goo blog サービス終了のお知らせ 

 時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

私のギターライフを大きく変えた一冊「1976 楽器の本」

2013年02月28日 | 音楽活動

ホームページの方でも以前に書いたことだが、私がギターを初めて手にしたのが中学の時。

よくあるパターンだが、最初はまず F というバレーコードに面くらった。

人差し指1本で全弦を押さえるなんて、とんでもないことのように思えた。

Fでさえ辛いのだから、B♭というコードなど、人間技じゃないとも思えた。

だが、少しずつ練習し、Fをなんとか押さえられるようになり、B♭は自分なりの弾き方で弾けるようになり。

すると、それまでに練習したC、D、E、G、A、Bなどのメジャーコードやマイナーコードを混ぜれば、ギター1本で、かなりの曲が弾けるようになった。

そうなるとギターそのものが楽しくなった。

すると、ギター関係の本も読むようになった。

そこには、色んなミュージシャンの愛用ギターなどの話もふんだんに載っていた。

そういう記事を読むうちに、ミュージシャンが愛用するギターや、そのメーカーの名前なども覚えるようになった。

マーチン、ギブソン、フェンダー、リッケンバッカー、ギルド、グレッチ、オベイション、その他、その他。

なかでも、マーチン、ギブソン、フェンダーの3社は花形だった。

ロゴには後光が差しているように思えた。

ほとんどのミュージシャンが、それらのギターメーカーのギターのどれかを愛用してることも分かった。

だが、まだその頃は、それらの有名メーカーは、有名ミュージシャンと同様の「スター」であり、同時に「手の届かない存在」であった。

それらのメーカーの楽器の値段も知らなかった。どうせ手が出ない値段であろうし、自分には関係ない・・・というか、諦めに似た気持ちだった。

そのため、有名ミュージシャンがそうであるように、有名メーカーの楽器もまた「憧れ」の存在にしか過ぎず、遠い存在でもあり、身近なものではなかった。

欲しいという気持ちはあっても、現実感はなかった。

そんな毎日を過ごしていたある日、書店で私は1冊の本を見つけた。

それはギターのカタログ本であった。

名前は「1976 楽器の本」。

この本によって、私のギターライフは、大きく変わった。

その本には、日本の安いギターと共に、マーチンやギブソン、フェンダーなどの世界の有名メーカーのギターも紹介されており、値段も記してあった。

なので、マーチンやギブソンやフェンダーなどのメーカーから、主にどんなモデルが出ていて、それぞれいくらぐらいの値段なのかも分かった。

国産の安いギターも、海外の高額なギターも、どちらもギターという商品であることには変わりない。

まあ当たり前のことなのだが、モデルに見合ったお金さえあれば、自分も入手することができる・・ということを、あらためて実感。

それ以来、このカタログ本ばかりを・・それこそ「穴があくぐらい」毎日毎日見続けた。

マーチンやギブソンやフェンダーのギターを身近に感じるようになったわけだ。入手の対象として、現実的なものとして捉えるようになったのだ。

 

今でこそ私は、当時憧れた有名メーカーの楽器を何本も持っているが、この「1976楽器の本」を見なければ、ずっとコピーモデルだけで我慢してたかもしれない。

いや、社会人になって1本くらい買ったかもしれないが、その1本以外はコピーでも満足してたかもしれない。

この「楽器の本」を見てると、色んなメーカーの色んな楽器がほしくてたまらなくなった。

この本を見ながら、欲しいギターのリストを作ったりもした。

また、本の中には、すでにこの頃からビンテージギター(オールドギター)の価値についても、スティーブン・スティルスによって語られており、私がビンテージギターに興味を持つようになったのも、この本がきっかけだった。

 

つまり・・この本に私の人生観・・・ギター観は変えられてしまったのだ。

で、有名メーカーの有名ギターを、あれこれ買うようになった・・・というわけだ。

この本は、ギターカタログの集合体であると同時に、ギター探求という迷宮(?)への入り口でもあった。

当時の私は、舶来有名メーカーのギターなど買えるわけもなく、とりあえず有名メーカーのロゴ欲しさに、有名ギターメーカーのピックで代用し、ピック探求の道から始まってしまったけれど(笑)。

一応、有名メーカーから出ているピックには、そのメーカーのロゴが描かれていたし、ピックなら1枚100円ぐらいで買えたから。

買ったマーチンやギブソン、ギルド、フェンダーなどのピックに描かれたメーカーロゴを、まじまじと見つめたものだった。

このロゴが、ギター本体の・・・主にヘッドの部分に誇らしげについているんだなあ・・などと思いながら。

 

おかげで、この当時、私の手元には色んなメーカーのピックが集まったものだった。

というか、ロゴが集まった(笑)。

 

だが、同じロゴでも、やはり代用品みたいな感覚はぬぐい去れず、いつかはギター本体を!という夢は膨らんでいった。

 

今家の中に色んなギターがあるが、それらが我が家に集まったのは、すべてはこの本から始まった・・と言っても過言ではない。

私が今、音楽を細々とでもやり続けているのは、この本にも多少の責任(?)があるのかもしれない(笑)。

私のギターへの関心を飛躍的にアップさせた本であるから。

 

まさに、私の人生の一部を変えた1冊である。

 

たかがカタログ本とみなすなかれ。あなどれないのだ。

 

色々な意味で、罪つくりな1冊であった。

 

この本が出版された1976年・・・・つまり1970年代に製作されたギターの中では、今では「セミ・ビンテージ」として、ビンテージ楽器として扱われているギターもある。

今現在「新品」として製作されているギターが、今から数十年後にビンテージ扱いされるギターは、どれぐらいあるのだろう。

それは未来の人でないと分からない。

ただ、いつの時代であっても、そんなギターが製作され続けていってほしいと切に思う。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 底なし沼の謎 | トップ | 「あの店」があった場所に行... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽活動」カテゴリの最新記事