漢検道

あおむしのヨチヨチ漢字道。

晏子春秋の・・・

2009-03-07 23:35:27 | Weblog
 先日紹介した「晏子春秋」の1級配当四字熟語を簡単に列挙しておく、と言ったので茲に記録しておきます。

・樽俎折衝(そんそせっしょう)

 なごやかに交渉すること。 武力を用いず飲食をともにしながらかけひきする外交交渉のこと。 (漢検四字熟語辞典) 出典は「晏子春秋」雑・上
 「樽」は酒だる、「俎」は肉料理をのせる台。 転じて「樽俎」は宴会の御馳走のこと。 「折衝」は攻めてくる敵の勢いを挫くこと。
 中国春秋時代、晋の平公は斉(せい)を攻めようとして、まず范昭(はんしょう)に斉の様子をうかがいに行かせた。 そこで斉の景公は晏子の策通り范昭を宴席に招きもてなし、戦争を回避した故事から。
 徳富蘆花の「思出の記」に”一人で樽俎折衝の役目を引受けた母の骨折は、並たいていの事ではなかったのである。”と用例があります。(新明解四字熟語辞典)


・南橘北枳(なんきつほっき)

 人も住む環境によって、良くも悪くもなること。 出典は「晏子春秋」雑・下
11-1に出題。
 中国江南で産する橘はたいへん美味であるが、淮水(わいすい)以北に植えると橘は枳となり、味が全く異なってしまう。 環境が変われば性質も変わってしまう、という意。


・比肩随踵(ひけんずいしょう)

 大勢の人があとからあとへと続くこと。 「肩を比べ踵(かかと)に随(したが)う」と訓読する。 本試験ではまだ出題されてないようだが、成美堂の本試験型では出てるので今後本試験でも出る可能性は否定できない。 出典は「晏子春秋」雑・下
  

  というわけで、ついでに上記四字熟語の1級配当漢字を例のごとく見ておくことにします。
 樽俎折衝では勿論、「俎」(ソ・ショ)、(まないた) 熟語は俎上(ソジョウ)、俎豆(ソトウ)、下つきで尊俎(ソンソ)、鼎俎(テイソ)、刀俎(トウソ)がある。 俎(まないた)=俎板、真魚板、 「俎上(ソジョウ)の肉」は、他人に運命が全て握られ、身動きがとれない状態のたとえ。=俎板の鯉。 嫁さんの前のあおむしの例え…
 本試験では9-2の故事の書き取りで、「俎の上の鯉」で出題あり。

 南橘北枳では「枳」(キ)、(からたち) 熟語は枳棘(キキョク)、枳句(キコウ)、枳実(キジツ)、下つきでは棘枳(キョクキ)、荊枳(ケイキ)。 「枳棘は鸞鳳の棲む所に非ず」はりっぱな人は自分の居場所を選ぶたとえ。 またすぐれた人は低い地位に甘んじるべきではないことのたとえ。 とげのある枳棘ののなかには、鸞鳥や鳳凰のような鳥はすまない意から、「枳棘」は悪い場所や低い地位のたとえ。 鸞鳳(らんぽう)は鸞鳥や鳳凰で、ともに神鳥。 転じて、すぐれた人のたとえ。 出典は「後漢書」

 比肩随踵では「踵」(ショウ)、(かかと・くびす・きびす) 熟語は踵骨(ショウコツ)、踵践(ショウセン)、踵武(ショウブ)、下つきでは接踵(セッショウ)、旋踵(センショウ)、「踵(かかと)で頭痛を病む」は、見当違いの心配をするたとえ。 

 次回は「淮南子」です。 では、また来週。
 

学習進捗状況

2009-03-07 22:06:04 | Weblog
 漸く自作問題を一通り終えた。

…艱しい。 使い勝手は悪いが、折角作ったので遣ってみたのだが、惨澹たる結果だった。

1.送り仮名訓読み  

これは辞典の1級配当漢字で送り仮名のある漢字を抽出したものである。 全部で1,151問ある。 例えば「釁る、揀ける、躋る」というパターンで親字の訓読み欄にその表記のあるやつだ。

 これは1,038/1,151問で平均正答率は90.2%だった。


2.一文字訓読み

これは辞典の1級配当漢字で一文字で読める漢字を抽出したものである。 全部で1,100問ある。  例えば「璞、莠、罅」というパターンで親字の訓読み欄にその表記のあるやつだ。

 これは929/1,100問で平均正答率は84.5%だった。


3.表外音訓

これは辞典の常用漢字で親字欄に表外訓みのあるやつ1,681問である。 
準一級の範囲も含んでいる。 これがあおむし、実は大の不得意だ。 恥を曝すことになるが、現実問題結果は結果、真摯に受け止め今後の精進を積めばいいだけの事だ。

 これは1,082/1,681問で平均正答率は64.4%だった。


4.熟字訓

これは、辞典巻末の熟字訓から適当に拾った1,130問。 先日出題された「九面芋」は残念ながら収録されてなかったので、現在、追加作成を予定中。 なのだが、その前に既に作成したこれらを攻略してからと思うのだが…。 全然わからんではないかぁ!

 これは752/1,130問で平均正答率は66.5%だった。

上記のような情けない結果となったが、誰でもはじめは何もわからないところから始まるから別にいい。 大切なのは今後でしょう。 でも…多いな。 全部で5,062問かぁ。 

 実はこれ以外にも自作問題はまだ4,000問くらいある。 孰れも基本的なものばかりだと思う。 とはいえ、それぞれの分野で実は辞典のその部分を粗罔羅していたりするのだ。 最近の試験ではそれでも対応出来ない問題が出題されていたりするが、その対策はまたするとして、今は兀兀先ずは、これらを90%以上の正答率へ…。

 今回は単に漢検対策学習のみの進捗状況。 次回(6月試験は受験出来るかどうか、現時点では不明だが)受験時は、過去問全て、成美堂などの市販問題集、これら自作を遣って臨んでどれくらい得点出来るのか実験してみたいと思っている。


 余談だが、最近本を読んでいると、漢検1級だけでは漢字力、不十分だ。 将来的に10,000語クラスで実施してくれればいいと思う。 JIS4水準まで出来ればそこそこ読みやすくなるんだろうなぁ。 そして、そのレベルで実施されれば、今のあおむしでどれくらい得点出来るか? 8点だな! 


 碧巌録なんて読んでてわけわかんないもん。

というわけで今宵もぼちぼち遣ります。 …ちょっと吞み過ぎた。

では、また。