「ごめん。だってオミが俺の気持ちを受け止めてくれるなんて思っていなかったから、逆に心配になっちゃって…理解すらしてもらえないと思ってたから…」
「そんなこと…でも言ってくれて良かった…あれ、ダイキどこ行ったんだろう…」
気がつけばダイキが乗った車が見えなくなっていた。
そして、助手席のカイは前を見たまま固まっていた。
「カイ、どうしたの?」
「ちょっと、あの女の子!」
「えっ? 」
「えーっ? 」
俺はびっくりして急ブレーキをかけた。
「いったいどうしたの? 」
「見えなかった? 女の子が車道に出るんだか出ないんだか… 」
「いや、歩道に人なんていなかったよ 」
「いや、いたよ。高校生くらいのひょろっとした、長ーい黒い髪の子で、長い白ワンピみたいの着てた…」
「いやぁ…そしてどこ行っちゃったんだろう…カイ、見えてるの? で、こっちにも来てないよね」
「来てないし、何か、消えた、って感じ 」
今が夜なら、〈霊〉ということで俺は納得したかもしれないが…
「…そういや、昼間でも霊は出るか。 」
「うん。イギリスの古いお屋敷とかであるじゃん。昼間でも可愛い女の子の霊が、レンガの家の影に走っていったり、心霊写真に写ってたり 」
しかし、そこでカイの言葉は途絶えた。
見ると、さっきとは一変して真っ青な顔でカイは苦しそうにうつむいている。
「カイ、大丈夫? 」
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