うーん、昨日今日の新聞は参院選と台風がトップニュースですね。
…そんな中、目に留まったのは
「東京工業大学の岡田典弘教授らは、ネズミに感染する天然痘ウイルスの一種がヘビに感染していたことを発見した。アフリカに生息するネズミに感染した天然痘ウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)を解析。同じ地域に生息する毒ヘビのDNA配列が紛れ込んでいることを突き止めた。」
ていうニュース。
ありゃー。哺乳類のウイルスが爬虫類にもですか。
やっぱりこの世を制するのはウイルスなのかもしれないなぁ。
所詮免疫なんてウイルスの種類や変化を考えると、いくつついても焼け石に水だもんね。
免疫システムにはよく知られているように、自然免疫と獲得免疫のふたつがあって、自然免疫は持って生まれた免疫、獲得免疫は生まれてきてからマクロファージとヘルパーT細胞の、ウイルスとの戦いの記憶を戦術メソッドとして蓄積した免疫のこと。母乳で育った赤ちゃんはお母さんの体にある「祖先のウイルスとの戦争履歴」を教えてもらっているのだよね。私が今までウイルス性疾患で倒れることが殆どなかったのは、電車に乗らない、人ごみが苦手、というライフスタイルがゆえ…だけではなくて、お母さんから譲り受けた抗体のおかげかもしれない。
ちなみにこのウイルスとの戦歴を記憶しているのはその名も「メモリーB細胞」っていうんだけど、実際に戦地(細胞膜の表面)で戦うのは、キラーT細胞なのね。そしてキラーT細胞を非常事態に際してターボな増殖をさせるのがインターロイキン2っていうタンパク。
私たちが一般的に「免疫がある」と表現する状態は、この「敵(ウイルス)を世代にわたって記憶している能力」と、「出くわした敵の顔を記憶する能力」そして「T細胞の、ウイルスの殺傷能力」と、あと罹っちゃったあとに重篤になるか軽微ですむかの分かれ道、「インターロイキン2がキラーT細胞をどれくらいの速さで増殖できるか」っていう能力、この四つの能力を総合して「免疫力」っていうわけだけど、とりわけ最近世の中を騒がしている変貌タイプのウイルスへの対抗力は、最後の「キラーT細胞の生成」の能力に左右されるみたいよ。 …なぜならA型インフルエンザのように変化しやすい厄介系のハイパーウイルスは、自分自身をちょこちょこ変化させていて、「敵の顔を記憶」してても殆ど役に立たないのよね。正確には抗原シフト、抗原ドリフトって言うのだけど、ドリフトしたウイルスはたとえて言えば美容整形を受けた程度の変わりようなので「怪しいぞこいつ」くらいのことはB細胞が気づいたりする場合もあるんだけど、抗原シフトした細胞は、そのご面相をシャッフルしちゃってるので、見た目まるきり新参者でさっぱりわからない。しっかり細胞壁を突き破られてから「わ!ウイルスだ!」って免疫システム全員で大慌てする場合もある。最近のハイパーウイルスはこのタイプがやたらと多いそうですよ~。
HIVのように宿主に完全侵入してからも変化を続ける厄介なのもいますしね。 そう考えると鳥のウイルスがヒトに、ネズミのが爬虫類に寄生しても不思議ではないですよね。 タミフルやリレンザといった、Aインフルエンザウイルス表面のノイラミニダーゼという酵素を阻害するお薬は、インフルエンザの発症が認識しやすいのと、症例が多くてビジネスになるっていう背景が市場の開発促進を助けたかもしれないけど、「罹患初期」を特定しにくいマイナー系ウイルス疾患には酵素阻害薬の出現を期待しても…うーん、難しいかもですね。最初のニュースの天然痘なんて、ヒトがかかるタイプのは撲滅されたことになっているけど、そのうちまたゾンビのようにやってくるかも!

…で、またまた関係ない写真館。写真右は、左のお母さん猫から免疫ミルクを貰っている、生後二週間のにゃんこちゃんたち。先週、我が家のPSの扉の横で、青猫BJがフガフガ言うので「にゃんだ?」とあけてみると、なんと四匹の子猫が!
