日本全国には、あちこちに「底なし沼」と表現される沼があるのだろう。
少なくても、「あった」のではあるだろう。
私も以前そういう呼び方をされている沼を、旅の途中でたまたま訪れたことがあるような気もするが、はっきりとは覚えてはいない。
「底なし沼」という呼び方を耳にして、いつも疑問に思っていたことがある。
底なし沼と言われていても、底はあるはず。
じゃないと、そのまま地球の裏側まで行ってしまう(笑)。
底なし沼というのは、底があるにしても、その底がどれぐらいの深さなのか計り辛い・・・そんな存在なのだろう。
例えば、水面下が泥になっていて、底についたつもりでも、そのままズブズブともぐっていってしまう・・・そんな感じ。
捕まるものがなく、もがけどもがけど、どんどん泥の中に体がもぐってしまう。泥の中だから、泳ごうにも泳げない。
また、泥だけでなく、水草なども密集していたりすると、へたしたら泳ごうと試みることすらできない。
で、更にもぐっていってしまう。
でも。
やはり、どんな底なし沼にも、やはり底はあるはず。
それ以上もぐらない、足が地に着く場所が。
ならば・・・底なし沼と呼ばれる沼の、本当の底というのは、いったいどれぐらいの深さなのだろう。
そんなことを、漠然と疑問に思ったりしていた。
もうかなり前のことになるが、底なし沼を調査するテレビ番組があった。
その番組で取り上げられた「底なし沼」と呼ばれてる沼の深さは・・・正式な調査によると確か5メートルくらいだったかなあ。
専門家を呼び、更に機械を持ち込んでの調査だった。
5メートルだと、単に「深さ」という意味では、海や湖の深さに比べたら、全然大した深さではない。
まあ、それが池だとすると、けっこう深いけどね。
だが、海であれ川であれ池であれ、それが泳げる水域であるなら、水泳さえできれば問題はないだろう。
底なし沼は、泥や水草で泳げなくて、助かろうとしてもがくと更にもぐっていってしまうから怖い。
そう、水泳ができる人でも、その水泳技が通用しないから怖い。
ということは、水泳ができない人にとっては、海も川も池も沼も同じだろう。
泳げる人が底なし沼に入ることは、泳げない人が足の立たない深さの海や川や池で放り込まれるのと同じ・・・そういうことなのかもしれない。
だとしたら・・やはり恐怖の存在ではある。
私がこれまで住んできたエリアには、幸か不幸か、底なし沼と呼ばれる沼は、なかった。
水たまりに近い沼モドキはあったかもしれないが。
もしも子供時代に、住んでる場所の近くに「底なし沼」があったら、どうしただろうか。
きっと親や先生には、「あの沼には近づくな」と言われただろうし、沼の近くには「危険!入るな」という看板があったかもしれない。
でも、子供の好奇心は、そう言われれば言われるほど興味を持ってしまった可能性もある。
で・・
試しに少し入ってみて・・・・片方の足は地面にしっかりつけ、もう片方の足先だけを少し沼に浸す程度なら、後戻りもできただろうが、そうやって遊んでるうちに何かの拍子でバランスを崩して、ズブズブ・・といってしまったら・・・・・・怖い。
時に子供の好奇心というのは、怖いもの知らずなだけに、怖い。
と考えると、子供の時に住んだ場所の近くに、底なし沼がなくてよかったのかもしれない。
その一方で、「底なし沼」というスリリングな存在がなかったことが、少し残念な気もしている。
なお、写真は、底なし沼ではありません(笑)。
でも、ちょっとそれっぽい写真になってるでしょう??
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