オミさんがロを開く前に、今度は父がオミさんたちに、
「あなた達の動画はいくつか拝見しました。同じ業界?の他の人の動画も見ました。それで、お二人の、〈礼霊ず〉さんの動画が、何ていうか、中でも優れていることは、素人目にもわかりました 」
「…ありがとうございます」
…お二人を恐縮させてしまった…
「ただ、それだけに、甘やかした一人っ子のこいつが通用するとは思えないんです。もしクビになったら、こんな広い東京で…」
「いや、それはないです。何かありましても、まずは解雇ではなく、動画の作業を、北海道でリモートで作業してもらうことにできると思います」
俺は、初めて聞く話でびっくりしてしまった。
「ではなぜ大輝君に今ここにいてもらうかというと、動画の撮影もやってほしいのと、動画の編集を私たちと一緒にやってもらって、今の〈礼霊ず〉の動画をよいものにしていきたいからです 」
…学校を出たばかりなのに無理…とため息をつく母に…