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アイススケート、アート鑑賞、食べ歩き等の雑記。

潜在景色(アーツ前橋)

2023-02-23 07:15:38 | アート鑑賞
毎週のように前橋に行っているのに、ボーッとしていたら会期ギリギリになってしまいました。



アーツ前橋で開催中の「潜在景色」展です。
写真展なのですが、テーマは「その場所に潜む見えない何かをとらえる」こと。

写真はありませんが、いちばんはじめに展示されていた下道基行さんの映像作品は興味深かったです。
何気ない道を歩いて文字だけで地図を作成する。
後で他の人がその地図で街を歩くことを想定し、必ず分かるようなランドマークを探す。
そして、他社の視線を意識したその人なりの地図が完成する。
地図が完成すると他の人と地図を交換し、他の人の作った地図で街を歩く。
すると地図を作った人の視点て街を歩くことができる。
自分だったら素通りしてしまうようなランドマークに気付くことができる。
自分がいろいろなものを見落として歩いていることに気付くことができる。
とても面白い試みだと思いました。
こんなワークショップがあったら私も参加してみたいです。
そういえば息子が小さいとき息子の視点でお散歩するのがけっこう楽しかったのはこういうことなのかな。
息子の興味の対象は私とは結構違ったから。


村瀬としや《沈黙の中身はすべて言葉だった》

雲が立ちこめる中の風車。
何ともいえない迫力のある写真。
どこにでもある風景なのに、どこか不安な気持ちになります。
ところで私の弟は一時期このような風車を設置する仕事をしていたのですが、いつも僻地で仕事をしているイメージでした。
僻地の山間で夜な夜な風車の部品を運んでいた弟。
どうも風車のある風景を見ると弟を思い出してしまうんですよね。




石塚元太良《GS_》

廃業したガソリンスタンドがひたすら並びます。
ガソリンスタンドって廃業しても
「あ、ガソリンスタンド。」
ってすぐに分かりますよね。
そしてガソリンスタンド跡地が何か別のお店になったという話はあまり聞きません。
あの形の建物を他の業態に変えるのは難しいということなのかな。
僻地に行くとよく見かける廃業したガソリンスタンド。
特徴的すぎて周りの風景に溶け込めていない感じが寂しさを増長させます。







最後のフロアは鈴木のぞみさんのインスタレーション。
とある理容室の記憶が窓に焼き付けられています。
全く知らない理容室なのに、この空間に入ると懐かしさを感じてしまうのはなぜなのでしょうか。
懐かしさのスイッチって何なんだろう。
個人個人の記憶ではないのかな。
潜在的に「懐かしさ」を感じるスイッチがあるのだろうか。
そんなことを考えてしまいました。

とても内容の濃い展示で、ゆっくり鑑賞してきました。
「潜在景色」は3月5日までです。

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