(承前)
考えてみれば、身体が疲れている兆候はちゃんとあったのだ。つい最近、風邪を引きそうになったことが2度もあった。2度とも早めに手を打ったので、引き込まずにすんだけれど。そんな自分を、「風邪を引きそうになっても食い止められるわたしってエライ」と思っていい気になっていた。ほんとうは引きそうになること自体がマズいんだけどね。完全に健康なときは、喉が痛くなったり寒気がしたりという前駆症状すらないうちに風邪を撃退できる。自分でも気づかないうちに身体が風邪のウィルスを退治してくれるから。
それに、かなり前、ずっと前から集中力がひどく低下していた。何かひとつのことをしていてもほかのことが気になり、つい中断してほかのことをしてしまう。それが繰り返されて、着手したことばかりどんどん増えていき、何ひとつ片付いていないというていたらく。今にして思えば、これは疲れているというサインだったんだなあ。なのにわたし、集中力が低下したのは加齢のせいだと思っていた。
さらに言えば、ヨガのレッスンが以前ほど楽しくなくなっていた。これも疲労のサインだったんだ。
振り返ってみれば、こうやって身体は「疲れているんだよ」という声をいろいろと上げていた。なのにわたしがその声に耳を貸さず、充分に休まなかったから、身体としては万やむを得ず歯まで総動員して警告してくれたんだ。
身体はいつも何かを告げている。だからその声によく耳を傾けてね、とつねづね生徒さんたちに言っているのに、そう言っている張本人のわたしが聞けずにいた。ダメだなあ、わたし。猛反省しなくちゃ。