JAZZ PIANO で行こう

ヤノテルの音楽ブログです。ジャズピアノの研究・指導・作曲・ライブをしています。音楽が人生の喜びです。

曲は1コードから生まれる その1

2016年07月24日 | ジャズ曲・作曲の基礎講座

 

東京芸大のピアノ出身でしたので、当日の演目もモーツァルトやショパンだったと思います。

パーティーに伺うと、眼鏡をかけた落ち着いた紳士が現れました。

紹介されてびっくり仰天、その紳士は当時の東京芸大の学長さんの石桁眞禮生先生でした。

二つ返事で、作曲の先生を紹介してくれるということで、大阪の大学の教授の先生を紹介いただき、

週一回通うことになりました。その先生からはフーガ、ソナタ、和声など大学の作曲科で習う

専門的な作曲法を教わりました。当時並行して大学では軽音楽部でジャズピアノをやり

その先生にはクラシックの課題と、現代音楽の自作の曲を持って行って、指導を受けました。

先生は東京で作曲家集団を率いていたので、そこで作品を発表しないですかと

お誘いを受けました。大変晴れがましいお誘いでしたので、喜んで参加することにしました。

当時、東京で就職する予定でしたので、渡りに船で、東京で作品発表のための準備は

スムーズに行きました。東京音大の学生や東京芸大や大学院のプレイヤーを使って

作品を発表しました。音楽之友社からも取材が来て、記事になるほどちゃんとしたコンサートでしたので、

観客も満員でした。自分の考えた音楽を追求できるというのは幸せなことですが、もちろん費用も掛かります。

商業音楽と違って、それを売るなどありえない話です。ま、ペダンティックな閉じられた実験場です。

当時劇伴やドラマや時代劇の選曲などにも立ち会いましたが、商業音楽は

妥協の産物なので、これは自分にはなじまないと思いました。

今は、音楽に関わる時間が増えて、

自分の感性の赴くままオリジナルの曲を作り、ピアノライブで発表しています。

観客は年齢関係なく、生活人です。ジャズを聞いてみよう、ピアノが好きという方が、

足を止めて、ライブ後とても好感度の感想をいただけることが多いです。

それは本当に励みになります。

特に自分のオリジナルにとてもよい反応がきます。

今後はオリジナルの作曲の追求を

していきたいと思っています。

話は長くなりました。曲を作るということは、

その人が今まで聞いてきたいろんな音楽から出てくることは間違いありません。

それは当然のことです。でも、かつて聞いたそれらの音は、音のスープとして、

脳のどこかにしまい込まれています。熟成して別のものになっているかもしれません。

曲の着想は、小鳥が落としていってくれた不思議な色の羽のようなものです。

一つの美しいコードが曲を作りたいという情熱に火をつけます。

それを曲に出来るかどうかは、曲作りのアイデアやコード進行の特性を

知っていれば、よりスムーズに作ることができます。

 

ーーーーーーーーー coffee break ♪

 

ジャズ曲をつくろうと思って、ジャズのスタンダードのコード進行をいくら研究しても

似たような曲、どこかで聞いたような曲はできても完全なオリジナルはできません。

BGMを作れというなら、いわゆるクリシェ的なコード進行を羅列して、

それに軽く旋律を乗せれば、スタンダードっぽい曲はいっちょ上がり。

でも、そんなBGMを人は欲しがっているのでしょうか。

今どき、J-POPでも実に斬新な曲が人から好まれています。

だからといって、そういったはやりの曲をカバーでジャズアレンジしたって、

それはイージーリスニングの範疇にすぎません。

だから、僕の場合は、テーマ性を持った今まで聞いたことのないような

曲を作ることを目標にして曲作りをしています。

ビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイを考えてみましょう。

この曲はビル・エヴァンス作曲の三拍子の実に可憐な曲です。

その完コピの楽譜はどこででも手に入れることができます。

クラシックピアノをやっている人なら、この程度の曲は初見で弾くかもしれません。

ただ、機械的に弾いてみたとしても、ジャズ三拍子、フォービートの

Groove感はなかなか出ません。

それはなぜかというと、クラシックピアノを習っている中で、

いわゆるクラシックのGroove感というのがあるわけです。

それはジャズのGroove感とは全く異なります。

では、ジャズのGroove感はどこから出てくるのか、それは一拍を三連音符にしたような

動きのある感覚です。それもビートは前乗り、後乗りと変幻自在です。

どういうのりをするかは演奏者の心持ち一つです。

ピアノで言うと、細かい話になりますが、ひとつのフレーズの中に

Groove感をだすことができます。

それはムチをしなるように打ち鳴らす感覚に似ていて、

フレーズに緊迫感が出ます。

例を挙げると、チックコリアのピアノはまさしくそういう感じで弾いています。

殆どの日本人のピアノはクラシックピアノの影響が大きいのか、

拍に忠実すぎて、ぺたぺたしたフレーズになっている人が多く、それを聞いているだけで、

幻滅してしまいます。

実はピアノの弾き方次第でも、作曲する曲に影響を与えます。

この話は次に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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