
ちょっと前のことになるが、2020年11月27日、漫画家の一峰大二さんが亡くなった。
そのことを私は当時、ネットで知った。
一峰さんという漫画家、若い漫画ファンにはあまりなじみがない名前であろう。
一峰さんは1935年12月19日生まれの方で、漫画家として主に活躍したのは昭和の時代であったから。
私には幼少の頃から馴染みのある漫画家であった。
だが、一峰さんが精力的に作品を描いていた頃は私は前述の通り幼少で、もろリアルタイムで連載時に一峰作品に接していたかというと、ちょっと自信がない。
ただ、もろリアルタイムではなかったかもしれないが、一歩後れでは作品に接していたと言えるし、中にはリアルタイムで幼少の頃に接してた作品もあったとは思う。
以前このブログで「黒い秘密兵器」という一峰作品を漫画を取り上げたことがあった。
その記事を投稿したのは2020年の11月上旬だったのだが、その月の下旬に一峰さんは亡くなられたことになる。
たまたまとはいえ、なんというタイミング。
身内でもないのに、まるで虫の知らせでもあったかのような気にもなってくる…。
私がその作品「黒い秘密兵器」に熱中したのは、リアルタイム連載が終わって、少し時間がたってから、単行本で入手した。
そのリアルタイム連載には、私は間に合わなかったのだ。
私にとって一峰作品というと、前述の「黒い秘密兵器」の他には「電人アロー」が浮かぶ。
その他には、数多くの特撮ヒーローの漫画だ。
ウルトラマン、ウルトラセブン、スペクトルマン、月光仮面、ナショナルキッド、などのヒーロードラマや特撮ドラマを漫画化した作品を多く手掛けてらっしゃった。
なので、一峰さんはヒーロー漫画の巨匠・・・そんなイメージのあった漫画家だった。
ウルトラマンやセブンなどは、元々は原作漫画があったわけではなかったので、それらの作品を漫画化してくれてたのは、喜んでた子供たちは多かっただろうと思う。
私が実際に一峰作品を入手したのは「黒い秘密兵器」だけだったが、「電人アロー」も印象に残っている。
ということは「電人アロー」は私はリアルタイムで読んでたのだろうか。
そのへん、どうも記憶があやふやだ。
アローは、今でいうサイボーグだった。
サイボーグという概念を世に広めたのは石ノ森章太郎さんの「サイボーグ009」だとされているが、アローは009と同じ時期だったようだ。
そういう意味では、アローは009と共に時代を先取りしていたことになる。
アローは電気のエネルギーで動く人口細胞を持ち、腕と足に特殊なモーターみたいなものがあり、アローがその能力を発揮する時には、そのモーターがギュンギュンと音を立て、力を溜めこみ、そして溜めこんだパワーを一気に放出していたように思う。
この、音をたててパワーを溜めこんでいく段階は、読んでてワクワクした覚えがある。
後の「宇宙戦艦ヤマト」が波動砲を発射させる時にエネルギーを溜めこんでいくが、それに近いようなワクワク感があったと思う。
必殺技は両手を使って発生させる「電光スピア」。稲妻のような形をした電気の矢みたいなものだった。
このスピアを敵に投げつけ、敵を粉砕する。
これだけでも十分に魅力的だったのだが、アローの魅力はそれだけではなかった。
ある少年がアローを呼びだす銃みたいなものを持っており、その少年がピンチになると、少年はその銃を空にかざしてアローを呼びだす光線みたいなものを空に放つ。すると空に独特のスクリーンみたいなものがあらわれ、そのスクリーンにアローを呼びだすマークみたいなものが映し出される。
すると、どこからともなく、空飛ぶ特殊なバイクみたいなものに乗って、アローがやってきて、少年を救うのだ。
これがなんとも魅力的だった。
子供にとっては、友達になれるようなヒーローだった。
アロー自身は、決して子供ではない。青年という感じで、子供にとっては兄貴分みたいな感じだった。
サングラスをかけているアローの素顔は、結局わからずじまいだったが、そのためかえって神秘性もあったように思う。
もし復刻版を今改めて読み返すと、色々なツッコミ所もあることだろう。
でも、当時の子供たちは今の大人が指摘したくなるようなツッコミ所など、あまり気にせず、ひたすらヒーローのかっこよさに惹かれていたのも確かであったろう。
「電人アロー」はアニメ化の計画もあったようで、実際に関係者用の試作品としてパイロット版が制作された。
それにあわせ、主題歌も作られていた。
だが、予定していたスポンサーが何かの事情で降りてしまい、結局アニメ化は実現しなかった。
今考えると、残念であり、もったいなかったと思う。
