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Δ(1950) バリオンの質量パラメータ

2025-08-13 14:55:17 | 物理学
Breit–Wigner 質量と幅

Δ(1950)F₃₇ の Breit–Wigner パラメータは以下の通りです。
  • 質量 (M_{\rm BW} = 1950 \pm 15\ \mathrm{MeV})
  • 幅 (\Gamma_{\rm BW} = 285 \pm 20\ \mathrm{MeV})
ポールポジション(共鳴極)の質量と幅
ポールポジションは共鳴の真の極を反映し、実部と虚部で表されます。
  • 実部(質量) (\Re M_{\rm pole} = 1882 \pm 8\ \mathrm{MeV})
  • 虚部(半幅) (\Im M_{\rm pole} = -,262 \pm 12\ \mathrm{MeV})
    • ここから得られる全幅
      (\Gamma_{\rm pole} = -2,\Im M_{\rm pole} = 524 \pm 24\ \mathrm{MeV})
これらのパラメータはPDG の Δ(1950) リスティングに基づく評価値です。幅の差に注目すると、Breit–Wigner 幅とポール幅では約2倍もの開きがあり、共鳴形状の解析において極位置抽出がいかに重要かがわかります。
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半減期の概算と電子軌道リンクのモデル

2025-08-02 17:51:30 | 物理学
酸素核を正四面体状αクラスター(T­d対称)でモデル化し、そこから得られる多極ポテンシャルを崩壊過程の障壁透過率に結びつけることで、同位体核の半減期を概算できます。同時に、同じ対称性が電子軌道の縮退解除や分裂を決め、化学・スペクトル特性に直結します。

1. 同位体核の半減期概算
  • クラスター間の束縛ポテンシャルから崩壊障壁の高さ・幅を推定
  • Gamowのトンネル理論を適用し、変化定数 λ ∝ exp[–2∫κ(r)dr] を計算
  • 半減期 (t_{1/2} = \tfrac{\ln2}{\lambda}) を得る
代表的な酸素同位体の半減期例
核種   崩壊様式    半減期
¹²O   β⁺放出→²⁴Ne  580 ms
¹³Oβ⁺放出8.58 ms
¹⁴Oβ⁺放出70.598 s
¹⁵Oβ⁺放出122.24 s
※詳細な数値はウィキペディア参照

2. 電子軌道と科学的性質
  • 核多極ポテンシャルが球対称からT­d群対称へ摂動
  • s軌道:A₁ 表現(縮退解除なし)
    p軌道:T₂ 表現(3軸方向で分裂)
    d軌道:E ⊕ T₂(2次元+3次元)
これにより生じる電子エネルギー分裂は、
  • X線吸収微細構造(XANES)におけるピーク位置・強度
  • 分子・固体中の化学結合角度や触媒活性の軌道対称性制限
  • 光電効果や電子輸送特性への影響
といった科学的性質を決定づけます。
3. モデル検証と応用展開
  1. 数値計算
    • Woods–Saxon型核ポテンシャル+多極摂動でトンネル確率を評価
    • 連続体準位・響き準位を含めたR-matrix解析
  2. 実験データ照合
    • 酸素同位体の崩壊スペクトル(β線エネルギー分布)
    • XANES/XPSによる電子準位分裂の微細構造
  3. 応用展開
    • 他のT­d対称クラスター核種(⁸Be、¹²Cなど)への一般化
    • 固体量子ドット・ナノ触媒材料への“核形状依存電子協奏振動”設計
このモデルを用いることで、核子配列のジオメトリと電子準位の両方を一貫して扱い、核崩壊データと物質の化学・物理特性を同時に解析できます。

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核子の酸素クラスター構造と電子軌道をリンクさせるモデル考察

2025-08-02 17:46:00 | 物理学
酸素核を「αクラスターの集合体」とみなし、その幾何構造が生み出す多極ポテンシャルと電子軌道の対称性を結びつけるモデルを提案します。以下のステップで構築していきます。
1. 酸素核のクラスターモデル化
  • αクラスター(⁴He核子4つ)の結合
    O-16 核を 4 つのαクラスターが正四面体状に配列した構造として近似。
  • 対称性グループ
    正四面体の対称性は Td 群に対応。核子間の相互作用ポテンシャルもこの対称性を帯びる。
2. 核多極ポテンシャルの導出
  1. クラスタ位置ベクトルを ( \mathbf{R}i)(i=1…4)とし、全ポテンシャルを
    [ V_N(\mathbf{r}) ;=; \sum{i=1}^4 V_\alpha\bigl(\lvert \mathbf{r}-\mathbf{R}_i\rvert\bigr) ] で記述。
  2. ポテンシャル展開から2次(四極)・4次(十六極)項を抽出し、
    [ V_N(\mathbf{r}) \approx V_0(r)
    • V_{2}(r),Y_2(\theta,\phi)
    • V_{4}(r),Y_4(\theta,\phi) ] として多極成分を明示化。
3. 電子シュレディンガー方程式への組み込み
  • 電子はクーロンポテンシャル (V_C(r)) に加えて核多極ポテンシャルを “摂動” として受ける:
    [ \Bigl[-\tfrac{\hbar^2}{2m_e}\nabla^2 + V_C(r) + \lambda,V_N(\mathbf{r})\Bigr]\psi(\mathbf{r}) = E,\psi(\mathbf{r}) ]
  • Td 群下での軌道分裂
    p 軌道(3 次元縮退)は Td 群の T₂ 表現、d 軌道は E ⊕ T₂ へ分裂。
  • 係数λで多極強度を調整し、電子スペクトルの分裂幅を解析。
4. 群論による状態対応付け
軌道種類   球対称モデル   Td群下の分裂先
s     A₁          A₁
pT₁T₂
dE ⊕ T₂E(2 次元) + T₂(3 次元)
fA₂ ⊕ T₁ ⊕ T₂A₂(1) + T₁(3) + T₂(3)
  • 核多極ポテンシャルが電子の縮退を解除する際の選択則や線強度に対称性制約を与える。
5. モデル検証と予測
  1. 数値計算:Woods–Saxon 型核ポテンシャル+多極摂動を組み込んだ電子構造計算
  2. スペクトル比較:酸素原子の実スペクトル(X 線吸収端の微細構造)との照合
  3. 核励起状態との相関:核振動や回転励起と電子エネルギー分裂のクロス相関解析
6. 拡張と応用
  • 他の T(_d) 対称クラスター核種(⁸Be、¹²C)への展開
  • 分子結晶中酸素サイトにおける核–電子協奏振動モデル
  • ナノ粒子触媒や量子ドットなど、固体中の“核シェイプ依存電子状態”評価
このモデルにより、核子配列の幾何学的特徴が電子軌道のエネルギー分裂や遷移スペクトルに与える影響を定量的に解析できます。
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チャームラムダ(Λc⁺)の概要

