鳥。

気にかかっている鳥がいます。

ヒヨドリぐらいの大きさの鳥で、頭から背中がわずかに緑がかって光るように見えるけれど、遠くだったり、一瞬でよくわからない。

その鳥が、ときどき高いところからきれいな声を聞かせてくれます。
我が家にも姿を見せたことがあったけれど、そのときは鳴かなかったし、すぐに飛んでいってしまいました。

先日町を歩いていると、どこからかきれいな鳥の声が聞こえてきたので、姿を探してみると、大きな建物の屋根の端にいるのが見えた。

さえずっている鳥は、きっと高い木のてっぺんや、アンテナや屋根の上に姿を見ることができます。

そのときは、鉄筋の建物の屋根の端に姿を見せて、こちらが気づいたこともわかったのか、通りを歩いていくと、それにつれてまた居場所を変えて、高い所でさえずりを聞かせてくれるのです。それがずっと散歩のコースを追うように、遠く、高いところからついてくる。

あいつらは、自慢の声を聞かせたいのだ。
ときどき姿を探して顔を向けると、またいっそう高い声で鳴いてくれる。

以前は鳥とそういうやり取りがあることさえ知らず、あるとも思えなかったけれど、今は十分信じられる。

かれらは人間を高みからずっと見ていたのです。