犬のいる人生 犬のいる暮らしから22きたやまようこ

2024-03-20 | 書物や映画
きたやまようこさんは「絵本作家」だそうです。私はそもそも恥ずかしい話ですが「絵本作家」なる職業があることすら不詳でありました。
1949年のお生まれのようですが、この絵本が 犬の題材 で人気なんだそうで、その絵本をいくつかアップしてみますね、
    
今回のきたやまさんの記事の要点は・・・・・これも刺激的です。
ある時シベリアンハスキーを衝動買いしてしまったそうなんですが、その後に「犬育て休業」を宣言して一年間作家活動を休んだほどの犬好きだそうです。ハスキーがどんなに彼女を、家族を幸せにしてくれたか、この文章から大いに味わってください。




犬のいる人生 犬のいる暮らしから21 黒鉄ヒロシ

2024-03-09 | 書物や映画
黒鉄ヒロシ氏を私は大好きである。何と言っても、まず本職の漫画の面白さだ。加えてエッセイストとしての魅力も捨てがたい。テレビでコメンテーターとしてもよく拝見したが、仰ることになるほどと思わせる迫力もあります。
最近はテレビで見かけることも少ないのですがお元気でいてほしいです。
何代かの犬の名前が記されていて、それが入れ子構造になっているのだそうだ。これだけで愛情が伝わってくる。



犬のいる人生 犬のいる暮らしから19 赤瀬川原平

2024-03-02 | 書物や映画
赤瀬川原平氏(1937年~2014年)は前衛美術家、随筆家、作家と紹介されており、それだけで大変な才能を思い浮かべてしまいます。短編「父が消えた」で、1981年、第84回芥川賞を受賞。
1998年の『老人力』では、高齢化社会が進む中で「老人力」という老人や老いへの新しい視点を提供。
さて、この犬に関する記事も味わい深い。
犬とは無縁の人生であったが五十歳の時に近所で捨て犬が有り、妻と娘が飼うと言い出した。それから犬との付き合いが始まったのだが”犬を飼ってから、他の犬に吠えられなくなった”とか”犬の散歩のウンチの処理”とか人生の転換点があり、犬に対する愛情が感じられる文章となっていて微笑ましい。





犬のいる人生 犬のいる暮らしから18 植村直己とアンナ

2024-02-24 | 書物や映画
植村 直己(うえむら なおみ、1941年〈昭和16年〉2月12日 - 1984年〈昭和59年〉2月13日)は、日本の登山家、冒険家。

兵庫県出身。1970年に世界最高峰エベレストに日本人で初めて登頂した。同年、世界初の五大陸最高峰登頂者となる。1978年に犬ぞり単独行としては世界で初めて北極点に到達した。1984年、冬期のマッキンリー(現:デナリ)に世界で初めて単独登頂したが、下山中に消息不明となった。1984年、国民栄誉賞を受賞した。

上記はウィキペディアの略歴であるのだが、今回「犬のいる人生 犬のいる暮らしから」を紹介しようと改めてなぞったのだがエベレスト初登頂、世界初の五大陸最高峰登頂者等は専門外の私には初めて知ったような驚きであった。
犬ぞりでの北極点到達、距離は1万2千キロだったというのだが、とてつもない距離を走破した事になる。これを出発点からゴールまで唯一完走したのがアンナでメスのリーダー犬だったという。アンナなくしては、なし得ない快挙であったのだ。








犬のいる人生 犬のいる暮らしから17・・・・・佐藤愛子

2024-02-23 | 書物や映画
佐藤愛子女史は犬だけで一冊の著作がある。

彼女の犬の話は北海道の浦河にある別荘にいる犬でこの雑誌でも同じだ。
犬を溺愛するというより、どこか冷めた距離のある書き方だがその裏側にほんのり温かい愛情が感じられる。しつけはしない、鎖に繋げずあるがままに育てている。

話題が全く逸れるがこの別荘で”怪奇現象”に遭遇する。
ラップ音や品物が急に消えて思わぬところから出てきたりする。この話題だけで2~3冊の著作があり、その面に興味のある私は全部目を通した。「冥土のみやげ」とかの書名だったと思う、これも面白かった。
     






犬のいる人生 犬のいる暮らしから16・・・・・米倉斉加年

2024-02-17 | 書物や映画
渋い俳優の米倉斉加年さんだが・・・・まず、この名前はなんと読むのだろう。
私は読めなかったが「まさかね」だそうだ、人の名前は難しい。

