃんとビデオで見た。愛知万博にKちゃんと行ったときには、向こうから歩いて来る女性の日傘を見て、「見て、Kちゃん! 『ドラキュラ・ブラザーズ』(『ナイトメア』に登場する吸血鬼たち。常にこうもり傘を日傘にしている)みたいな傘さしてはる!」「ホンマや!」と日常会話に織り込めるまでになった。

 私はほんとはそれほど映画好きでもなく、一般の人よりよほど見ないけれど、『マーズ・アタック!』には、無条件降伏だった。しかしこの映画については、見る人の嗜好と思考を忠実に映す鏡みたいに、100人100様の感想があるんだろうと思う。

 世の中には不条理なこともいっぱいあるけど、「弱者」「無能」「役立たず」呼ばわりされたって、そんな事屁でもないよと口笛吹きながら生きてゆけばいいじゃん、もしかしたらいつかどっかで役にたってるかもよ、という気にさせてくれる。私にとっては、底抜けに「優しい」映画なのである。
 
 ちなみに映画のクロージングの音楽はトム・ジョーンズの『どうにかなるさ』。最高! 最後までひねってくださいます、ティム・バートンさま。

ご近所でB級ロケ

2006-11-22 22:05:01 | ファミリー
 昨日「仮面の忍者赤影」についての記事を書いたら、本日の夕方に「赤影」についての補足情報が飛び込んで来た。情報元はこの地に長年住んでいる、梅雨頃からの愛読者である。

「ブログにコメントしようかと思ったけど、直に話した方がいいかなーと思って」ということで、対面しつつPCも駆使して、驚くべき話を聞く事が出来た。

 ウチから車で5分ほどの場所で、いまは立派な自然公園になってダイナミックなアスレチックコースやグラウンドゴルフ場や広大な芝生やキャンプ場のある山間部は、60年代後半には、まだ造営途中だった。子どもたちが水晶狩り?をする格好の宝の山だったので「水晶山」と呼ばれていた。
 
 その山肌の見える崖などで、なんと「仮面の忍者赤影」のロケがなされていたというのだ。
 えええ~っ!初耳やん!!「水晶が採れる山」っていうのは知ってたけど、水晶を採りにいった少年達は、たとえ収穫がなかったとしても、もしかしたら赤影さんたちに、運が良ければ地元出身の甲賀幻妖斎にもお会い出来たかもしれないのだ。

 しかし話は「赤影」に留まらなかった。

 それどころかB級SFホラー映画「吸血鬼ゴケミドロ」(1968年/カラー)とか「妖怪百物語」(1968年劇場公開/カラ=jとかの映画のロケ地にもなっていたらしい。
 「知ってる?《ゴケミドロ》っていう映画?」「知らんな~」
 検索してスチールの入った頁を見せてもらう。う~ん、いかにもなB級ホラー&妖怪映画じゃない。

 この「ゴケミドロ」には、宇宙生命体の乗り物である謎の飛行物体が出て来るのだが、それは特撮の模型ではなくホンモノのセットで組まれていたらしい。銀色の飛行物体はロケ後、農家のオジさんが「藁(わら)小屋」として利用し、稲刈り後の藁をぎっしりと詰め込んでいたという。あまりにシュールな話に感動する。

 そんな特撮ものロケ地?であるから、次はどんなロケが来るのか、地元の小学生は興味津々だった。
 
 ある日、クラスのエロ少年が「きのうピンク映画のロケがあったんやで~」と、純粋なクラスメイトの少年達にこっそり耳打ちした。色めき立った少年達は、その日の学校の帰りに水晶山を目指すが、たどり着いた場所には人っ子一人いない。やっと騙されたことに気づき、悔しがる少年達であった。

 翌日エロ少年に詰め寄ったところ、「あんなこと、人前で正々堂々とできるわけないやろ!」との正論に「それもそうやな」とすぐさま納得し矛を収めるピュアな少年たちなのである。というか、そんな場所でピンクなロケはせんやろー。

