時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ドロンパへの手紙

2014年11月08日 | 漫画・アニメ、そして特撮

やあ、アメリカおばけのドロンパ。

元気でやっているかい?

君が現役として「オバケのQ太郎」というコミックに登場して活躍していたのは、もう何十年も前のことになっちまったよなあ。

あれから長い年月が過ぎ去っていったが、今君はどこで何をしてるんだ?

今ではもうドロンパという名前を、日常で我々が耳にすることは、ほとんどない。

なのになぜ今更(?)君のことを考えてみたかというと、以前ラジオで旧オバQの主題歌が流れたからなんだ。

そこで、ふと君のことを思い出してしまった・・ってわけさ。

確か、あのコミックの最後では、Q太郎は人間界からオバケの世界に帰っていったんだっけ。

君があのコミックに登場した時、「日本にオマケのQ太郎というのがいると聞いて、やってきた」と言ってたよな。

君があの時「オバケのQ太郎」を「オマケのQ太郎」と呼んだのがわざとだったか、それとも本当に勘違いしてたのかは、私には分からない。でも、君のことだ、Q太郎への対抗心から、わざと「オマケ」と言い間違えたんだろうね(笑)。

アメリカオバケである君が、わざわざ日本までやってきたのは、見聞を広めるためというのもあっただろうけど、なによりQ太郎がいたから。

ところが、Q太郎がいなくなってしまったら、君が日本にいる理由も無くなってしまったように私には思えたし、もしかしたらQ太郎がいなくなってから、しばらくは日本に居たものの、やがては君はアメリカに帰ってしまったんじゃないか・・・と私は思っているが、違うかい?

 

そもそもなぜ君が「オバQ」に登場したかということについて、以前作者の藤子先生が、Q太郎の漫画を描き進むうちに、Q太郎にはライバルが必要だ・・・と考えたからだったそうだ。

そして、先生は、ドロンパのことを描き続けるうちに、君のことが好きになってしまった・・とも書いてらっしゃった。

そう、君は、作者お気に入りのキャラに成長したんだ。

 実際、1読者として私も、君のことは好きだった。

君は生意気で、尊大で、ひねくれ者で、あまのじゃくで、なおかつ悪知恵も働く奴だった。

しかも、Q太郎にはできない「化ける術(変身術)」も身につけていた。

まあ、化ける術に関しては、本来オバケなら誰でもできるはずだが、それが出来ないQ太郎に対して君は優位に立った。

だが、Q太郎はなぜか柔道ができ、君はQ太郎に柔道技で投げられてしまった。

でも、そのおかげで、君はQ太郎をライバルとして、また友として認めたんだっけ。「わりかし強いや」と言ってさ。

それ以外は、君は何をやっても優秀だったよな。なまじ君が色んなことが人並み以上にできてしまうもんだから、他の人はシャクに触っても、誰も君に何も言えなかった。

それに、君は、自分が何でもできることを鼻にかけて、人を見下すような態度が多かった。

だから、・・・あの時は、大変だったよなあ。・・ほら、君が、胸の星を落とした時のことさ。

君は、胸につけてる赤い星をなくしてしまうと、オバケとしての能力を失ってしまうだろう?で、何をやらしてもダメになってしまう。それが君の弱点だったっけ。

あろうことか、あの時君は星を落としてしまった。まさに、ピンチだった。

いつもの憂さ晴らしに、ここぞとばかりに皆が君に仕返しをしはじめた。

その時君は無力で、やられっぱなしだった。これがあのドロンパか・と思うぐらい。

そんな時・・・・Q太郎は、君を助けてくれた。 

君は密かにメモをつけていた。Q太郎をはじめ、町の皆の名前リストが書かれており、名前の横に君は〇×をつけていた。

君にひどいことをした人には×をつけ、Q太郎などのごく一部の人にだけ〇をつけてた。

それを見た皆は、君が星を取り戻したあかつきには仕返しをされると思った。

やがて君が星を取り戻すと、皆は手の平を返したように態度を変えたもんだったよなあ。

Q太郎に恩義や友情を感じた君は、別の人になりすまして、Q太郎にプレゼントをおくったっけ。

別の人になりすましてお返ししたんじゃ、君の気持は相手に伝わらないであろうに・・・。

ほんと、君って奴は損な奴だった。いるよなあ、そんな奴。リアル世界でも、あふれるぐらいいると思うな、そういう奴。

 

君は、イヤな奴なようでいて、実は義理に厚く、いい奴だった。

ただ、せっかくの君の良い点なのに、君は素直に言葉や態度に出せない。でも、他人になりすましてでも、恩義を返す。

私は君のそんな点が好きだった。

おそらく、漫画を読んでた多くの読者が、君が本当はいい奴であることを分かっていたはずさ。

 

私が忘れられないのは・・他にもある。

Q太郎はオバケの国に帰る時、当初皆に黙って去って行った。

そんな時、君は、いなくなってしまったQ太郎に向かって

「黙って行っちゃうなんて、ひどいぞ!」と、あのクールないつものキャラからは考えられないくらい、地面に全身で地団太踏んで、大声で嘆き叫んでいた。誰はばかることなく。皆、そんな君の姿を見て、唖然としてたもんなあ・・。

ともかくそれが、友への君の本当の思いだった。

あの時は、読んでてけっこう「くる」ものがあったぞ。

やはり、君は・・・・

熱い気持ちを持った奴だった。

 

だが、あまのじゃくな君のこと、「いい奴」だなんて言われると、「フン」とか言ってしまうんだろうね(笑)。

その性分は、今も変わっていないのかな?

どうだい、ドロンパ?

 

Q太郎がいなくなってからも、しばらくは君が日本にいたことは分かっている。

時々、Q太郎にばけて、大原正助君の前に現れ「今帰ったよ」なんて言ってからかってた・・ということは分かっている(笑)。こりゃ相手の神経を逆なでするよ。

そんなことするから、君は誤解され、嫌われたりもするんだ。

でもさ。

Q太郎にばけて「今帰ったよ」と言って皆の前に現れるなんて・・・・本当は、それは君が一番望んでいたことなんだろう?それが現実のことにならないから、君がやってしまっていたんじゃないか?

君は、Q太郎が帰ってくるのを、日本で待ってたんだよね、本当は。

 

ただ、もうあれから何十年もたった。

君が母国アメリカに帰ってしまっていたとしても不思議じゃない。

でもその一方で、日本で君がさんざん世話になった爺さんである神成さんを、君が見捨てて帰国してしまったとも思えないでいる。君は、そんな奴じゃない。

神成さんは、当時でもかなりのおじさん・・・お爺さんに近いおじさんだった。

人間、歳をとれば病気もするし、体がいうことをきかなくなる。

神成さんが、あの後どんどん老人になり、やがて病の床にふせったとしてもおかしくない。

そして、あれから何十年もたった今、神成さんが亡くなっていたとしてもおかしくない。

 

もしや・・君は、最後まで神成さんの面倒をみて、神成さんが亡くなってから・・・アメリカに帰国したのではないかい?

 

そう思えてならないでいるよ、私は。

 

ドロンパ。

今どこで何してる?

元気かい?

今。

 

P.S.   実を言うと、私はQ太郎よりも、ドロンパの方が好きだったよ。


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