さて、ここで語られているのは雑種犬で名前は”マフラー”と言うそうだ。
いくつか興味のある記述がある、まず食事の風景だ。
すき焼きを一緒に食べる、最初は肉をマフラーの分と分けて与えているがマフラーはご飯はほんの少しかじって肉をもっととねだる、その内どちらの肉か分からなくなって最後は一緒に肉を食べていたと言い、最後に「一人で食べるより二人のほうがおいしい」と締めている。
私もいつも食事はアラシと同席で少しずつ分け合って食べていた、本当においしいのだ、これが。

ワンコの食事はドッグフードが常識である今、こうした食事方法は誉められないであろう。
しかし、私は食事の時に同席して分け合って食べる情景がいつまでも忘れられない。連帯感を感じたと言えばそうだし、一緒に生きているとも感じる瞬間であった。

次にマフラーは人の顔を決してなめなかったというくだりだ。
アラシはなめた、なめた・・・・・私だけでなく、祭りに連れ出した時など”可愛い”と寄ってくる見知らぬ愛犬家の顔もなめまくった。
言葉を発さぬワンコにとって喜びの表現が”なめる”という事だと思っていた。親愛の気持ちを現す表現であったと思っている。
ワンコも様々なんだな~

しかし「人間と違って彼らは誠実である。嘘をつかない。嬉しい時は尻尾を振る。体全体をよじって喜ぶ。恐ろしい時は尻尾を巻いて逃げる」は全てのワンコに共通だろう。



犬のいる人生 犬のいる暮らしから15・・・・・久世光彦

2024-02-16 | 書物や映画
久世さんは脚本家(でいいのかな?)で既に故人である、亡くなったのは二十年程前になるだろうか。寺内貫太郎一家などの名作があった。

さて、私は大のポメラニアン一筋の愛好家であるが、この久世さんもそうであったようだ。
実はこの話題の基になっている「犬のいる人生 犬のいる暮らし」という本には70を越える愛犬との想い出が記されているのだが、ポメラニアンを飼っていたのはこの久世さんとあと一人の僅か二名で犬種で言えば圧倒的に柴が多い。
愛らしさ、頭の良さ、忠実度、適度の大きさ・・・・どれを採ってもポメラニアンが最高だと思うのだが、ま~夫々の飼い主は我が犬種が一番と思っているのだろうから仕方がない。

久世さんはポメの多頭飼いでしかも一年中サマーカットだったと記している。
私も言葉通り夏場はサマーカットにしていたが、普段は小型ライオンとでも言うべきたてがみの立派さを好んだ、フワフワの金色の毛並みにさわるのも好きであった。
久世さんらしくこのポメたちを愛する表現は画像でご覧いただこう。

私はアラシを喪った時に「この犬が最後、もう犬は飼わない」と決めた、いや、アラシを喪う前から決めていた。それは一つにはこれから先を考えれば、ワンコを残して私が先に逝くことも考えざるを得ない年令になった事もあったからだ。
久世さんは何頭のポメを残して旅立ったのだろう、きっと心残りであったに違いない。残された愛人たちも悲嘆に暮れたであろう・・・・・・




犬のいる人生 犬のいる暮らしから14・・・・・介助犬シンシア

2024-02-11 | 書物や映画
犬の果たす役割で盲導犬は世間に知られているが牧羊犬もその地では活躍しているらしい。
あまり馴染みはないが盲聴犬というのもいる、耳の不自由な家庭で電話が鳴ったり、ドアのチャイムが鳴ったら家の人に知らせる。
警察犬や麻薬探査犬そして災害時に行方不明の災害者を探す役割の犬もいる。

こう考えてみると犬ほど人の役に立っている動物はいないのではないか!
よく犬派、猫派と比較されるが・・・・・猫が人の生活に果たした働きなど聞いたこともない。
今日紹介するのは「介助犬」だ。
ベッドから動けない、動けるにしても動きが不自由・・・・こうした人の介助をすると言うのだ。
どんな物かは下の記事で読んでいただくとして、犬は本当に人間の友だと思う。








犬のいる人生 犬のいる暮らしから13 丸山薫 「犬と老人」全文

2024-02-10 | 書物や映画
「アラシの想い出Ⅱ 【かように無心のものが・・・・】」で丸山薫(大分県生れの詩人。1899~1974)の「犬と老人」の詩のメイン部分を紹介させていただいた。
今回はその全文をアップさせていただきます。
舞台は大分のようなのだが、ここの方言をそのまま使っているのが実に味わい深い。
「ほう 良い犬でごわすな 高価でごわせうな」 「さうでごわすか 珍しい種でごわすな なにを喰べとりますか 費(かか)るでごわせう」等々だ。

