17日(土)から高崎のビエントアーツギャラリーで小林正樹さんの個展が始まりました。
小林さんは中之条ビエンナーレでお馴染みの作家さん。
私は2013年から中之条ビエンナーレに行き始めているのですが、このときの小林さんの作品がとても印象的だったのです。
六合エリアにある古い蔵。
もう絶えてしまった家の蔵なのだそうですが、その蔵から見つかった日用品から構成された作品。
蔵の2階は宴会の後のような状態になっていて、ひっくり返った杯などと無数のクローバー。
この作品がとにかく好きで、ビエンナーレの後の「七月小径」でもこの作品を観に行きました。
今回の個展は、2013年の蔵に展示されていた作品と2021年に赤岩公民館で展示されていた作品、そして新作で再構成されています。
《急須》
こちらは2013年に蔵の1階に展示されていた作品。
この急須も蔵から見つかったものだそうです。
蔵の歴史を知る急須と急須から出る芽。
小林さんの作品は展示する場所によって全くテーマが違うというのが特徴だと仰っていました。
《Golden Rice Tower》
その名の通りお米の塔。
この蔵の家がもともとお米の配給元になっていたことにちなんでの作品。
壁には明治から昭和55年までのお米の値段が書かれていました。
《ゼロ戦、富士ノ山二ムカフ》
小林さんにお話を聞き、改めて「うわぁ・・・」となった作品がこちら。
杯などは蔵から見つかったもの。
「支那事変記念」と書かれています。
満州事変をお祭り騒ぎでお祝いしていた当時の様子がじわりと伝わってきます。
そして盆に描かれた富士山の上を飛んでいくゼロ戦。
こちらの作品は「富士の山ビエンナーレ」で展示されたそうで、蒲原の歴史にちなんで花はアルミニウム。
なぜアルミニウムかというと、蒲原がアルミニウムの生産地だからだそうです。
そしてアルミニウムは兵器の製造を目指して生産されていて、日本の軍事的膨張と切っても切れない関係なのです。
いろいろな情報がぎゅっと詰まっていて頭がくらくらしてきます。
話を聞けば聞くほど作品の世界に入り込んでしまいます。