yokomizoの覚え書き

切手とSFと本が好きなおっさんのひとりごと。

エコさんへ

2008-02-12 | 郵趣(旧)
 私のブログ記事のコメントで、エコさんという方から、「郵趣家の方は、なぜ使用済み切手を集めているのですか? 消印されると価値がなくなるわけではないのですか?」という質問をいただきました。
 ある意味、切手収集家の本質を問うものでもあるわけで、回答も長くなりますので、コメント欄ではなく、こちらで私なりの回答をご紹介します。

 まず、切手は消印されると郵便切手として無効になりますので、間違いなく価値は下がります。切手を集めていない人にとってはゴミかも知れません。ただ、切手収集家にしてみれば、使用済切手は未使用切手より安く入手する手段になります。例えば、同じ80円切手でも未使用なら80円、使用済なら10円だとしたら、収集家によっては10円の使用済切手を選ぶ方もいるわけです。
 こういう集め方をする方は、たいてい日本切手全種を集めようとか、世界中の切手を集めようとか、切手の種類を揃えようとする収集家の方が多いです。

 一方、郵便切手というのは郵便料金の前納証紙ですから、その役目を全うした使用済切手に価値を感じている収集家もいるわけです。そういった収集家の方々はたいてい、その切手がいつ、どのようにして使用されたか、ということに興味を持っています。
 切手に押されるハンコ、消印といいますが、これにはハンコを押した郵便局名や日付や時間が表示されており、郵便局では局によって異なりますが、約何種類かの消印を持っていて、郵便物の種類や大きさによって、押す消印の種類を変えています。つまり、消印の種類やその日付、どこの郵便局で差し出されたのか、どんな郵便物に貼られていたのか、ということにこだわる切手収集家がいる訳です。
 このような切手収集家の方々にとっては、消印の情報が切手上にすべて載っている方が収集対象として好ましい訳でして、こうした使用済切手を「満月消」などと呼んでいます。ただ、消印は切手と貼ってある郵便物表面の両方にかかるように押さなければならないため、たいてい消印は切手上では半欠け状態になってしまいます。ですから、「満月消」の状態で消印が押されるケースは少なく、「満月消」の使用済切手は、時には未使用切手よりも高く取り引きされる場合もあります。

 「郵趣家の方は、なぜ使用済み切手を集めているのですか? 消印されると価値がなくなるわけではないのですか?」という質問の回答としては、こんなことでしょうか。要するにですね、郵便切手は消印されると郵便料金の前納証紙としての価値はなくなりますが、趣味品としての価値は、それを欲しがる切手収集家がいなくならない限り、なくならないという訳です。

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1 コメント

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☆ありがとうございました☆ (エコ)
2008-02-14 01:44:52
とってもわかりやすくて、すっきりしました。
本当は通りすがりにこんなぶしつけな質問して失礼だったかも・・・と思っていました。
ていねいなコメントに感激しました。
ほんとありがとうござぃます

消印にそんな物語がかくれていたとは。
今日から切手や消印を見る目が変わると思います!

またわからないことがあれば教えてください。
私も切手と手紙がすきなので色々知りたいです