Der König Hat Eselsohren

ベルナール・ビュフェ美術館



実は先週、8時の飛行機に乗らなければならないのに、目が覚めたら6時半で、すっぴんで空港まで行ったという悪夢を経験したので、今日はちゃんと4時に起きた(笑)
TVでは間を置いて新潟・福島の豪雨を報道している。
携帯で各地の天気を調べても、三島も今日明日と雨のマークが続く。
仕方ないので、靴も服装も予定変更だ。

羽田から京急で横浜まで出て、東海道線で熱海、さらに乗り換えて三島へ。
比較的時間に余裕のある今日は、なるべく安く済ませたい。
それでも11時過ぎには三島到着。
今日は一日中雨の予報のはずなのに、晴れ間が出ている…。
ホテルに荷物を預け、クレマチスの丘行き無料シャトルに乗り込む。

以前から一度来てみたかったのだ。>ビュフェ美術館
実家からなら、車を飛ばせば十分に日帰り圏内。
しかし、そこまでするだけのインセンティブは、さすがになかった。
フェルメールだったら、わざわざ海外まで出掛けていくのに…(笑)

そんな中、今回ようやく、念願達成。
意外にも、シャトルの乗客のほとんどが、クレマチスガーデンの方で降りてしまったので、ちょっとびびったが(笑)

ビュフェ美術館の方は、まさに森の中である。





先にとなりのカフェで昼食。
あぁ~、実に、70年代初め頃の現代的おしゃれ建物風(笑)
子供の頃を思い出すよ。

ビュフェの絵に感じるものも、1973年というこの美術館の開館年と関係しているような気がする。
50年代にフランスで描かれたモノが、なぜか70年代初頭の自分の記憶に結びついている。
はっきりとした出来事の記憶ではなく、その頃の風景の色の中にあったモノとして。

そして、ビュフェの絵はどれも、陰鬱さの中にある。
暗く濁った色調。
黒くとがった描線。
画面をひっかいた跡。
描かれた人物はすべて無表情。なにしろ、浜辺でバレーボールをしている人たちですら、無表情なのだ。

どでかく昆虫が描かれた絵だけは素通りして(笑)、初期から最晩年の絵まで並んではいるが、やはり、この美術館が出来た時点に並んでいたであろう、50年代までの絵に感じるところが多い。
一番好きなのは、やはり「キリストの笞刑」かなぁ。
三連祭壇画風に三分割された画面に、なぜか現代的な登場人物。
人物が暗い色調なので、背景との対比で、まるで逆光のように見えるけれど、その背景も灰色で、まるで曇り空の下のようだ。



さらに新館の方では、特別展として、「東海道五十三次-広重から現代作家まで」。
広重の東海道五拾三次すべてと、東海道棟方板画全作品、水木しげるの「妖怪道五十三次」、奈良美智の「in floating world」が並ぶ。
棟方板画は何が描かれているのかよくわからないものも多いので、見ていて疲れる…(笑)
面白かったのは、奈良美智だな。
写楽や歌麿など、有名な絵のコピーの上に色々と描き加えてしまって、中には元絵がどんな作品なのかすらわからなくなっているものも…(笑)

で、それを見ている途中から、ん?おかしいな?と思っていたのだが…。


なんと物凄い土砂降り!雷雨!!
ひととおり全部見終わっちゃったけれど、これでは外に出られません(笑)
本当は、周囲の散策でも、なんて思ってたのに。
かといって、予定より1本速いバスに乗って帰っても、この雨じゃどうしようもないし…。

ビュフェの展示室の方に戻って、ベンチに座ってやり過ごす。
中にはベンチで寝ているおじさんまで…(笑)

展示室のほとんどで、自然光を採光していることもあって、さっきまでと明るさが変わり、これはこれで面白い。
むしろこのくらいの明るさがちょうど良かったりして(笑)


ということで、雨脚も弱まった17時頃まで粘った。
これだけじっくり見たら、もう二度と来る必要はないかも(笑)
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