   私はスピッツ種の純粋な仔犬を飼ってゐて
   朝と夕ぐれに彼をつれて散歩に出かける
   犬の毛並はふさふさした雪白であって
   瞳がやはらかな葡萄色の輝きを放ち
   あたかも北極熊の仔をみるやうだ
   あまりに珍奇なので行き遭ふ人は足を止めて
   その愛らしさを讃へぬものはない

   或る日 私が犬をつれて草原にゐると
   坂から 粗末な服を着た老人がおりてきた

   彼もまた仔犬に注目して立ち止まった
   「ほう 良い犬でごわすな 高価でごわせうな」
   私はふり向かずに答へた
   「貰ったものです」
   「さうでごわすか 珍しい種でごわすな なにを喰べとりますか 
    費(かか)るでごわせう」
   「詩人の犬です ほんのその日の残り物です」
   「ほう いや それ それでごわすて
    とにかく美味い物を与へると縮尻(しくじり)ますて
    人間といへどもまたそのとほり」
   
    老人は跼(かが)んで両手をさし伸べた
    すると一瞬 犬は耳を臥(ふ)せて郷愁の姿をした
    それから尾をふりふり跳びかかっていった  
    彼の掌(て)のひらは節くれだって大きかった
    片手の指の数が足りなかった
    可愛い犬はその掌ではげしく撫でさすられ
    みるみる奇怪な形の中に消え入りさうに見えた

    「年齢(とし)でごわすなあ」
    ふいに思い余った吐息をして老人が言った
   「かやうな無心なものがなにより慰めになり申す
   女房は墓になりました
   子供は育って 寄りつかん
   世間には憂きことばかり
   終日(いちにち) 働いて帰るとかやうなものがじゃれついてくれる
   もうそれだけで疲れは忘れるでごわすよ」
   その言葉は不思議な滋味を滴(したた)らした
   仔犬は這って いそがしく草の穂を嗅ぎまはった
   それから 彼のつぎの当ったズボンとシャツに跳びついた
   老人は頭を低く突き出した
   犬が惨苦に光る額の皺を舐めはじめた

   老人は立ち上がった
   「大切に育ててやりなされ 良い犬になりますぞ」
   そして 何故か ちらと四辺(あたり)を見て言った
   「しかし盗まれる 盗まれる
   得難い物はとかく眼を付けられる危険がごわすて」
   
   彼は姿に肖(に)ぬ元気な靴音をさせて去った
   私は仔犬と一緒にその後姿(あと)を見送ってゐた
   それは丘つづきの郊外の道にいつまでも見えてゐた
   遠くの工場の煙突がそれに重なった
   と―――老人の古びた帽子(シャッポ)から煙が噴き出て
   しばらく夕空に靡(なび)いてゐた

犬のいる人生 犬のいる暮らしから11 西木正明

2024-02-03 | 書物や映画
西木正明氏は我が秋田生まれの直木賞受賞作家、内陸の角館に近い西木村の生まれで西木という姓をつけたのだそうだが、残念ながら昨年12月にお亡くなりになりました。合掌。
ラブラドールのジャガーが寝たきりになり散歩をさせるのに台車に乗せては泣かされる一方でスケベ犬だったとは笑わせる。
私の近所にでも交通事故にあったであろう、後ろ脚の不自由なワンコに台車をつけて散歩させている例がある。誠に飼い犬に対する愛情の深さに心打たれるものだ。








犬のいる人生 犬のいる暮らしから9・・・・・小山慶太

2024-01-20 | 書物や映画
今日の著者の小山慶太と言ってもほとんどの方が知らないであろう、私とて同様だ。
早稲田大学の名誉教授で物理学が専門であると言うがこの本で初めて知った。

しかし、この内容を読んで微笑ましく思ったのと、今ひとつは犬の持つ不思議な魅力とそれに虜にされる人との不思議な関係になぜか納得させられるのだ。
著者は犬を飼った経験がまるでなかった。犬を飼いたいというご子息の要求に渋々応じて柴犬が来ることになった。しかし、その来た初日から犬の虜になってしまうのだ。この時著者は50歳だそうだ。
”犬を撫でるのはこんなにも気持ちがよく、心落ち着くものであることを初めて知った!と初日に感じ、小山さんの人生を変えたと言っている。
文中にもあるが文豪、夏目漱石もやはり愛犬家であったらしい。
前置きはいい加減にして、本文を読んで欲しい。