アローの連載時には、今ほどアニメ作品は多くなかったはず。OVAもなければ、ネット配信もなかったし、ビデオもDVDもなかった。深夜枠のアニメもなかった。
だから、今より数少なかった子供向けのアニメに、子供たちの人気が集まった・・というのはあったと思う。
なので、当時の状況の中でアローがアニメ化されてたら、エイトマンやスーパージェッターに匹敵するほどの人気はでたのではないか。
そうなれば、一峰さんの名前も、今よりもっと知られていただろう。
それを考えると、やはり・・もったいなかったし、残念としか言えない。
一峰さんもさぞかし残念だったろう。
一峰さんは普段サイン色紙を描く時には、アローの絵を描くことが多かったという。
ということは、自身が描かれた多数の作品の中でも、とりわけアローには思い入れがあったのであろう。
自身の代表作としてみなしていたのかもしれない。
前述の通り、多数のヒーロー漫画を描かれ、ヒーロー漫画の巨匠であった一峰さんの他界を、今あらためて寂しく思う。
合掌・・・。
先生の作品は、少年時代にワクワクしながら、読んだ記憶があります。
「電人アロー」は、たしか光文社の月刊誌「少年」の連載だったと思います。
と、言っても購読していたのではなく、近所の町医者や歯医者の受診時に
待合室にあるのを読んでいました。(月刊誌は豪華10大付録付きで高価だった)
アローが、空飛ぶバイクに乗って颯爽と登場、両腕を撃ち合わせ矢印みたいな稲妻(?)を放って、
敵をやっつけたのがカッコ良かったです。
アニメ化が、スポンサーの都合で立ち消えになったのは、本当に残念です。
スポンサーは、おそらく田辺製薬だったと思われます。
当時の田辺製薬の主力商品に、「アスパラ」という健康補助薬品が、ありましたが
これのイメージキャラクターが、なんと「電人アロー」だったんです。
アローの胸の矢印のマークは、田辺製薬の「アスパラ」のマークなんです。
雑誌のアスパラのCMにアローのイラストが、使われていました。
もし、「電人アロー」のアニメがヒットしていたら、全国の薬局の店頭に
ソフビのアローの等身大フィギュアが、置かれていたことでしょう。
(コルゲンコーワのカエルのフィギュアや、佐藤製薬の象のフィギュアも懐かしい)
一峰先生は、この当時、少年マガジンに「ミサイルマンマミー」「キングコング」
を連載、他誌にも数編の読み切り漫画を、発表されてました。
謹んで合掌です…。
そのころは、一峰さんの作品「黒い秘密兵器」をこの
ブログで取り上げたばかりの頃でしたので、けっこう身近に感じて、寂しかったです。
月刊誌「少年」は、幼少の頃、読んでました。
だから電人アローを私は知ってたんですね。
当時の少年月刊誌は、付録の数を競ってましたっけ。
アローは、少年がアローを呼びだす方法が印象的でした。登場の仕方がかっこよかったですよね。
あんなふうにヒーローを呼び出せたらいいなあと思ってたんだと思います。
アニメ化されたら、けっこう人気出たと思います。
そうしたら、キャラクター商品も出たでしょうね。
アニメ化一歩手前までいきながら、実現しなかったのは、一峰さんにとっては残念だったことでしょう。
ユーチューブに、試作品ともいうべきパイロット版がアップされてます。
電人アローというワードで検索したら、見つかると思います。
その動画では、なんと幻の主題歌も聞くことができます。
ちょっとエイトマンみたいな雰囲気のある主題歌です。
ミサイルマンマミー、聞き覚えある名前です。
内容は…思い出せませんが…。
中学時代に同級生が上・下巻(だいぶ古くなったもの)をくれました。何度も読みました。
社会人になってからは復刻版の「快傑ライオン丸」「風雲ライオン丸」を買いました。
>「黒い秘密兵器」の他には「電人アロー」が浮かぶ。
一度読んで見たいですね
もっとあるかと思ってました。
ライオン丸はリアルタイム時に作品名は知ってましてが、テレビ版は私は見てなかったのです。
電人アローは、確か復刻本があったと思います。
とはいえ、普通の本屋で今も簡単に入手できるものではないかもしれません。
もし機会があれば読んでみてください。
>一峰さんのウルトラマンは、単行本ではたった2巻だけだったのですか。
機会があったら読んで欲しいです
>スペクトルマン
小学生の頃に理容店の順番待ちで読みました
>そういう意味では、アローは009と共に時代を先取りしていたことになる。
やはり素晴らしい漫画家だったのです
今も普通に売ってるのかな・・・。
まあ、機会があれば読んでみたいです。
一峰さんは、もっと再評価されてほしかった漫画家でしたね。
一時代を築かれてましたから。