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徒然ウォッチング

エリアマネージャー日記。Q.O.L.がテーマです。

心待ちの街

2007-11-03 | メンタルヘルス
ハロウィンも終り、ここ博多の街でも、かわって気の早いツリーやリースが飾られ始めました。
何か「次」の楽しみがあるって、わくわくしますよね。

アメリカなどではお正月になってもまだクリスマスツリーがショーウインドゥのデコを担ったりしていますが、日本にはお正月の風物がちゃーんとあるので大晦日を境に、がらっと風景は一変。

…こちらは天神のパサージュ広場に点灯された巨大ツリーです。



ミニコンサートも開かれてたので、正面のオー・バカナルでカフェオレをいただきつつ、しばし静聴。(こんな時間は東京に戻ると絶対に取れない。あ゛~帰りたくない…)
宿泊中のホテルに戻ってみるとロビーにもこんなツリーがしつらえられていました。




ぼけてる写真でごめんなさい。
実は先月3年も使っていたデジタルカメラが突然壊れたので、
これを購入したのです。



小さなデジカメとはまったく違った写真が撮れるので、
つい欲が出て、なんと一昨日はこちらを買い増ししてしまいました。
(でもこの記事の撮影ソースはやはりケータイカメラ。苦)



カメラはハマると果てしないといいますが、なんとなくわかります。…でもとてもじゃないけどこれらはかさばるし重い…ので持ち歩けず、結局相変わらずスナップショットは携帯電話のカメラ機能に依存してて、結局こんなボケボケの小さな写真になっちゃうんですよね…苦
そのうち傑作をアップします。…が、先に腕をあげなくちゃ。

昔同じニコンのF4というのを持っていたんですが、ちゃんと使いこなせなかった上、同時期に買ったデジタルカメラの便利さに、つい存在すらも忘れて何年も放置していたら、機内にカビを生やしてしまい、カメラのメンテナンスに詳しい方に譲ってしまいました。F4ほどの上位機ではないけれど、今回手に入れたD40は大切に使いこなそうと思います。…さて、二週間だけ使ったオリンパスはどうしよう…苦。

さて話を戻します。何かたのしみなことがあるって、とても大切なことなのかも…と思うのです。かつて2000年の新年が明けた途端、欧州では大変多くの方が亡くなられたそうですが、これは「年明けになくなられた」のではなく、ミレニアムをたのしみにしていた方たちが安堵したのが新年だったということだそうですよね。ハロウィンのあと、すかさずツリーに、ツリーの後は間髪なく門松にシフト…というのは、理に適った気持ちの高揚手法かもしれません。先日あるお医者様から伺った話をご紹介しましょう。…その方がまだ病院の当直などもされていた頃、当直のその日に限ってお亡くなりになる方が多く悩んでいたところ、婦長さんが「先生の当直の日まで生きて待っておられたのですよ」と教えてれて霧が晴れられたとか…。
生きる気力ってそういうものかもしれないと思いました。また他人にとって自分自身がそんな対象でいせれることが出来ればとも。

「生きる」までは切羽つまらないまでも、QOLには大きく「楽しみ」は関与するようです…。今心因性障害のある方のケアについての依頼がいくつかあって、改善プログラムなども作っており、(夜の[アロマセラピーの会社]のお仕事のほうですが、)施術そのものは勿論、施術の日をたのしみに待つことで、欝に悩まれている方の日々の過ごし方もがらりと変わることに気づかされました。
プログラムは、意識的に施術スパンを少し長めに設定し、「自分で出来ること(セルフケア)」の道具だけをセラピストさんはお部屋に置いてきます。そして、楽しみな予定を書き込むためのカレンダーも。幾つかのそうした小道具を使いこなせているかどうかで、その方の改善の度合いがはかれるのです。(当然施術がお好みに合っていた場合に限られることですが)

反応はすぐに見られました。次の施術までの一週間、まったく覇気もやる気もなかった方が、自主的にアロマポットにお湯を張り、精油を焚かれたそうです。院内の別の方にもお話や説明もされたみたいで。(自分の状況を自主的に説明するというのは、既に欝ではありませぬ…w)カレンダーには次の予定がしっかりと書き込まれ、そのために必要なヘアバンドなどのお洗濯もご自分でなさり…なんとパイル地なのにアイロンまでかけて。
「たのしみなこと」は、ただたのしみにするだけでなく、それに関連するアクションをとるきっかけになるんですね。好ましいことのために自主的に前向きに動こうとする心のチカラ…これはまさしく生きる気力の原動力そのものでしょう。

…そんなことを思うさなかに垣間見た、気の早い街の季節の模様替えでした。勿論街のデコレートは企業のマーケティングの一つであることには違いないのですが、こうしたことがこの社会の日常の中に散りばめられていることに、誰にともなく感謝をしてしまうのでありました…。


ドーピング

2006-06-09 | メンタルヘルス
いよいよFIFAワールドカップ開催ということで、睡眠不足の方がまた増えそう。日本にいながらにしてイタリア時間で生活しているわたくしは、こういうとき「ラッキー♪」なんて思っちゃうんですが、とはいっても仕事中なので中継を見ることは出来ないんで、ちょこちょことパソコンのストリーミング放送やニュースサイトの速報にアクセスする程度なんですけどね…苦

