オークランド憂国日記

祖国を離れ米国人になった元日本人がアメリカ、日本を憂う日々を綴る

米国の軍事民営化はどこまでいくのか?

2005-05-10 15:46:49 | Weblog
戦争の民営化がどんどん進んでいる。今年米国では海兵隊、陸軍への志願者数が最低となった。賃金は最低、碌なアーマーもなく、現役、退役後の福利厚生も年々低下の一方。そのうえいつ終わるとも知れぬイラクでの泥沼にいつ召集されて命の危険にさらされるか判らないそんな軍隊に自ら望んで入りたがる代わり物は、LAのギャング戦争から抜け出したいメキシコ移民の子供たちくらいだ。戦争の民営化にはこのような状況の中でも徴兵制を施行できない事情がある。まずは徴兵制を始めたとたんにイラクに対する反対運動にベトナムの時のように火がつくからである。そしてもうひとつの理由は、かつての日本の土建屋と同じだ。戦争関連のは一種の公共事業であり、公共事業の受注は儲かるのである。まして、戦争や刑務所経営などを行う特殊な企業は数も少なく競争もない。現副大統領が元会長であった戦争、刑務所、油井建設などを手がけている企業などは笑いが止まらないはずである。
この企業イラクでは米兵の洗濯屋までやっている。たとえばこういった米系の戦争関連企業がDOD(米国国防省)からコントラクターとして米軍基地での食堂ケータリングサービスなどの公共事業を受注する。DODからたくさんお金をもらったこの業者は昨今の米国企業のごたぶんにもれず、この仕事を人件費の安い国外にアウトソーシング(下請けね)する。と、某東南アジアの国にある“某パタパタレストランサービス”が下請けする。その結果イラクの米軍基地の食堂でアジア某国のシェフが腕を振るうことになるのである。今回襲われたの齋藤さんと同じ構図である。DOD(米国国防省)が以前だったら米国の兵隊が任務として行う仕事を英国にあるいわゆる民間軍事会社のブラックウォターhttp://www.blackwaterusa.com/のような警備会社に発注しているのである。現在イラク国内での就労にどのような労働ビザが必要かは不明だが、アメリカ、イギリス経由なら何国人でも自由に働けそうな雰囲気だ。バグダットで米国、国防省から受注した軍関連の警備を行う武装した職業民間兵隊の日本人を日本外務省はいかにして守るのだろうか?また米国の軍事民営化はどこまで進み、戦争の本質をどう変えるのか?長引くに従い目を離すことの多くなったイラクだが、戦争は終わっていない