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心に移り往く、日々の由無し言.....

微笑みながら消えていく

2004-11-18 | 
私、本当は見てるだけでドキドキしてたし、
近くで話したり目が会うたびに心臓が止まりそうだった。
他の人みたいに気軽につきあうなんてできないし、
話しかけられたりうちあけたりするなんてとんでもなかった。
もし30センチ以内に近づいたら、きっと死んでしまうだろうと思った。
私は人よりおくれてるんだろうけど、子供なのだろうけど、
道ですれちがうだけでひや汗がでたり、
人の言葉のはしにあの人の名前が聞こえるだけで
顔色が変わってしまうようなこの想いを、
だからってどうすることもできないのです。

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うすむらさきの夕暮れに
かなわぬ恋を泣きにきた
飛んでく鳥や花たちが
心配そうにふりかえる

うすむらさきの夕暮れに
なぐさめられて歩くとき
飛んでく鳥や花たちも
かなわぬ恋などないという

ねえそれならば私たち
望みをすてずにいましょうね
それがたとい気やすめでも
小さく希望がともるから

............

「一地帯」

「私たち」という言葉で限定されたものが
「永遠に」という約束を果たせないとしたら
「私」の今のこの気持ちと
「あなた」の今のその気持ちの
交わる所で会いましょう
「私」や「あなた」が他の何かに入れ変わったとしても
交わる所そのところは「永遠に」存在するでしょうから。
そのところは、ここでもなくむこうでもなく、
心という宇宙の心でしか場所を示せない一地帯です。

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この本は好きな詩がいっぱいです。
あと、長いのでここでは遠慮しましたが
「あなたが春に恋した日から」
という詩もすごく好きです。



微笑みながら消えていく(銀色夏生)

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