さてっ!アスリートが活躍する時期になると、いつも話題になるのがドーピングのこと。どこからどこまでがナチュラルハイなのか、何をもって薬物というのか、どこまでがサプリメントなのか、サプリメントは本当に食品なのか…
いつまでも尽きない話題です。

さて、ドーピングのドープ、は、ドーパミン(dopamin)という脳内物質の名前に由来しています。この脳内物質は、交感神経節後線維や副腎髄質に含まれる生体内アミン(amin)の一種であるカテコラミンという物質のひとつなのですが、このアミノ酸がチロシン水酸化酵素という酵素によってドーパ(dopa)になり、さらにドーパ脱炭酸酵素の働きによってドーパミンになり、ドーパミンはさらにドーパミンβ水酸化酵素という酵素でノルアドレナリンという神経伝達物質(交感神経系に働きかけ闘争反応を起こします)に、そしてこれはさらにその後エピネフリン(イギリスではアドレナリンといいます)というストレス反応を示す物質に変わります。ドーパミンは変化するこれらの前駆物質であるだけでなく、脳内の大脳基底核というところに存在して、神経伝達のための特異的作用を掌っています。

わたしたちは行動を表現するときに、「無意識に○○した」とか「反射的に○○した」という言葉をよく使います。歩いたり階段を上ったりするときなども、意識しなくても右足の次には左足が出ていますし同時に右足を引くなど複雑な動作を同時に行っています。これは脳のニューロン(神経細胞)同士が互いに神経突起を伸ばしあって信号をやり取りし、生活の中で得てきた学習の成果を行動(筋肉の動きや神経の働き)に総合的に反映しているからなのですが、そのやり取りはニューロンとニューロンの間のシナプスという中継部で行われます。信号がシナプスに伝わると、シナプスは様々な化学物質を放出し、神経突起を通じて次なるニューロンに伝えていますが、ドーパミンはそのやりとりを活発にする化学物質のひとつなのです。ドーパミンが不足すると、今まで無意識に行えていた行動も、意識しても困難になったり、筋肉が思うように動かなくなったりします。

(アスリートのドーピングがすべてこのドーパミン活性によるメカニズムで行われるのかというとそうではありません。この信号伝達の仕組みを活性する物質は様々なものがあるのです、けれど、最も代表的なものとしてこのドーパミンの伝達経緯があるので、言葉としては比喩的に使われているようです。)

ドーパミン減少の代表的な症状はパーキンソン病でみられる運動障害です。信号伝達に異常が起こったり遅くなったりすると、知覚や認識にも障害が起こり、他の神経系との連携もうまくいかなくなります。なので、複数の条件を処理して記憶する、いわゆる「学習能力」が衰えていき、老化に似た症状を呈します。(老化もまた信号伝達のための様々な物質の減少や生成不足から起こる症状の一つです。実際、10歳年を取るごとに一割程度のドーパミンニューロンが死んでいくと言われています。)

また、逆にドーパミンが多すぎると活舌の異常や幻覚、チック症の発現、強迫神経症などがみられるようになります。昔の映画で「レインマン」というのがありましたが、主役のダスティン・ホフマンはドーパミン過多による障害と記憶力を持つ兄(弟役はトム・クルーズ)の役を見事に演じていました。普通の人から見ると「せわしない行動」に映りがちなのがこの症状の特徴です。

…で、やたら長い前置きになりましたが、昨8日、日本でもとうとう大塚製薬の抗精神病薬、「アリピプラゾ―ル」(商品名:エビリファイ)が発売されました。このお薬は上に書いたように、多すぎても少なすぎても厄介なドーパミン放出量の平衡をはかれるというお薬で、発売前からちょっと注目されていたのです。米国FDAでは統合失調症のお薬として既に2002年11月に承認済みで、昨年売上げは約1300億円。日本では今年一月の承認から半年目の発売ということになります。
具体的にはドーパミン過剰活動状態の場合には、ドーパミン受容体のアンタゴニスト[アンチアゴニスト](拮抗するもの)として作用し、ドーパミン作動性神経伝達が低くなっているときにはアゴニスト(作動するもの)として作用するという優れもの。また受容体の一部に対し部分活性をするパーシャルアゴニストという物質でもあるらしいですが、結果ドーパミンの作用について安定をはかるという意味で、この期待のお薬はドーパミン・システム・スタビライザ―」(DSS)と称されているそうです。イーライリリー社のオランザビンも同じDSSで、多受容体作動薬(MARTA)と呼ばれています。(こちらは平成12年に承認済み。既に多くの統合失調症の症例に用いられています。)

おおお…どこからどこまでが本題だかわかんなくなってしまいました…
怪しいアスリートには、競技前に服用していただきましょうか…?
…でも、このお薬そのものが劇薬指定ですから無理ね。笑

エビリファイについては大塚製薬のページをどうぞ。