紗羅のアトリエ

Healing Art 美しいもの 楽しいこと 2007年春より食道がん患者 

Message from IRAQ

2006-09-28 | My Favorite Things
昨年11月、気仙沼在住の旧知の画家、相澤一夫さんより一通の封書が届いた。

独特な力強い筆跡。息子さんがイラク支援のNPOをやっていて、イラクの現代作家の展覧会に足を運んで欲しいとの熱いメッセージ。

その昔、かの地で舞踊公演をしたとき、相澤氏に素敵なポスターの絵を画いていただきました。その時見かけたハナタレボウズが・・・ほぉ・・。

相澤恭行君が代表する特定非営利活動法人 PEACE ONは、「国境、民族、宗教、人種、政治、思想、信条、性別、言語などのあらゆる差異にとらわれることなく、平和的手段で国際協力活動を行う」との趣旨。絵画を通してイラクを見るということに心が動きました。

というわけで行ってみた、去年のハニ・デラ・アリ展。その色彩と画面の構成にイラクの現状に対する想像力を刺激されました。が、作家本人に話を聞いたら、もっと大きな意味で絵を観てほしい・・・ということ。なるほど、近年の戦乱だけがイラクではない。

今日は PEACE ON (ピースオン)からのご案内が届きました。

シルワン・バラン&イラク現代作家展
初来日の若手画家シルワン・バランの作品を中心に、昨年来日し個展を成功させたハニ・デラ・アリ、そして伝説の巨匠イスマエル・ファッタなど、現代イラクアート界を代表する若手、ベテラン作家の新作を一挙公開します。

会期:2006年10月2日(月)~10月7日(土)A.M.11:00~P.M.7:00(最終日P.M.4:00まで)
 *作家在廊日10月2日(月)、他
10月2日(月)P.M.5:00よりオープニングパーティー(無料・軽食や飲み物など持ち寄りを歓迎します)
会場:中和ギャラリー(東京都中央区銀座6-4-8曽根ビル3F/TEL&FAX:03-3575-7620)

メソポタミア文明から七千年も続く悠久の歴史に刻みこまれてきたイラクの文化、芸術。いにしえからの美と誇りは、屈せざる魂たちによって継承されてきた人類の遺産である。度重なる戦争、経済制裁、そして占領という破壊と苦悩の時代を生き抜き、混迷を極める祖国イラクを見つめてきた作家達は今何を想うのか。
10月2日から開催される銀座中和ギャラリーでのイラク現代作家展に先がけて、この度来日する二人の若手イラク人画家がイラクの現代アートについて語ります。また、ライブペインティングも行います。

日時:10月1日(日)11:00~15:30 
 第1部:即興ライブペインティング(11:00~12:00)
 第2部:講演会(13:00~15:30)
場所:(財)東京都歴史文化財団 東京都美術館 講堂(東京都台東区上野公園8-36/TEL:03-3823-6921)

みなさん、ぜひお運びくださいませ!

今日の写真は彼岸花☆

ジンジャーの花が咲いた

2006-09-25 | 花・植物
いひにほひ・の第二弾?!
ようやく昨日、待ちに待った花が開き始めました。香り高い白い花です。嬉しくてたまりません。
ジンジャーです。

「うんとこしょ、どっこいしょ」だったのです。
ロシアの民話「おおきなかぶ」のように。

去年の夏の終わり、花屋さんの閉店セールで一鉢のジンジャーを買いました。おおきな植物で、全体の姿はよれよれでしたが、ちょっぴり残っている花の香に魅了されました。

根を切り分けて増やせるとのこと。冬を越え、春先になって、株分けに挑戦。

自宅に持ち帰り、鉢から根を引き出そうとしたのですが、てこでも動かない。懸命に隙間を探してシャベルを差込み、揺すってみたり叩いたり、ひっくり返して蹴飛ばして、連れあいとふたりで泥まみれの大格闘。「うんとこしょ、どっこいしょ」

汗だくになっての数時間。しきりに「おおきなかぶ」のお話を思い出していました。

ようやく引き上げた根っこは鉢一杯に育った巨大な生姜。なるほど、だからジンジャーなのね・・・。
鉢が壊れないのが不思議なほどギューギューに育っておりました。

巨大な根っこを包丁で切り分け、四個の鉢に植え替えて、成長を見守ってきたのです。美しい葉がすくすく育つ。私の背丈を越えたところで、ようやくつぼみが膨らみ始め、9月24日、最初の花が咲きました。はい。この写真です。

「うんとこしょ、どっこいしょ」は、まあ、普通ですが、童話、童謡、早口言葉、おまじない、エトセトラ。へんてこな言葉の並びが大好きです。

落語の長―い名前、じゅげむじゅげむ・・・も覚えています。

昔ラジオで聞いて覚えたもの。
「いっちりとらんらん、ラッキョくってしっし、しんがらもっちゃきゃっきゃ、キャベツーでほい!」
どこの地方のものかしら?

