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 時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

良い曲なのにシングルカットしないかっこよさ(?)

2025年03月02日 | 音楽活動

アルバムを聴いてると、「こんなに良い曲なのに、なぜシングルカットしないんだろう」と思うことがある。

 

だが、その姿勢がカッコよくも思えることもある。

 

 

 

吉田拓郎さんや井上陽水さんの全盛期のアルバムを聴いてた時、それはよく思った。

 

 

 

 

 

最近気付いたのだが、拓郎さんって、案外シングルヒットって少ないんだよね。

 

その長いキャリアの中で、シングルは多数発表してきてるが、本当に大ヒットしたシングルというと、やはり「結婚しようよ」と「旅の宿」が飛びぬけている。

 

それに続くのが「となりの街のお嬢さん」あたりかもしれない。

 

名曲の誉れ高い「流星」も、シングルとしてはさほど大ブレイクはしていない。

 

このへん、意外。

 

代表曲とされる「落陽」にしても、長年に渡ってシングルカットはされず、年月が過ぎた。

 

しかもだいぶ年月が経過してシングルカットされたのは、リメイク版であった。

 

 

 

大ブレイクしたシングルヒットがあまり多くないにも関わらず、ミュージシャンとしての格は落ちなかった。ファンの間だけでなく、一般的な存在感も。

 

 

 

それはなぜだったのだろう。

 

 

 

他人のために書いた曲がヒットしてたというのは大きいだろう。その良い例は「襟裳岬」だろう。

 

あと「我が良き友よ」などもそうか。

 

 

 

だが、肝心の作者本人のシングルヒットは・・。

 

 

 

ふと思った。

 

それは、アルバムの中に良い曲がいっぱいあり、中にはシングルヒットも狙えそうな曲もあったのに、あえて少なくてもリアルタイムではシングルカットしなかったから・・というのもあったように思う。

 

そんな姿勢は、ファンとしては「拓郎さんはシングルにあまり重きを置いてなくて、あくまでもアルバムを重視してるからなんだろう」と思えた。

 

だから、ファンとしては、たとえ拓郎さんに大ヒットシングルが少なくても、それに左右はされなかったのではなかったか。

 

 

 

 

 

例えば。

 

「結婚しようよ」というシングルヒット曲が収録されていたのは「人間なんて」というアルバムだったが、そのアルバムには「どうしてこんなに悲しいんだろう」という名曲も入っていた。

 

当時私は、「結婚しようよ」に続いて、なぜ「どうしてこんなに悲しいんだろう」はシングルカットしなかったんだろうと思った覚えがある。

 

 

 

同じく、「旅の宿」というシングルヒットが入っていたアルバム「元気です」には、シングルカットしなかったのが不思議なくらいの名曲が目白押しだった。

 

「春だったね」「たどり着いたらいつも雨降り」「祭りのあと」など。「夏休み」も、リアルタイムではシングルカットしなかったはずだ。

 

これらの曲をアルバム発表時期の当時にリアルタイムでシングルカットしてたら、どうだっただろう。

 

 

 

特に「春だったね」や「たどり着いたら」などはシングルカットしてもおかしくなかったと思うし、シングルカットしたら、当時の拓郎さんの勢いもあって、けっこうシングルヒットしたのではないかと思えるのだが。

 

でも、シングルカットはしなかった。

 

 

 

ただ・・私としては、当時ファンとしてそんな拓郎さんを見ていて、そんな姿勢はかっこよくも思えたのは確かだった。

 

だから、シングルが大ブレイクしなくても、あまり気にならなかったんだと思う。

 

 

 

同じことが「氷の世界」の頃の陽水さんにも言えた。

 

シングルとして大ヒットした「夢の中へ」は、当時の陽水さんの正規アルバムには収録されてなかった。あくまでもシングルのみだった。

 

そのシングルの後に出た大ブレイクアルバム「氷の世界」からは、シングルとして「心もよう」は出たけど、他のシングルA面曲は・・出さなかったような。

 

 

 

この当時の陽水さんはすごくて、シングルで大ヒットした「心もよう」のシングルのB面に、あの名曲「帰れない2人」を収録してしまう贅沢さ。

 

いっそ、シングル第1弾として「心もよう」を出して、B面には違う曲(例えば「Fun」あたりとか)を入れ、「帰れない2人」をシングル第2弾のA面にして出してたら、どうなっただろう。

 

個人的にはアルバム収録曲の中の「桜三月散歩道」、もしくは「氷の世界」あたりもシングル第3弾で出してたら、どうなっただろう・・などと思うことはあった。

 

 

 

でも・・出さなかった。あえてA面が「心もよう」B面が「帰れない2人」のシングル1枚のみ。

 

商売的に考えたら、もったいなかったとも思えるが、ファンとしてはそんな姿勢はかっこよく思えたのも確かだった。

 

 

 

シングルよりも、アルバムを聴いてくれ・・・そんな姿勢にも思えて。

 

 

 

だから、大ヒットシングルがキャリアの割にあまり多くなくても、ミュージシャンとしての格は確固たるものだったのではないか。

 

他人への曲提供で実績も出していたしね。

 

 

 

 

 

単に本人のシングルの売り上げ実績だけでとらえてしまうと、意外な数字に今さらのように・・後になって気付いてしまう。

 

とはいえ、それで評価や格が落ちることはないのだが。

 

 

 

ただ、ファンとしてのシンプルな興味で、ピーク時にリアルタイムで「どうしてこんなに悲しいんだろう」「春だったね」「たどり着いたらいつも雨降り」、「氷の世界」A面になった「帰れない2人」がシングルカットされてたら、どれぐらいの成績を収めたのかな・・という興味は、少しある。

 

 

 

 

 

 

 

まあ、これがビートルズになると、そんな曲はもっと多いけどね。もっとも、本国ではシングルカットされなかったが、他国ではシングルカットされた曲・・というのもも多かったけど。

 

でも、そんな音楽活動の姿勢がかっこよく見えたのも確かなんだけど。

 

 


きっとそれには彼らならではの戦略もあったのだろうけれどね。

なので、単にカッコつけるためにそういう風にしていたわけではないのだろうし。



もっとも、アルバムという媒体の価値観が昔と違って、サブスクが主体の今では、シングルカットの存在感も意味合いも違うのだろうけどね。


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