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上代語「はも」(3)

2024-04-08 20:22:20 | 日本語文法
これらを踏まえて、万葉集の歌にあたってみたい。

・さねさし相摸(さがむ)の小野に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも

・夕さればみ山を去らぬ布雲(にのぐも)のあぜか絶えむと言ひし子ろはも

・防人(さきもり)に立ちし朝明(あさけ)の金門出(かなとで)に
  手離(たばな)れ惜しみ泣きし児(こ)らはも

・春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも

・ささの葉にふりつむ雪のうれを重み本くだち行くわがさかりはも

・夜はも夜のことごと昼はも日のことごと ← (これはちょっと違う)

・早川(はやかわ)の瀬に居(い)る鳥のよしをなみ
  思ひてありし我(あ)が子はもあはれ ← (これはちょっと違う)

これくらい例を挙げれば、
公理(1)と公理(3)を、規則性と法則性を、感じ取ってくれるでしょう。

>http://575.jpn.org/article/174793941.html

>さねさし相摸(さがむ)の小野に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも
>   弟橘比売命
>■ 訳
>ああ、相模の野原で火に囲まれた時、
>火中に立って私を気遣ってくださった(愛しい)あなた。
>(どうかご無事でありますよう。)

>「さねさし」は相模に掛る枕詞
>(”さねさし”は意味もなぜ相模に掛るのかも確実な理由は分かっていません)、
>「相模(さがむ)」は現在の神奈川県(小田原市周辺)、
>「問ひし(とひし)」は見舞った、
>「君はも(きみはも)」は貴方よ(”はも”は強い詠嘆)、
>をそれぞれ意味します。

「ヤマトタケルの妃であるオトタチバナヒメが辞世の句」云々の件は出鱈目だろう。

「問ひし君はも」
=問ひし君+は+も(co- ko-)
=問ひし君+あり+共に・一緒に+あり
=問ひし君あり、共にあり

全体として
・さねさし相摸の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君あり、共にあり

ほぼ現代文で、解説が不要なくらいにしっくり来てると思う。
これを読んでわからない人がいるかな。


上代語「はも」(2)

2024-04-08 20:12:43 | 日本語文法
「はも」が文末にある時は「強い詠嘆の意」を表す。意味は「…よ、ああ。」
「はも」が文中にある場合は「上の語を取り立てて強める意」で
意味は「…は。」とのこと。

・文末に用いて、強い詠嘆の意を表す。 訳は「 …よ、ああ。」
・文中に用いて上の語を取り立てて強める意を表す。訳は「…は。」

文末にある時と文中にある時は、分けなければいけない。
確かに動詞が文末にある時と、文頭にある場合は分けて考えるべきですね。
文末の動詞は平叙文で、文頭だと疑問強調感嘆…になる。
正統派のお作法か…その通りだ。

「はも」は上代語で、一番古い単語の部類で、
連語で文末では「係助詞は+終助詞も」、文中では「係助詞は+係助詞も」との事。

しかし公理(1)「は=あり」、公理(3)「と、も=共に、一緒に…」です。
特に「と、も」は接頭辞の「co- ko- 共- こー」と、
もともとの「co ko 共 こ」が混在していると思う。

「はも」
=は+も
=あり+共に…「は」を「あり」、「も」を「共に、一緒に…」に置き換え

この「も」が接頭辞の「も」の場合、もともとが「co-」だから
「はも」=「は+も」=「は+co-」と考えられる、接頭辞だから。
ということは「co-動詞、co-名詞」の形の「動詞、名詞」の省略形と言える。

つまり文末に「はも」がある場合は、次の動詞/名詞が省略されている。
省略された動詞/名詞とはなにか。

「はも」=「は+も」=「あり+共に・一緒に…+~」
だから「~」は「あり」を省略した。二度目の「あり」だから省略した。

一方で文中の「はも」は「も」の次に動詞/名詞の単語が続くはずだ、文中だから。
すると文中の「はも」は「も」の次の「動詞/名詞」と「共に、一緒に…」の意味だ。

結論として、文末の「はも」の現代語訳は、
「あり、(共に・一緒に…)あり」で良いはずだ。

文中の「はも」の現代語訳は、
「あり、(共に・一緒に…)+動詞/名詞」となる。


上代語「はも」の従来の定義とは

2024-04-08 20:01:12 | 日本語文法
>https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%AF%E3%82%82#goog_rewarded
>は-も 分類連語
>…よ、ああ。▽文末に用いて、強い詠嘆の意を表す。
>◆上代語。
>なりたち 係助詞「は」+終助詞「も」

>は-も 分類連語
>…は。▽文中に用いて上の語を取り立てて強める意を表す。
>◆上代語。
>なりたち 係助詞「は」+係助詞「も」

>上代日本語(じょうだいにほんご、英語: Old Japanese)とは、
>古墳時代頃から奈良時代頃まで日本(特に、都のあった奈良付近)
>で使用されていた日琉語族の言語。のちに中古日本語に発展した。

