小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

33.ロケ練習前夜

2024-01-16 23:32:00 | 小説

 その時、カイさんがオミさんの背中に向かって尋ねた。

「オミくん、俺、大輝くんの部屋に泊めてもらっていい? 」

「いいの? そうしてくれると助かる。まだ大輝くんはここに慣れてないから 」

「ありがと。じゃあ大輝くんと明日の打ち合わせしてるよ 」

 いかにも王子様とお姫様みたいな2人が行ってしまうと、

「さあ大輝くん、特訓だ! 」

と、カイさんは俺を隣の部屋へ連れて行った。


「…そうは言っても もうこんなに遅いから ざっくりとだよ 」

と言って、明日行く廃神社へのマップを見せて色々説明してくれた。

 さらに、俺の実際の撮影に備えて、練習に機材を持っていくことにしていた。のでそのバッテリーをチェックしたり、動作確認をしたりした。

「とにかく、機材が重いんだわ。今回は、フクちゃんと大輝君もいて 4人だからかなり楽だけど」
 
 人より少し力はあると思う俺だけど、目の前に並べられた機材を見て、車から歩く距離を考えると 本当に怖い。

「あと…」

 カイさんは 何か言いかけて 言葉を濁した。

 俺ははっとして、

「明日は昼間ですよね。それでも何か出るんでしょうか? 」

 カイさんは呆れて笑い飛ばした。

「それが怖くて 心霊YouTuber が務まるか? 」

「あ、そういえばそうでした…」

「わかればよろしい 」


 一応急いで布団にもぐりこんだのだが、結構カイさんと話してしまい…寝落ち…

 起きると予定より遅い…

 しかし、オミさんが帰ってきた気配はなかった…