ストリートピアノとストリートギター

ストリートピアノというものが、けっこう市民権を得てきているが、問題提起もされたりしてきる。

それは、ピアノの練習は家でやって、ちゃんとつっかえずに曲を弾けるようになってから、ストリートピアノは利用してほしい・・ということ。

あまり弾けないのに、ストリートピアノで練習する人がいることへの問題だ。

そういう人もいるんだね。

まあ、周りの人に聴いてもらうということが前提であるなら、人前で弾くならちゃんと一曲を弾けるようになってないとね。

ただの練習を聴きたい人はあまりいないし、あまりに間違いが多かったり、同じパートばかり何度も練習する様を、聴きたい聴衆はいないものなあ。

 

 

ここで、ふと考えてみた。

ストリートピアノというものがあるなら、もしストリートギターなどがあったら、どうなるかな？ということ。

すぐに想定できることは、ストリートギターだと黙って持って帰る人は多いかもしれないということ。

 

ストリートピアノが成立するのは、ピアノを持って帰るのは、少なくても何人もの聴衆がいる前ではできないからだろう。

ピアノは大きいし、第一重い。

簡単に持って帰ることができるような楽器ではない。

だが、ギターなら？

ギターの良さは、持ち運びが容易であること。

それなりにサイズが大きかったり、それなりに重さもあるギターもあるが、基本的に普通の人なら片手で持ち運びできる。

だからストリートギターなどかあったら、盗難は続出しそうだ。

それが容易に想定できるから、ストリートギターなんてのはないのだろう。

強いてあげれば、ギターのボディのどこかに鎖を繋ぎ、その設置場所から他の場所に移すことができないようにしておかねばならないだろう。

また、ギターは手で持ち上げることができるので、持った人が地面に落としたり、叩きつけたりすることもできる。

弦だって切れるし、切れたら誰かが弦を張り替えないといけなくなる。だとしたら、誰が張り替えるのだ？

誰がスペア弦を用意してるのだ？

また、ピックで弾くならまだしも、指弾きする演奏スタイルだと、音量の問題もある。

ライブ会場のようにアンプやPAがあるわけでもないだろうし。

そんなことを考えると、やはりストリートギターなんてのはあり得ないのだろう。

せいぜいフォーク居酒屋などで、備え付けのギターがあるくらいだろう。

逆に考えると、フォーク居酒屋で備えてあるギターというのは、一種のストリートギターみたいなものだろう。場所が室内であるだけで。

ギターの場合、「ご自由にお弾きください」にするには、それしかないのだろうね。

 

結論。フォーク居酒屋などで用意してある、自由に弾けるギターは、ストリートギターの一種みたいなものだということ。

 

ただし、その場合、演奏したいなら、その店に客として入らなければいけないし、誰かがライブをやってる場合は、弾けない。

店に入ったら、客として何か飲食物をオーダーしないといけない。

そういう意味では、ストリートギターは有料で条件つきで自由に弾ける楽器ということになるね。

 

 

ところで。ストリートピアノというのは、もし屋外にある場合、雨や雪が降ってきたらどうしてるのだろう？

調律はどうしてるのだろう？

夜間はどうしてるのだろう？

 

フォーク居酒屋なとにある備え付けギターは、そのへんはクリアできてることになるね。

店のスタッフが管理してるのだから。

室内なら雨や雪は大丈夫だし、弦の交換、スペア弦の確保、音量問題も、店のスタッフによって管理されてるし。

 

やはり野外に「ご自由にどうぞ」と設置するのは、ギターは無理だね。