
ギターは、昔からコミックの中によく出てきていた。
小道具として、あるいはコスチュームの一環として、などなど、コミックの中でのギターの存在は色々な意味を持っていた。
単なる背景の中の飾りとして出てくる場合もあるし、主人公のキャラクターを立たせるためのトレードマーク的なアイテムである場合もあるし、時には武器的な存在になることもあったし、音楽コミックなどではストーリーにも関わってくるほど重要なアイテムになったりもしてきた。
つまり、昔から今に至るまでコミックの中において、ギターはよく出てくるアイテムなのである。
今後もコミックの中では、色んな意味合いでギターは登場するであろう。
だが、昔のコミックと今のコミックを比べると、コミック内でのギターの描かれ方は、けっこう変わってきている。
ここで書く「描かれ方」とは、ギターの外観のことである。
昔のコミックに出てきたギターと、今のコミックに出てくるギターでは、ギター1本1本のデザインや仕様的な「違い」の描き分けられかたが大分違うと思う。
今のコミックに出てくるギターは、そのギターのボディ形状、仕様、ブランドなどが、けっこう細かく描きわけられていることが多い。
昔のコミックに出てきたギターの描かれ方は、かなりアバウトだった。
ギターメーカーによって異なるボディの形状の違いというものに対しては、かなりおざなりな描かれ方をされているケースは多かった。
中には、めちゃくちゃなボディ形状のギターもあったし、「こんな形状のギターがあったら、まともに弾けないだろう」と感じるものもあった。
ギターが好きな人が見たら、こんなギターあるわけない・・・なんて思ってしまった「ギター好きな読者」もいただろう。
だが、今は違う。
ギターメーカーによって異なるボディ形状、インレイ、ヘッド形状、ピックアップ、ピックガード、糸巻き、コントロールノブ、サウンドホールの位置や形状、そして極めつけはロゴ!などが、かなり細かく描き分けられているケースが目立つ。
音楽系のコミックだと、そのギターの解説までセリフや文章で説明されていることもある。
それだけ、ギターが細部までリアルに描かれるようになってきているわけだ。
まあ、音楽系のコミックが昔より増えているから・・というのもあるだろうし、自らギターを愛し、音楽活動までしている漫画家がいる・・というのもあるだろう。
漫画家が自分の趣味に合致したコミックを描く時、作品に出てくるアイテムなどにこだわりを持って、その細部までリアルに描き分けたいと思うものだろう。
例えば、車好きな漫画家が車を題材にした時は、車をリアルに描きたいだろう。
例えば、武器や兵器にこだわりがある漫画家は、武器や兵器をリアルに描くだろう。
それと同じように、楽器好きな漫画家が、楽器が出てくるコミックを描く時に、楽器をリアルに描きたいと思うのは人情だろう。
最近、コミックに出てくる楽器がリアルなのは、自らギターを弾く漫画家が増えているからなのだろう。
1読者である私は、自分がギター好きであることから、コミックの中で、各ギターが詳細に描かれているのを見ると、なんか嬉しくなる。
それによって、ギターにあまり興味を持っていない読者が、ギターに興味を持ってくれて、ギターを好きになってくれれば、更にいいなと思う。
もっとも・・・ビンテージ楽器の値段相場が、あまりにも多くの人に知れ渡ってしまうと、まずいこともあるのだが(笑)。
だって、ある日ナイショで高額なビンテージ楽器を買って、「このボロギターは、ゴミ捨て場で拾ってきたんだ」なんて嘘はつけなくなるからね(爆)。
「こんな高価な楽器が、ゴミ捨て場に落ちてるわけがない!」「このメーカーのギターが、数万円しかしないなんてわけはない!」とか言われたら困る・・・・そんなオジサンは・・・けっこういるのでは??(笑)
特に、ギターコレクターなおじさんは(笑)。