「奥山に、きーじときつねとおねことおいぬが集まって、なんと言ってなくの、きじケンケン、にゃんにゃんコンにゃん、わんケンコンにゃん、ケケココにゃんにゃんわん!」

この辺で止めておきましょう。たわいもない言葉遊びをつぶやきながら、「うんとこしょ、どっこいしょ」で、ようやく開いた花をながめ、香に酔いしれるひとときのシアワセ☆

みごとに咲いたジンジャー。アトリエ紗羅の玄関にふた鉢。次々と花の咲くつぼみが三つ。これからもっと出てくると思われます。
どうぞ見にきてくださいな。

いひにほひ

2006-09-22 | My Collections
深夜の住宅街。
数人の仲間と共に急ぐ帰路。

「おなかすいたねー」
「だいじょぶ?終電」
「ん、たぶん・・・」
「えっ、こっち?」
「あ、そうか・・あっ」
「あっ」

はんなりとした甘い匂いに歩調がゆるむ。
あたりを見回しても確認できないけれど間違いない。
鼻腔をいっぱいにふくらませて深呼吸。
至福の香り。金木犀。

9月20日のこの夜は、解剖学的見地から身体治療の理論と実践を学ぶ勉強会。タイ古式マッサージの仲間数人で、先生との質疑応答も盛り上がり、3時間の予定が5時間以上に及びました。学びたいことに終点は無し。

熱くなったからだとこころに、瞬時まとわりつくやわらかな花の匂い。鼻の穴広げて呼吸器全開。おおきく吸い込む。
吐く息と共に「あー、いひにほひ~」

金木犀といえば10月のイメージなのですが、もう咲いたんですね。ちょっと早いんじゃないかしら・・・と、次の日の朝、目視確認。ゆりの木通りに何本もある大きな金木犀。確かに花開いておりました。近寄っては鼻をつっこんで、ふがふが。北沢川緑道の木は、なぜかあまり花を付けていませんでした。

この香りが続くのはほんの数日。煌々たる満月の夜にこの香りが漂うと、この上なくシアワセで、ルナティックな気分になれるのですが・・・。

残念ながら今宵は新月。
「あー、いひにほひ~」
みなさまもどうぞ、匂い逃しませんように!。


今日の写真は1920年代のフランス、リモージュの陶板。Atelie 紗羅のオイルトリートメントルーム、入って左の壁に掛けてあります。
いひにほひ~に誘われて、踊っているのかな?!

どどんがどん。

2006-09-17 | Weblog
ドドドドドッドッドッドドドド・・・
窓の向こうにひびく騒音。
土曜日の午後。
ああ、また始まってしまった。

「お祭りの太鼓ですかねぇ」
「いえいえ、このところ梅ヶ丘の駅前は道路工事が続いておりまして、ごめんなさいね。せっかくお越しいただいたのにやかましくって・・・」

ドドッドドドドド、どんどんどん☆ あれ?!
どんどこどんどこ・ずどどんどん

「お祭りですね・・・」
「そうですね。太鼓ですね。へたくそなので工事の音だと思ってしまいました。あは」
「へたなだけじゃなくクソがつきますか。ははは」
「あら、ほほ、太鼓の皮がゆるんでますよねぇ・・もじょもじょ・・」

そこから音楽談義に花が咲き、静かな時間を楽しんでいただくつもりが、楽しいおしゃべりを交わしながらのセッションと相成りました。祭りの日のアトリエ紗羅の午後。

窓の外では祭囃子のピーヒャラドンドン。そして、こどもたちのはしゃぐ声。
室内に流れる中世のヨーロッパ歌曲。透明な女性の歌声の向こうで、どどんがどんどん・どどんがどん。
・・・選曲を誤った・・・。

この日のお客様は沖縄の音楽と取り組んでいらっしゃいます。三線をひきながら唄われるそうです。奥様が沖縄のご出身なので、この夏も沖縄で唄っていらしたとのこと。いいなぁ・・・☆

タイランド。毎年4月に行われるソンクラーン(タイのお正月)。水掛祭りとも言われるこの正月行事のいちばん盛んな街、チェンマイ。パレードの人々の踊りは沖縄の手踊りによく似ています。まぜてもらって踊る楽しさ♪ よかったなぁ・・・☆

沖縄には2回しか行ったことが無く、残念ながら歌舞音曲の宴に参加したことがありません。ぜひ体験してみたいと思うのです。琉球文化のかもす旋律。不思議なリズム・・・。

東京音頭や炭坑節ではちょっとねーと、意見が一致。古から伝えられたネイティブな血のうねる、そんな音楽に身をゆだねたい。

日曜日。かくして今日もどどんがどん。
今日は東北タイの音楽で1日を過ごす。アジアのリズムのあちらとこちら。これは正解。男御輿の声が通り過ぎて、二日間の八幡様のお祭りが終わります。

