その時、カイさんがオミさんの背中に向かって尋ねた。
「オミくん、俺、大輝くんの部屋に泊めてもらっていい? 」
「いいの? そうしてくれると助かる。まだ大輝くんはここに慣れてないから 」
「ありがと。じゃあ大輝くんと明日の打ち合わせしてるよ 」
いかにも王子様とお姫様みたいな2人が行ってしまうと、
「さあ大輝くん、特訓だ! 」
と、カイさんは俺を隣の部屋へ連れて行った。
「…そうは言っても もうこんなに遅いから ざっくりとだよ 」
と言って、明日行く廃神社へのマップを見せて色々説明してくれた。
さらに、俺の実際の撮影に備えて、練習に機材を持っていくことにしていた。のでそのバッテリーをチェックしたり、動作確認をしたりした。
「とにかく、機材が重いんだわ。今回は、フクちゃんと大輝君もいて 4人だからかなり楽だけど」
人より少し力はあると思う俺だけど、目の前に並べられた機材を見て、車から歩く距離を考えると 本当に怖い。
「あと…」
カイさんは 何か言いかけて 言葉を濁した。
俺ははっとして、
「明日は昼間ですよね。それでも何か出るんでしょうか? 」
カイさんは呆れて笑い飛ばした。
「それが怖くて 心霊YouTuber が務まるか? 」
「あ、そういえばそうでした…」
「わかればよろしい 」
一応急いで布団にもぐりこんだのだが、結構カイさんと話してしまい…寝落ち…
起きると予定より遅い…
しかし、オミさんが帰ってきた気配はなかった…