久しぶりに公害等調整委員会の「新しい動き・係属紛争事件一覧」を見てみたら、まるで「騒音・振動特集」ではないかと思うほど、騒音関係一色である。上げられている項目の内、騒音・振動関係でないのは2件のみである。更に、その内4件が低周波音被害を直接訴えているが、他にも低周波音が関係しているのではないかと私的には想像する。
数年前以前の公害等調整委員会における、低周波音に関する係争など年に一つあるかどうかと言うような状況で、長い低周波音被害の歴史の中でも低周波音に係わる係争など多分数件のはずである。それから思えば、隔世の感である。
”たかが騒音”被害に対する「意識・認識」が高まってきたことの証拠であろう。環境関係者の間では、公害問題の流れは「これからは化学公害から感覚公害に行くであろう」と言われて久しい。やっとそれが現実のものになってきたかの感のする昨今の「係属紛争事件一覧」である。
特に、超マイナーだった低周波音被害の訴えが増えているのは、何よりも被害そのものが身近に増えてきていることが事実であろうが、低周波音被害とそのものに対する認知度が風車騒音問題に関連して報道されることにより、急激に高まったと考えられる。
「低周波音」という言葉のマスコミへの出現回数は、過去30年以上にわたる低周波音問題の歴史上で、この1,2年の出現回数は、それまでの全てを遙かに上舞っているはずである。もちろんそれは風車騒音問題に伴ってではあるが。個人的には、風車騒音問題により、これまであくまで個人的問題として行政から門前払いを喰わせられていた低周波音問題が新たな局面から門戸が開かれる事を切に願ってやまない。続く
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