あゆのもとの”わたしが会社を辞めないワケ”

静岡のIT企業の採用担当者ブログ。採用活動を通じて感じること、企業人として働きながら考えることをちょっとだけ書きます。

ご存知ですか?トゥレット症候群 

2005-06-15 01:06:31 | お仕事日記
2003-10-27 週刊!e-park 第160号に寄せた記事です。

肩や首を動かしたり、顔をしかめたり、咳払いなどを無意識のうちにしてしまう
「チック症」。この病気の重いものを「トゥレット症候群」と呼ぶのだそうですが、
皆さんはご存知でしたか?今年6月、この病気と闘う小6の男の子がパソコン
教室に入会しました。

 彼はもともと勉強もスポーツも得意で、楽しく学校に通っていましたが、発病し
てから不登校となり、自分の行き場を探していたところでした。パソコンの操作
は思った以上にできるので、カリキュラムはスムーズにこなせます。ともに入会
した2人の妹さんのことも気遣うことができる、優しい男の子です。

---☆

 しかし、トゥレットの症状を知らなかった私にとって、それはとても衝撃的でした。
体や顔を動かす「運動チック」とは別に、彼には「音声チック」の症状が出ていま
す。甲高い声や、意味不明な言葉、自分または他人の言葉尻りの繰り返しの他、
卑猥な言葉や非常識な言葉を無意識に口にしてしまうのです。

 そんな時は、その言葉について反応せず、自然に聞き流すよう、保護者のかた
に言われていたのですが、はじめのうちはなかなかそうもいきませんでした。それ
でも、ここは「安心して過ごせる場所」だと彼に思ってもらいたくて、動揺したことを
悟られまいと必死でした。

---☆

 教室に通い始めて4ヶ月が過ぎました。2学期に入ってまもなく、彼は学校にも
顔を出せるようになりました。友達や先生が病気のことを理解してくれ、彼もその
ことを受け入れられたようです。症状はまだまだ改善されていないのですが、周囲
の理解の中で、彼が自立しようとがんばっている姿が目に浮かびます。

 修学旅行にも参加できたそうですが、ちょっとしたハプニング。移動の電車内での
こと、病気のことを知らない大人から、「あの子が変な声を出してうるさいからおとな
しくさせて」と注意された時、友だちが事情を説明できず、またそのやりとりが彼の
耳にも届いて、辛い思いを味わったというのです。友だちも、そして本人も、病気の
ことをきちんと説明する勇気がもてず後悔したと言いますが、それは本当に勇気の
いることだったでしょう。

---☆

 こうした病気に悩んでいる子どもたちは10,000人のうち5人存在すると言われて
います。しかし、日本ではまだまだ知られておらず、正確な診断や適切な治療を
受ける機会が少なく、学校や社会でも「おかしな人」「変わった人」という目で見ら
れ、本人も家族も肩身の狭い思いをしていることが多いそうです。不登校やいじめ
とも結びつきが深いかもしれません。

 電車内で出会ったおばちゃまも、もしトゥレット症候群のことを知っていたなら、
彼や彼の友だちの様子から、それが悪ふざけなのかどうかが判断できたのでは
ないでしょうか。ひとりでも多くのかたが、この病気のことを知り、彼らにとって暮
らしやすい環境が広がって欲しいものです。

 【チックのページ】 http://www.dab.hi-ho.ne.jp/fushicho-21c/index.html

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2 コメント

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Unknown (I am 生ごみ)
2013-03-07 13:59:31
私はチックの中学生です。無駄にプライドが高く、そのくせ傷つき易くて、しかもかなり人の目を気にするタイプでこれまで誰にも相談できませんでした。人の目を気にするせいか、私はチックに自分で気づいて自分でこのサイトにも辿り着けました。病院は近くにないし、電車は乗った事がないし無人駅なので乗り方が分からないんです。でもこわくて親にも相談できなくて・・・。ネットもあまりさわれる時間がなくて。言い訳ばっかして、なんもできなくて、もう自分のせいで四面楚歌。わたしバカですね
返信する
少しずつ。 (あゆのもと)
2013-06-03 00:59:32
ブログをさぼっていたのでコメントが遅くなってごめんなさい。

詳しいこともわからずに、私がいろいろと言えないけれど、でも、私が関わった男の子は少しずつ少しずつよくなっていって、今では大学生になりました。生活をするのに特に困ったことはないそうで、成長するに従って改善していったのだそうです。

少しずつ変化しているあいだは時間がとても長く感じて、その兆しにも気づかないことがあるかもしれないけれど、私のように気づきをもらって、温かく見守りたいと思う人もきっといるんじゃないかなって思います。
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