>連語(れんご、英: Collocation)とは、一般に、複数の単語からなるが、
>まとまった形で単語と同様に用いられる言語表現をいう。

>広い意味では慣用句も含まれるが、
>通常は文脈によらず一定の意味を持つ一連の語を「慣用句」と呼び、
>それ以外の文法的機能などを示すものを「連語」と呼ぶ。
>たとえば次のような例がある。
>日本語 てはならない・なければならない ことができる かもしれない


「こ=共に、一緒に」は輸入品・借用品

2024-04-08 19:54:32 | 日本語文法
日本語辞書、古語辞典の「こ」には、英独中アイヌ語の様な意味がない。
ないけれども、「こ・たえる、こ・そぐ、こ・ねる、こ・する、こ・づく」
の様な現象はある。

これらの日本語は、製品に例えれば、最終製品に該当する。
「こ・たえる、と・ぼける、ほ・どく…」の最終製品があるのに
それを構成している部品「co- ko- 共- こ-」がない。

最終製品はあるが、製品を構成してる部品がないのならば、
つまりこれらの日本語は輸入品・借用品だと確実に言える。

最終製品のクルマがあるのに、
部品のエンジン、ミッション等がないのと同じだ。

後世の辞書編集者がわからなかったし、古人も使っていた当時から
世界的に共通な「co- ko- 共- こ-」の造語原理を知らなかった。
もし知っていれば古人も造語してたし、受け継いでいたはずだ。
辞書編集者も造語原理を書いたはずだ。

そして最終製品移入が止まれば、それで終わった。
「co- ko- 共- こ-」の造語原理を知らないから、もう自分で造語出来ない。
「co- ko- 共- こ-」による造語作用は続かなかった。

しかし「co- ko- 共- こ-」は、同時に「と、も」=「共に、一緒に…」に
なっていたのではないか。
「と、も」だと格助詞だが「共に、一緒に…」だと副詞だ。

元々「co- ko- 共- こ-」の出自は「共に、一緒に…」だと副詞なのでないか。
そういう意味で先祖返りだ

「co ko 共- こ-」=「共に、一緒に…副詞」だったが、
それが動詞や名詞に付いて「co- ko- 共- こ-」の接頭辞になった。

原因不明だが日本語の場合は「co- ko- 共- こ-」の接頭辞が消えた。
「co- ko- 共- こ-」→「共に、一緒に…」→「と、も」が残った、と思う。

この想像を裏付けるものが万葉集に残っている。
公理(1)「は=あり」+公理(3)「と、も=共に、一緒に」を適用して
裏付けの根拠にしたい。対象は「はも(上代語)」です。


公理(3)助詞「と、も」は「共に、一緒に…」の意味

2024-04-08 19:43:39 | 日本語文法
公理(3)助詞「と、も」は「共に、一緒に…」の説明します。
これは梶浦浩「縄文人の遺産」に詳しく出ています。

縄文人の遺産、梶浦浩、p294より
>アイヌ語 コ(ko)
>itak(話す) → ko-itak (へ話す) 誰かに対して話す
>nukar(見る) → ko-nukar (へ比べる) 何かに対比して見る
>poye(混ぜる)→ ko-poye (に混ぜる) 何かに混ぜる
>oman(行く) → ko-oman (へ行く) どこかに向かっていく

>日本語 こ(ko)
> たえる→ こ・たえる (何かの力とか物に対して耐える)
> 削ぐ → こ・そぐ (何か粘着する物に抗して削ぐ)
> 練る → こ・ねる (板などに向かい押しつけて練る)
> 擦る → こ・する (何かに対して押しつけて擦る)
> 突く → こ・づく (何かを突く)

>グリムの法則によってkoがtoやhoに子音推移したもの
>と(to)
> 惑う → と・まどう(何かに対して処置を迷う)
> 呆ける→ と・ぼける(何かに理解できない振りをする)
> 絶える→ と・だえる(誰かに向かって断絶する)

>ほ(ho)
> 解く → ほ・どく(何か縛っている物を解く)
> 埋むる→ ほ・うむる(神に対して亡骸を埋める)

>以上のko,to,ho,などが頭につく動詞は、何か対向する力やものを
>意識する場合に用いられる。これらはアイヌ語の動詞にkoがつく用法と
>無関係とは思えない。

梶浦浩の説明の通りだと思います。
アイヌ語で接頭辞「ko-」、英語で接頭辞「co-」、
ドイツ語で「ko-」、中国語では「共、gong」と発音します。

梶原浩氏の説に加えて、
「ko-、こ-」は接頭辞から助詞「と、も」になったと思います。
「ko-、こ-」 → 「と、も」です。

日本語の「と、も」が全世界に展開して「co- ko-」に
なったとは思えない。

中国語の場合(新漢字林)
>共 gong とも、ともに、一緒になって、共存、共にする、
> 一緒にする、共有する