あの日

2006-09-09 | Weblog
5年前のあの日、あの時間、私は空の上におりました。アムステルダムから成田に向かう機中にあって、なにも知らずにおりました。

1月から2月、8月から9月は海外を飛び回るのが恒例だったその頃。あの時もヨーロッパのあちこちを1月程歩いた後、ニューヨークへ1週間。そしてまたヨーロッパに戻って一仕事。そんな旅の帰り道。やることやってヤレヤレと、ぼんやり過ごす空の上。なにを考えるわけでもなく、なにも知らずにおりました。

成田に着いて、大きなカバンを引きずって、電車に乗って、乗り継いで、のたらのたらと家路をたどる。

そして目にした、あの情景。あの映像。
なんどもなんども繰り返されるあの映像。
崩れ落ちる二棟の貿易センタービル。
混乱のニューヨーク・マンハッタン。
走る人々。逆巻く煙。
興奮したアナウンサーの声。
テレビのなかの異常事態。

テロ。繰り返されるあの映像と共に、世界の主要空港が閉鎖されたのを知る。数時間フライトが遅かったなら、予定通りに日本に帰ることはできなかった・・・。

テレビの前で、お茶を飲みながら座っている自分。崩れ落ちるビル。阿鼻叫喚のマンハッタン。

飛行機の中ではなにもアナウンスはありませんでした。成田空港でも異常を感じることなく、いつものように帰ってきたワタシ。
つい数日前まで滞在していたあの街、ニューヨーク。

唖然、、呆然、、蒼然。時間と共に事態が少しづつ見えてきて、人間の愚かさに肌が粟立つ。自分を含む<人類>ってものは何をしでかすかわからない。
オソロシイ。やり場のない焦燥感・・・。

そして、世界のあちこちからジョン・レノンの「イマジン」が流れた。平和への祈りだった。しかしアメリカではこの歌を否定する声もあがる。放送自粛で、星条旗とゴッド・ブレス・アメリカ!・・・?

何かをせずにはいられなかった。小さな声でも出したかった。
11月11日に予定されていた洗濯船の25周年記念パーティー。あの日からちょうど2ヵ月後。ここなら思いを共有してくれる人達がいる。店主のゆっこに電話した。「イマジンで踊りたい」。即決。

パーティーの幕開け。素晴らしいメンバーがたくさん集まって、音楽を担当してくれました。
ジャズベーシスト、加藤真一のソロで始まり、ジャズヴォーカリスト、美山夏蓉子と大好きなケーコの歌う「イマジン」。
私は踊る。私はまわる。ただただまわる。祈りよ届けとまわり続ける・・・。みんなの思いが共振して、空へと昇って行きました。

2001~2006。世界はまだまだ混沌としています。
昨夜、ヴィム・ヴェンダースの新作映画、「LAND OF PLENTY」をDVDで観ました。秀作です。すばらしい映画です。
低予算、短期間で撮ったものだそうですが、そんなことはみじんも感じませんでした。詳しくはお伝えしません。みなさんもぜひ観てください。願わくはわたしも、主人公のラナのような視線を持って、生きたいと思います。

アメリカが世界の中心ではない
地球にはいろんな人が生きている
民族や宗教が違っても
みんな等しく生きている
ラナはそのことを知っている
わたしたちも知っている

「あの日」から5年。また、9・11がめぐって来ます。

ブーゲンビリア

2006-09-06 | 花・植物
ふわっと陽気な気分に誘ってくれる花、ブーゲンビリア。
たくさんの花が・・・とは言えないまでも、ぽつぽつと花がひらいてくれました。去年購入したものです。輝くように咲いてくれました。はい、アトリエサラのベランダです。

今夏は短かかったのか、それとも長かったのか。
ベランダの常夏の国の花たち=ブーゲンビリアとハイビスカスは、もじもじと遠慮がちにつぼみをふくらませておりました。ようやくブーゲンビリアも色付いて・・・もう9月なったのよー。小声で話かけておりました。

この写真は昨日撮ったものです。
ブーゲンビリアに思い出すのが、やはりタイランド。南国の風景を丸ごと絵にしたような花です。どこに行っても必ず咲いていて嬉しくなる大好きな花。
ほっとしています。

実をいうと、この花には思い入れがあります。最初に出会ったのは、はるか昔々のこと。地中海沿岸を彩るあでやかな色彩にうっとり。正直憧れました。
東京で育ててみよう・・・でも相性がよくないせいか、それともわたしの育てかたに問題があったせいか・・ダメでした。一年は咲くのですが二年目には葉っぱだけ。何年たっても葉っぱだけ。
ことしのブーゲンビリアは、だから感慨深ーいのです。

常夏の花を愛でることの出来るこの頃の東京。この現象が地球温暖化のせいでないことを願います。きっと品種改良のなせるワザ?!
昨冬の寒さで半分枯らしてしまったハイビスカスも、9月になってつぼみが増えた。近いうちに写真を撮ってあげなくっちゃ。

さてさて、前回お知らせした「プージェー」の上映会ですが、梅丘パークホールでのチケットは早くも完売!とのことです(わたしも1枚ゲット)。なので、皆さん、9月23日(土)羽根木公園の野外上映会、プレーパークにぜひお運びくださいませ~~~。