ピアノの鍵盤は、どれも同じに見えますが、よくよく調べてみると、メーカーによって(また時代によって)ほんの少し、違いが見られます。
まず、現代のグランドピアノの白鍵幅ですが、どのメーカーも同じで、約22.5mm。白鍵と白鍵の間の隙間は、約1mmで製作されるようです。
白鍵は、間に黒鍵が挟まるため、形はまちまちですが、手前の広い部分の間隔はみな同じです。
(グランドピアノ鍵盤)
一番左の低いラ(A0)から、一番右の高いド(C8)までの88鍵幅は、
22.5mm(白鍵の幅)×52(白鍵の数)+55mm(白鍵同士の隙間合計+α)= 1,225mm
になります。オクターブの幅は165mmです。
これは、メーカーによって弾き心地が極端に変わらないよう、配慮された結果なのではないか?と勝手に想像しています。
「白鍵と白鍵の隙間が1mmって、空きすぎじゃない?」と感じる方もおられると思います。
確かに、隙間をなるべくなくし、白鍵の幅を広く取る鍵盤が製作されていた時期もあったようです。
しかし、現在では隙間1mm程度に落ち着いています。
両手で和音を力一杯に叩いたりたりすると、鍵盤は右や左に多少ズレて押される場合があります。
鍵盤が横にずれないようにする制御ピンもありますが、鍵盤同士の間隔が狭すぎると、白鍵同士がぶつかり合って、うまく和音が鳴らせなってしまうのではないか。あくまで私の推測です。
あまり根拠にはならないと思いますが、指の力のすごく強い男性ピアニストが、「展覧会の絵」の「キエフの大門」をコンサート・グランドピアノが前後に揺さぶられるほど、力一杯弾いているのを見たことがあります。
(ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」は、ラベル編曲のオーケストラ版が有名ですが、もともとはピアノ曲です)
フルコン・スタインウェイが壊れるんじゃないかとハラハラしながら見ていました。ピアノの耐久実験テストに立ち会っているような心境です(笑)
現代ピアノは、あらゆるピアニストの演奏に対応できるよう、かなり頑丈に作られており、鍵盤同士の隙間にも余裕を持たせているのでしょう。
「展覧会の絵」のピアノ名演奏動画はこちらがお薦め→ ムソルグスキー/「展覧会の絵」 フレディ・ケンプ Mussorgsky/Pictures at an Exhibition Pf:Freddy Kempf - YouTube
ラベル編曲「展覧会の絵」ベルリンフィル・カラヤンのオーケストラ名演動画はこちら→ ムソルグスキー - 組曲「展覧会の絵」 - YouTube
次に白鍵の長さですが、これにはメーカーにより違いがあるようです。
実際の鍵盤の長さは、隠れて見えない部分の方が、演奏者から見えている部分よりも長く、鍵盤全体としては、40cm以上のかなり長い棒になります。
スタインウェイの鍵盤メカニズム
転載元はこちら→ The Touch - The History of Steinway Piano Action - Steinway & Sons
ここでは目に見えている部分、赤いフエルトから手前の端までの長さについて調べてみることにします。演奏者から見えている白鍵部分は、最低音の「ラ」から最高音「ド」まで同じ長さです。
ヤマハは、150mm、スタインウェイは、148mmで、国内ピアノの方が若干鍵盤が長いことがわかります。
手持ちのシンセサイザーRoland XP-50で実測したところ、135mmでした。だいぶ短い!グランドピアノ鍵盤より15mmも短かったんですね。
(Roland XP-50)
今まであまり気にしてきませんでしたが、こんなに短かったとは。(汗)
まぁオルガン鍵盤ですし、シンセですし、ピアノじゃないですし、古い機材ですし・・・細かいことはいいんです。
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