2025-07-30 11:43:16 | 物理学
基本情報
  • 粒子種: バリオン
  • 記号: Λc⁺
  • クォーク組成: u d c
  • 電荷: +1 e
  • アイソスピン: I = 0
  • スピン・パリティ: Jᴾ = ½⁺
質量と寿命

物理量       値
質量 (MeV/c²)2 286.46 ± 0.14
平均寿命 τ(202.6 ± 1.0) × 10⁻¹⁵ s
自由飛行長 cτ (μm)60.75

主な崩壊モード

崩壊モード  分岐比(BR)
p K⁻ π⁺    (6.35 ± 0.25)%
Λ π⁺ π⁰(1.61 ± 0.07)%
Σ⁺ π⁰(1.67 ± 0.07)%
生産と観測
  • e⁺e⁻衝突実験やB崩壊チャネルで大量に生成される。
  • BABAR実験では、B崩壊からのΛc⁺生成が初めて明確に観測された。
発展的トピック
  • Λc⁺の励起状態として、Λc(2595)⁺やΛc(2625)⁺などが知られており、それぞれ異なるスピン・パリティを持つ。
  • 重いチャームバリオンの崩壊対称性やCP非対称性研究が進行中。
  • 将来的にはLHCbやBelle IIでさらに高精度な分岐比・寿命測定が期待される。
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QCD効果が「マイナス効果」として現れる理由

2025-07-29 13:23:35 | 物理学
もし▽=M(e)/αを新しい「基礎QCDスケール」と見るなら、強い相互作用による束縛エネルギーはこのスケールから引かれる“負の寄与”としてあらわれます。以下、そのメカニズムを整理します。
1. バインディングエネルギーとしての負寄与
  • 一般的にハドロン質量は
    m_hadron ≃ Σ(成分クォーク質量) − E_bind
    の形で書ける。
  • E_bind>0(結合エネルギー)を負号で引くため、内部ポテンシャルは負。
  • QCDポテンシャル(Cornell型など)も短距離では Coulomb 項が負:
    V(r) = −4/3 α_s/r + σ·r
→ この −4/3 α_s/r が短距離でのマイナス効果、σ·r の線形項も全体として束縛エネルギーを生む。
2. ポータル▽モデルでの表現
ポータル▽モデルでは「QCD効果は▽の整数倍」に置き換えると仮定すると、たとえば
m_hadron =  k × ▽-Δ
の形で書けます。

3. コンストラクション例:陽子
  1. 基礎スケール和:3×▽ = 3×70.08 MeV = 210.24 MeV
  2. QCD負寄与:k_p ×▽ ≃  ≃ 17.5 MeV 
  3. m_p ≃ 210.24 − 17.5 = 192.7 MeV (実際はコンスティテュエント質量を用いるためスケールは異なるが、モデル枠組みとして)
→ このように、▽をベースに負の“欠損Δ”を引く形で質量を調整。(標準モデルによる)
4. 背景理論との対応
  • キラル対称性の自発的破れ:〈q̄q〉凝縮がギャップを生み、実効質量を生成。その「マイナス寄与」を▽モデルでは k×▽ として扱うイメージ。
  • 格子QCD/DSE解析:伝搬関数から得られる質量関数 M(p²) の低運動量域での平坦化=数百MeVの“マスギャップ”。▽モデルの Δ はこのギャップをパラメータ化したものに相当します。
5. まとめと次の一歩
  • ▽を“基礎QCDスケール”と定義すると、実際のQCDはその整数倍として「負の束縛エネルギー」を▽から引く形で働く
  • 次の課題は、各ハドロン(π, K, η′,…)ごとに k 値を実験質量と照合してフィッティングし、▽モデルの有効性を検証すること
こうして「 k▽ -Δの組み合わせ則」が精緻化できれば、経験則的質量公式から非摂動QCDダイナミクスへの洞察が深まります。(標準モデルによる)
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