殺気を感じて脇を見ると、お母さん猫が御覧の通りのすごい形相で(表情まではわかんないか…^^;)睨んでました。はひー。
こ…この顛末は、また追って。
…そんな中、目に留まったのは
「東京工業大学の岡田典弘教授らは、ネズミに感染する天然痘ウイルスの一種がヘビに感染していたことを発見した。アフリカに生息するネズミに感染した天然痘ウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)を解析。同じ地域に生息する毒ヘビのDNA配列が紛れ込んでいることを突き止めた。」
ていうニュース。
ありゃー。哺乳類のウイルスが爬虫類にもですか。
やっぱりこの世を制するのはウイルスなのかもしれないなぁ。
所詮免疫なんてウイルスの種類や変化を考えると、いくつついても焼け石に水だもんね。
免疫システムにはよく知られているように、自然免疫と獲得免疫のふたつがあって、自然免疫は持って生まれた免疫、獲得免疫は生まれてきてからマクロファージとヘルパーT細胞の、ウイルスとの戦いの記憶を戦術メソッドとして蓄積した免疫のこと。母乳で育った赤ちゃんはお母さんの体にある「祖先のウイルスとの戦争履歴」を教えてもらっているのだよね。私が今までウイルス性疾患で倒れることが殆どなかったのは、電車に乗らない、人ごみが苦手、というライフスタイルがゆえ…だけではなくて、お母さんから譲り受けた抗体のおかげかもしれない。
ちなみにこのウイルスとの戦歴を記憶しているのはその名も「メモリーB細胞」っていうんだけど、実際に戦地(細胞膜の表面)で戦うのは、キラーT細胞なのね。そしてキラーT細胞を非常事態に際してターボな増殖をさせるのがインターロイキン2っていうタンパク。
私たちが一般的に「免疫がある」と表現する状態は、この「敵(ウイルス)を世代にわたって記憶している能力」と、「出くわした敵の顔を記憶する能力」そして「T細胞の、ウイルスの殺傷能力」と、あと罹っちゃったあとに重篤になるか軽微ですむかの分かれ道、「インターロイキン2がキラーT細胞をどれくらいの速さで増殖できるか」っていう能力、この四つの能力を総合して「免疫力」っていうわけだけど、とりわけ最近世の中を騒がしている変貌タイプのウイルスへの対抗力は、最後の「キラーT細胞の生成」の能力に左右されるみたいよ。 …なぜならA型インフルエンザのように変化しやすい厄介系のハイパーウイルスは、自分自身をちょこちょこ変化させていて、「敵の顔を記憶」してても殆ど役に立たないのよね。正確には抗原シフト、抗原ドリフトって言うのだけど、ドリフトしたウイルスはたとえて言えば美容整形を受けた程度の変わりようなので「怪しいぞこいつ」くらいのことはB細胞が気づいたりする場合もあるんだけど、抗原シフトした細胞は、そのご面相をシャッフルしちゃってるので、見た目まるきり新参者でさっぱりわからない。しっかり細胞壁を突き破られてから「わ!ウイルスだ!」って免疫システム全員で大慌てする場合もある。最近のハイパーウイルスはこのタイプがやたらと多いそうですよ~。
HIVのように宿主に完全侵入してからも変化を続ける厄介なのもいますしね。 そう考えると鳥のウイルスがヒトに、ネズミのが爬虫類に寄生しても不思議ではないですよね。 タミフルやリレンザといった、Aインフルエンザウイルス表面のノイラミニダーゼという酵素を阻害するお薬は、インフルエンザの発症が認識しやすいのと、症例が多くてビジネスになるっていう背景が市場の開発促進を助けたかもしれないけど、「罹患初期」を特定しにくいマイナー系ウイルス疾患には酵素阻害薬の出現を期待しても…うーん、難しいかもですね。最初のニュースの天然痘なんて、ヒトがかかるタイプのは撲滅されたことになっているけど、そのうちまたゾンビのようにやってくるかも!

…で、またまた関係ない写真館。写真右は、左のお母さん猫から免疫ミルクを貰っている、生後二週間のにゃんこちゃんたち。先週、我が家のPSの扉の横で、青猫BJがフガフガ言うので「にゃんだ?」とあけてみると、なんと四匹の子猫が!
殺気を感じて脇を見ると、お母さん猫が御覧の通りのすごい形相で(表情まではわかんないか…^^;)睨んでました。はひー。
こ…この顛末は、また追って。