2月17日「きょうも歩く」について

2012年02月18日 | 要注意情報(市民ネット以外)
 今日は田辺淳・あつし とは関係の無い内容です。大学のことであるから大学に入ったことがない(かもしれない)田辺淳・あつしとは関係が無い、という意味ではなく、田辺淳・あつし は話題にしていない、ということです。


2月17日付黒川滋氏のブログ『きょうも歩く』で朝日新聞の記事を引いて大学生の「学力テスト」について扱われている。

 黒川氏のブログに間違ったことが書かれているとは思わないが、(今や日本最大の『官報』と化した)朝日新聞の報道内容が何とも不完全でこれに引きずられている印象である。朝日新聞の記事には、「中央教育審議会の大学教育部会で検討をすすめる」とあり、ここが問題の要である。

 ここで中央教育審議会答申の「史的展開」は避けて、平成20年12月24日付同答申『学士課程教育の構築に向けて』を見てみよう。この答申は大学関係者の間では『学士力答申』と呼ばれている。内容は、いわゆる「グローバル化」と、「ユニバーサル化」を前提として国際的に見て一定の水準を具備した学士を養成するために学士教育(大学教育とほぼ同義)をどのように改編してゆくか、というものである。
 ユニバーサル化については「専修学校等を含む高等教育機関への進学率は77%、大学・短期大学への進学率は55%に上っている(平成20年度)。このうち、学士課程教育を提供する大学への進学率は49%となっている」状況を指して「我が国の高等教育は同年齢の若年人口の過半数が高等教育を受けるという」「ユニバーサル段階に移行」している、とする(以上、同答申3頁)。が「我が国の大学進学率は、他の先進諸国に比して特に高いとは言えず、OECD諸国の中では下位に属するという分析もある」としてこの「現在の大学進学率等の水準が過剰であるという立場をとらない。」という(同答申4頁)。黒川氏が「大学より上の教育は特殊なもので、全員に受けさせるべき教育ではないと思う。」と述べておられる部分については最初から問題にしないという立場である。この『学士力答申』は学位授与の方針の明確化を説いたうえで各大学に「期待される」具体的な取組を示しながら「各専攻分野を通じて培う学士力」の内容を「学士課程共通の学習成果に関する参考指針」として次のように整理した。
1.知識・理解
専攻する特定の学問分野における基本的な知識を体系的に理解するとともに、その知識体系の意味と自己の存在を歴史・社会・自然と関連付けて理解する。
(1) 多文化・異文化に関する知識の理解
(2) 人類の文化,社会と自然に関する知識の理解
2.汎用的技能
知的活動でも職業生活や社会生活でも必要な技能
(1) コミュニケーション・スキル
日本語と特定の外国語を用いて,読み,書き,聞き,話すことができる。
(2) 数量的スキル
自然や社会的事象について,シンボルを活用して分析し,理解し,表現することができる。
(3)情報リテラシー
情報通信技術(ICT)を用いて,多様な情報を収集・分析して適正に判断し、モラルに則って効果的に活用することができる。
(4) 論理的思考力
情報や知識を複眼的,論理的に分析し,表現できる。
(5) 問題解決力
問題を発見し、解決に必要な情報を収集・分析・整理し、その問題を確実に解決できる。
3.態度・志向性
(1) 自己管理力
自らを律して行動できる。
(2) チームワーク、リーダーシップ
他者と協調・協働して行動できる。また、他者に方向性を示し、目標の実現のために動員できる。
(3) 倫理観
自己の良心と社会の規範やルールに従って行動できる。
(4) 市民としての社会的責任
社会の一員としての意識を持ち、義務と権利を適正に行使しつつ、社会の発展のために積極的に関与できる。
(5) 生涯学習力
卒業後も自律・自立して学習できる。
4.統合的な学習経験と創造的思考力
これまでに獲得した知識・技能・態度等を総合的に活用し、自らが立てた新たな課題にそれらを適用し、その課題を解決する能力

平成23年1月31日には中央教育審議会は、高等教育のみならず初等・中等教育をも対象とする『今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について』と題する答申を行った。この答申を中央教育審議会は「幼児期の教育から高等教育までを通したキャリア教育・職業教育の在り方をまとめた答申」(同答申1頁)としている。
 この答申では「キャリア教育」を「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」とし、「一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」を「職業教育」として両者を区別しつつ、各学校段階おける「キャリア教育」と「職業教育」の推進について論考していくのであるが、このなかで「社会的・職業的自立、学校から社会・職業への円滑な移行に必要な力」として
・能力(態度・行動様式)
 コミュニケーション能力、粘り強さ、課題発見・課題解決能力、変化への対応力、協調性、共に社会をつくる力、健全な批判 力、段取りを組んで取り組む力等
・知識
 労働者としての権利・義務等
・価値観
 勤労観、職業観、倫理観等」
を例示し、「社会的・職業的自立、学校から社会・職業への円滑な移行に必要な力に含まれる要素として」
「◆基礎的・基本的な知識・技能◆基礎的・汎用的能力◆論理的思考力、創造力◆意欲・態度及び価値観◆専門的な知識・技能」を挙げている。さらに「基礎的・汎用的能力」を「「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力に整理」」している。
この23年1月31日の答申の、能力にかかる記述は先の学士力答申の中味をほぼ引き継ぐものといってよいだろう。

黒川氏が引用された朝日新聞の報道は次にでてくるであろう中教審答申の内容の一部を示唆するもので「能力」についてはこの平成23年1月31日の答申を引き継ぐものと思われるが、若干の修正が加えられるにせよこの「能力」を学生が大学教育を受けている間に身につけているのかデータに基づく根拠を示して検証せよということになるだろう。とすればこれは大学受験用の模擬テストの類とはことなった体裁と内容になるとは思われる。

 行きつく先は大学教育と卒業生を評価する視点の一層の均質化と、序列化の徹底ということになるだろうか。有無を言わさぬ大学淘汰の強力な材料にもなるだろう。

 大学に対する経常費の国庫補助は日本私立学校振興・共済事業団を通して行われるが、この補助には学生や教職員の数に応じて行われる部分と、中教審答申を具体化する取り組みを行った大学に対して特に配分される部分からなる。この「共通テスト」を導入した大学には配分が厚くなることははっきりしている。。

 どうも「学力テスト的なもので測る勉強の仕方は高校生までにしておくべき」といったようなものではないように思う。


※ 新設大学の現状については『銀婚式』(毎日新聞社)83頁以下に詳しい。この本は小説ではあるが、取材に相当の労力を投下したことが窺える。リアルである。 

田辺淳・あつし は20何年も議員をやっていてこんなことも分からない…。

2012年02月14日 | 朝霞市民ネットについて
小山議員によると、議会の本会議以外で公開されている会議の傍聴人数の制限には法令上の根拠がないことが判明したという。

二期目一年未満でわかることが6期めにもなる田辺淳・あつし にはついに分からなかったわけである。それとも分かっていて言わなかったのであろうか?とすれば、「くさ」の面目躍如である。

いずれにせよ、こんなんで「埼玉大学中退」とはいえ鎌倉孝夫名誉教授の関係者であるというから恐れ入る。ま、「埼玉大学中退」が詐称であればむべなるかなとも思うが。

証明してくださいよ田辺さん、「埼玉大学中退」。