ATARI MUSIC STUDIO

ピアノを中心に様々な曲を編曲・演奏します。ブログでは音楽関係のつぶやきを中心に書き込みします。
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楽譜の読み方 (反復記号編②)

2021年10月18日 | 日記

 今回は、楽譜上に表記される『反復記号』についての続きになります。
くり返しを表現する記号には、||: や :|| の他にD.C.(ダ・カーポ)とD.S.(ダル・セーニョ)があります。
D.C.(ダ・カーポ)は、「曲の頭に戻って演奏してね」という意味の記号です。
D.S.(ダル・セーニョ)は、「セーニョ記号の位置まで戻って演奏してね」という意味の記号なので、D.S.はセーニョ記号(Sと÷が合体したような記号)とセットで出現します。

また、反復記号ではないですが、コーダ記号も併せて覚えておくとよいでしょう。
「0」と「+」が合体したような形のコーダ記号は、必ず2個セットで出現します。コーダ記号は次元をまたぐワープジャンプのような存在です。コーダが出現したら次のコーダ記号の位置まで瞬間移動します。コーダ記号が2個セットで使われるのは、ワープの入り口と出口を表現しているからですね。
気をつけなければならないのは、コーダ記号は、「初回演奏時(くり返して演奏する前)は無視される」という点です。
コーダ記号は、2回目のくり返しの時にワープする特性をもっているので、「反復記号あるところにコーダあり」というわけです。
そのためコーダ記号は、D.C.やD.S.などのくり返し記号と組み合わせて使われます。
コーダは曲の終わりを強調するために使われることが多いと思います。コーダの中で反復記号が使われることはありません。
コーダの元々の意味は「最終部」とか「末尾」です。
以下の図は、それぞれの小節に①から⑧までの小節番号を付けて、8小節の中に反復記号(リピート記号)やコーダ記号を付けた場合、どういった演奏順序になるかを示しています。

(A)ダ・カーポでくり返す場合
D.C.は、楽譜の最後に書かれる場合が多いです。D.C.は「曲の頭に戻ってね」という意味なので、曲の頭からもう一度演奏します。そのままだと最後にまたD.C.が出現して、無限ループに陥ってしまいます。
無限ループを防ぐために、D.C.記号が出てきて曲頭に戻ったあとは、「Fine(フィーネ)」と書かれた位置で演奏を終わらせます。D.C.とFineは必ずセットで使われます。
Fineは「終わり」の意味ですが、初回演奏時は無視されます。そうしないと、Fine以降の部分が一度も演奏されずに終わってしまうからですね。

(B)ダ・カーポと反復記号の組み合わせの場合
③④を2回演奏する以外は(A)と同じですが、注意すべきなのは、⑧までいって①に戻った場合、③④はくり返して演奏されない、という点です。
『D.C.で曲頭に戻ったあとは、全ての反復記号 ||:   :|| が無効になる』と覚えておきましょう。

(C)ダル・セーニョでくり返す場合
D.S.もD.C.と同様に、楽譜の最後に書かれる場合が多いです。D.S.は「セーニョまで戻ってね」という意味なので、セーニョ記号の位置まで戻ります。
くり返し位置のセーニョから、またD.S.まで演奏してしまうと無限ループに陥るため、こちらも「Fine(フィーネ)」と書かれた位置で演奏を終わらせます。
D.S.とFineはセットで使われます。D.C.の場合と同様、Fineは初回演奏時は無視されます。

(D)ダル・セーニョと反復記号の組み合わせの場合
④⑤を2回演奏する以外は、(C)と同じですが、D.S.でくり返したあと、④⑤はくり返さずに、Fineで演奏を終わらせます。
D.C.やD.S.で曲頭に戻ったあとは、全ての反復記号 ||:   :|| が無視されるところが大事なポイントです。

(E)ダ・カーポとコーダの組み合わせの場合
⑥まで演奏したら、曲の頭に戻ります。④と⑤の間にコーダ記号がありますが、くり返す前の1回目の演奏時は無視します。
①に戻って演奏したら④⇒⑦にジャンプします。「コーダ記号は、くり返した後に発動する」という性質を覚えておくと良いでしょう。

(F)ダル・セーニョとコーダの組み合わせの場合
⑥まで演奏したら③に戻ります。④と⑤の間にコーダ記号がありますが、くり返す前の1回目の演奏時は無視します。
くり返して③④と演奏したら、ワープして⑦⑧を演奏します。

反復記号(リピート記号)についての解説はこれで終わりです。
クラシック音楽に限らず、バンド演奏や吹奏楽、POPSや歌謡曲の楽譜でも、これらの記号はしばしば使われるので覚えておくとよいでしょう。



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