彼がジャズに転身したのは、肉親や友人が早く亡くなって、このまま自分も
年を取っていく中で自分のしたかったことは何なのか自問自答したら、
ジャズピアノしかなかった。
ぼくも全く同じです。3年前に妻の母親を早くなくして、やはり、人間には何かの活動を
するには時間が必要、このままやりたい音楽を
しないで死んでいくのはどうかと思って、音楽を再開しました。
今は3人の子供を大学に通わせているので、学費や生活費の仕送りだけでも
年間けっこうかかりますので、さすがにおやじの自分がアメリカの大学に入るなんてことは
できませんが・・・。
音楽に純粋に取り組むというのは楽しいことですが、音楽というのは今の時代
なかなか報われない時代です。僕が大学の軽音楽部に入ってジャズトリオのピアノ担当のときはトラの仕事や
ピアノを弾く仕事でけっこう稼いでいました。時給は1万円くらいでした。
そんな仕事はいくらでもありました。田舎でもありましたからね。
それは今から35年前の話です。古い話ですね。それでだいたい僕の年齢が
わかるとおもいます。
しかし、今は周りを見渡しても、そんな仕事はまったくありません。
プロでも大変な時代です。特に震災直後は全く仕事にならなかったらしいですね。
大江千里さんも大変なイバラの道を選んだものです。
商業的な成功はジャズ音楽をやっている限りはないかもしれません。
大江さんはすでに商業的に成功したんですよね。でも自分の引いた路線
である商業音楽を続けていくのは路線的に厳しかったのでしょうね。それならいっそのこと
好きなジャズピアノをやろうと思うことは自然なことだと思います。
彼の演奏を聴いていてそのことがじんわりわかりました。
ジャズっていう音楽は日本では暗い音楽かBGMの一つとしか思われていないフシがありますが、
今のポップな音楽の理論的源泉にもなっています。
ジャズができたら他の音楽、ブラジル音楽やボサノバやサルサや
民族音楽、さらに先端的なエレクトリカルな音楽の地平線が広がっていきます。
僕はTootsさんの演奏はCDしか聴いたことはありませんが、僕にとって
Tootsさんの存在は大きいです。ぼくの仕事は90まではできませんが、
音楽なら90を超えてもできるのです、ぼくにとって彼は神様のような存在なので
別格ですが、彼の存在そのものが音楽をする上で勇気を与えてくれます。
千里さん、90歳になってもピアノを弾いていそうですね。
そのときの演奏はどんなでしょうね。千里さんの純粋さに
今日は心洗われました。
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