 そんなピュアな少年の一人だった夫・H氏は、「40年たった今も悔しい」と無念の想いを露にする。期待に胸はずませてたどり着いた崖の下には池があったが、そこには大岩がプカプカと浮かんでいたそうだ。「赤影」の撮影で使用した発泡スチロールに着色した大岩である。崖から転がして、赤影危機一髪!な場面を撮ったのだろう。

 オトナへの憧れと期待を無惨に打ち砕かれた過ぎ去りし日が、シュールに池に浮かぶ大岩の風景とともに思い出されるH氏なのである。今日のブログネタ、どうもありがとう!

いまさら金目教

2006-11-21 09:25:45 | テレビ
 今回もふる~いテレビの話で恐縮なのだが、きっかけは、みうらじゅんの本である。図書館で借りた『そこがいいんじゃない みうらじゅんの映画批評1998~2005』を読んでいるときに、思い切り引っかかった箇所があった。

 みうらさんが宗教関係の勧誘をうけたら「ごめん、おれもう金目教に入ってるから」と言ってお断りするそうなのだ。なんと秀逸な技であろうかと感心した。金目教とは、「仮面の忍者赤影」に登場する謎の宗教集団である。

「豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃に現れた謎の宗教、金目教。金目像を御神体とあがめ、それを信じないものは恐ろしいたたりに見舞われるという。だがそれは、甲賀幻妖斎が率いる霞谷七人衆の忍法によるものだった。金目教を広めて日本征服を企む幻妖斎に対して、木下藤吉郎の依頼によって飛騨の赤影たちが立ち向かう!」ということらしいのだが。

 「赤影」はかなり入れ込んで見ていたにも関わらず、ほとんど覚えていない。「金目教」? うーん、そういえば怪しい術を使う一味がいたような・・・。この「赤影」の記憶の残らなさは何なんだろう?

 そういえばネットで金目教について調べ回っていた時、金目教は琵琶湖の南が活動拠点だったと書いてあったっけ。え? 琵琶湖の南って・・・ウチやん!! 甲賀もほど近い距離だし。もしかして、いまだ甲賀幻妖斎の志を継ぐものたちがこの地に留まり、復讐のときをまっているのかも?? (誰に復讐?とつっこまないように) まずは手始めに「赤影」の記憶を消去されてしまったのかも?

 あの頃の実写版の特撮ものは、内容はほぼ消失しているとはいえ、映像のインパクトは妙に鮮明に残っている。「忍者ハットリくん」は着ぐるみであったが、あのノッペリした顔が、大変不気味だった。「悪魔くん」や「河童の三平」もあんなに好きだったのに、ストーリーは見事に覚えていない。

 「怪獣ブースカ」についても、テーマソングしか覚えていないくらいなのに、「おたぬき教」という妖しげな宗教教団の話があった記憶だけはある。(とはいえ「ブースカ」でみたのかどうかは、あんまり自信はないんだけど) ヤマンバのような老婆が「おたぬき教」の筆頭で、何かと言えば「おたぬきさま」を激しくお祈りしていた記憶がある。「~ぞえ」というのを語尾につける、横溝正史のミステリーにも登場しそうなキャラの老婆なのだ。

 で、「おたぬき教」なのだが、子どもの私は別名で存在しているけれど、じつは某宗教が本当は「おたぬき教」では?!と密かに激しく独り合点をしていたのだ。実在の宗教を「おたぬき教」だと思い込んでしまったのである。

 おまけに父が「あそこのウチは○○教、信じてるねん」と、いまいましそうにつぶやいていたのを聞いてしまったのだ。その家の前を通り過ぎる時には、浮ュて思わず小走りになってしまった。私の中で誤解が解けるには、数年の月日を要した。

 そして今日、別の形で「おたぬきさま」が存在することを知った。

 「おたぬき教」はともかく「おたぬきさま」は健全なカタチで東京は神田の「柳森神社」にてお祀りされている。