速記文字より生まれた流形文字をフォントにしました。

流形文字をダウンロードして文章を作成出来ます。魅惑的な文字が4つの方式で表現出来ます。ご利用をお願い致します。

クレオパトラ7世 CleopatraⅦ(28) ナイルへの船旅 1

2013-08-06 19:35:33 | Weblog
    クレオパトラ7世 CleopatraⅦ(28) ナイルへの船旅 1

戦争に明け暮れた日々であったシーザーにとってクレオパトラとの船旅は人生で最高に楽しいひと時となった。王室専用のタラメゴス号は全長百メートル、幅は14メートル。動かすのは、なん層にも並んだ漕ぎ手であり、豪華に装飾された浮かぶ宮殿であった。この船の随行には約400隻が従った。それらはガリー船、商船、輸送船であり、踊り子や芸人、楽師と共にシーザーとクレオパトラの守備隊も乗船していた。
黄色に濁ったナイルの川面に川幅いっぱいに広がって上流へと進む船団は壮観である。船団はマレオティス湖からナイルの支流を出ると川幅も次第に広くなる。ナイルの川幅は下流の川口では500メートルほどしかなく、カイロからアスワンまでの川幅は広い所で3km、狭い所で1kmほどだが氾濫期には20数kmとなり、広大な農地を灌漑していた。しばらくするとギザのピラミッドが見えてきた。クレオパトラは旭に映える3つのピラミットを指差してシーザーに言った。「昔のエジプトの王様が作ったピラミッドで王の墓といわれているわ、それに大きいスフィンクスは王の守護をしているの。」(大きいのがクフ王のピラミット(146,6m)、中に見えるのがカフラー王のピラミット(136m)その前には大きなスフィンクスがある。そして小さいのがメンカウラー王のピラミット(65m)クフ王のピラミットの前からは2隻の太陽の船が発見されている。)
「スフィンクスは4つ足かな」とシーザーがいうとクレオパトラは笑いながら「スフィンクスは旅人に謎を問いかけるのよ、そして正解しないと食べちゃうぞというの、朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足になるものはなーに」シーザーはしばらくして苦笑しながら答えた。「わかったぞ、朝は赤ん坊、昼は大人で夜は杖をついた老人だな」「よかったわ、スフィンクスに食べられなくて、心配したのよ」二人が大きな声で笑ったので従者たちは何事だろうとびっくりしていた。シーザーはピラミットを眺めながら言った。「エジプトは古から偉大な国だね。ローマはエジプト文明にはかなわないよ。」「あなたもエジプトの王になってください、子供ももうすぐ生まれるのよ。それに、あなたとの結婚式もあげなくちゃ」「アレキサンダー大王の後継者になることもまんざらではないね」とシーザーは頷きながら幸せそうに笑った。
シーザーはクレオパトラと共にエジプトを支配し、ローマ帝国の君主として世界の王に君臨する時も近いと考えながら愛人と共に過ごす日々を楽しむのだった。
船では毎日芸人たちが、いろんな催しをしていく。川沿いの県では知事や神官、住民たちがかがり火を焚いて歓迎の催しをして神であるクレオパトラに拝礼していく。
船はアシウード、アビドス、デンデラを通過して古都テーベ(第11、12王朝の首府)へと向かった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。