今回は楽譜が読めるようになるコツについて、「さらにもう一歩」踏み込んだお話をさせていただこうと思います。
音符・休符はどちらも時間的長さ(音価)をもっています。
例えば、四分音符(♩)や四分休符が1秒、八分音符(♪)や八分休符が0.5秒だとした場合(♩= 60)で考えてみることにします。
音符・休符の組み合わせで足して4になる小節が連続していれば、『ビートの効いた心地よい四拍子のリズム』となるわけですね。
「4秒がループしている感覚」と言った方がわかりやすいかもしれません。
《ずったん、すたたん、ずったん、すたたん(以下同様)・・・のようなリズム感です》
各小節の時間が同間隔のループを、日本語では「拍節的」と言います。どうも日本語の表現だと少し難しくなる傾向がありますよね。
「拍節的=気持ちいいビート感」と言い換えたほうが案外しっくりくるかもしれません。
プロの音楽家の間でも「拍節的」という言葉は滅多に使いません。たまに読み返す楽典や、音楽関係の専門書の中にちょろっと出てくるくらいです。
(画像の転載元はこちら→ https://pianotenarai.com/theory/chapter03/ )
逆に、「拍節的でない音楽」というのもあり、(ずったん、すたたん、ずったん、すたたん)では演奏できない日本の「雅楽」や「日本民謡」、インドネシアの「ガムラン音楽」などは「拍節的でない音楽」です。
勘違いしがちなのですが、『拍節的でない=リズムがない』という事にはならない、という点に注意が必要です。
「日本の伝統音楽にはリズムがない」ということではなく、機械的に刻まれるビートにのっからない、というだけで奏者が感じるリズムというものは確かに存在します。
鼓(つづみ)を1回『ポンッ!』と叩くにも絶妙なタイミングがあり、『ここぞ!』というタイミングで叩かないと怒られます。(誰に?w)
さて、話を戻しまして四拍子(4ビート)の場合、基本的には『拍(ビート)が4つある』と考えて、「1拍目、2拍目、3拍目、4拍目」を1つの小節の中と認識します。
三拍子の場合は、『拍が3つある』と考えて「1拍目、2拍目、3拍目」を1つの小節内と認識します。
1拍目を「強拍」、2拍目以降は「弱拍」と呼ぶこともあります。
「強拍」はビートを強く感じるところ、「弱拍」はビートを弱く感じるところになりますが、必ずしも1拍目が「強拍」である必要はありません。
わざと1拍目を前か後ろにずらし、あえて意外性を狙った『極強拍』とも呼べるような「強拍」があります。
そういった「意外性を狙った強拍」は「裏拍」などと呼ぶことがあり、音楽用語的には「シンコペーション」と言ったりしますが、専門的な音楽用語については、また別の機会にお話できればと思います。
ちなみに、「さんさんななびょうし」という拍子は存在しません(笑)
「さんさんななびょうし」は四拍子(4ビート)のリズムです。なぜなら、
|ピピピッ|ピピピッ|ピピピピ|ピピピッ| ←さんさんななびょうし
|♩♩♩休|♩♩♩休|♩♩♩♩|♩♩♩休| ←さんさんななびょうしを音符で表現
|1234|1234|1234|1234| ←実際のリズム
となり、確かに手拍子は「3回、3回、7回」と叩いていますが、その間に実は四分休符が挟まっていたのです。