”黙殺の音”低周波音 silent killer

サイト「黙殺の音 低周波音」http://yatanokarasude.gozaru.jp/tei/tei.htm

宮崎 携帯基地局差し止め訴訟、原告の請求棄却

2012-10-18 09:05:51 | 電磁波
 低周波音被害と原因は違うが、被害者が置かれた状況は酷似していると言うより、被害者数、被害現場数など遙かに上回る問題である。にもかかわらずこの状況である。予想できる判決だが、低周波音問題の先を占うには余りに厳しく、非道い話だ。
 
 ネット上で各紙を見ると毎日がまとまっており、読売が詳しく、朝日の解説が良かったのでパクらせてもらったが、多分本紙上ではどこもそれなりに詳しいのであろう。

<電磁波訴訟>携帯基地局との因果関係認めず 地裁延岡支部

毎日新聞 10月17日(水)19時19分配信

 携帯電話基地局が発する電磁波で健康被害が出ているとして、宮崎県延岡市の住民らが携帯電話大手のKDDI(東京)を相手取り、基地局の稼働差し止めを求めた訴訟の判決が17日、宮崎地裁延岡支部であった。太田敬司裁判長は住民が訴える症状の発生は認めたが、「直ちにそれが電磁波による健康被害と認定することはできない」と述べ、請求を棄却した。住民が実際に健康被害が出ているとして起こした初の裁判でも、因果関係は認められなかった。
 太田裁判長は判決で、基地局設置後、住民の訴える耳鳴りや頭痛、鼻血などの症状が実際に出ていることは認めたが、その原因が基地局の電磁波かどうかは現時点で科学的な裏付けがないとした。原告側が提出した「電磁波による愁訴(症状)出現の可能性が高い」とする医師の診断所見も「問診のみが根拠」と医学的価値を否定。原告宅の電磁波計測の数値も国の基準値内で「異常な強度とはいえない」とし、「因果関係について医学的・科学的観点からの立証は不十分」と述べた。

 更に、判決は多くの住民に症状が出ているという事実から因果関係を推認できるかという点も検討したが、「電磁波への不安感が影響している可能性がある」として否定した。

 携帯電話基地局はKDDIが06年、延岡市大貫(おおぬき)町の住宅街にある3階建てアパート屋上に建設し、同年10月末に稼働。その後、周辺住民が次々と耳鳴りや頭痛などの症状を訴え、主に基地局の半径200メートル内の住民ら30人が09年12月に提訴していた。【百武信幸、遠藤孝康】

 KDDIの話 国が定める法律および電波防護基準値を順守して弊社が本基地局を運用していることに対し、適切かつ妥当な司法判断が下されたものと受け止めている。

 徳田靖之・原告側弁護団長の話 全国に波及する結果の重大性におびえた臆病な判決。ただ、裁判所が初めて基地局周辺の健康被害(症状)の発生を認め、携帯電話会社をかなり追い込んだ。住民と相談し控訴したい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121017-00000064-mai-soci


 

原告、主張認められず落胆 携帯基地局訴訟棄却

2012年10月18日  読売新聞)

 延岡市大貫町の携帯電話基地局を巡る操業差し止め訴訟で、原告側の請求を棄却した17日の宮崎地裁延岡支部判決。原告の住民や弁護団は「住民の症状に真摯(しんし)に向き合っていない判決で不当だ」と不満をあらわにした。

 太田敬司裁判長が請求を棄却する判決の主文を言い渡した瞬間、原告席に座った住民らは無言のまま肩を落とした。原告弁護団の弁護士は裁判所前で、「不当判決」と記した旗を厳しい表情で掲げた。

 閉廷後、延岡市中小企業振興センターで報告集会を開いた徳田靖之弁護団長は「裁判長は、住民の請求を認めると世界的に(携帯電話事業への)影響が極めて大きいと考えたのではないか。これだけ多くの健康被害を『思い込み』とするとは、怒り心頭に発する」と憤った。

 原告団長の岡田澄太さん(64)は「棄却されるなんて頭になかったので、判決を聞いてぼう然とした。あまりに短絡的な結論で、私たちの症状に正面から向き合おうとしていない」と批判した。

 報告集会に出席した原告の一人で、基地局から約10メートルの距離に住む建設業西本幸則さん(57)は耳鳴りなどに悩まされてきた。「私たちの症状は電磁波とは関係ないと言われてしまった。もう限界です」と疲れた表情で語った。

2012年10月18日  読売新聞)
 
 
と、他紙に比べ読売の記事がネット上では詳しく、現地で拾っているなと思ったら、これに先立つ記事もあり座布団2枚。

健康被害の発生争点 携帯基地局訴訟きょう判決
2012年10月17日  読売新聞)
 
携帯電話基地局から放出される電磁波で耳鳴りや頭痛などの健康被害を受けているとして、延岡市の住民30人がKDDI(東京)に基地局の操業差し止めを求めた訴訟の判決が17日、宮崎地裁延岡支部で言い渡される。電磁波による健康被害が実際に発生したかどうかが争点で、裁判所の判断が注目される。

 「キーンという金属音の耳鳴りがして、ひどい肩こりがあるんです」。原告団長の税理士岡田澄太さん(64)は判決を前に、こう訴える。自宅兼事務所から約45メートル離れたアパート屋上に基地局が設置されたのは2006年10月。間もなく妻洋子さん(59)が耳鳴りや動悸(どうき)を感じるようになり、自らも異常を覚え、約4キロ先に転居した。

 周辺では体調不良を訴える住民が相次ぎ、基地局撤去を求める約4100人の署名を市長に提出。住民26人が実際の健康被害を訴え、自覚症状のない4人は将来被害が出る恐れがあるとして、09年に提訴した。

 訴訟で住民側は、岡田さん夫婦ら3人について、「電磁波による愁訴の出現(症状)の可能性が高い」との医師の所見書を提出。「健康被害は日常生活が困難なほど深刻」と主張した。

 これに対し、KDDI側は「電磁波と健康被害の因果関係を示す科学的根拠が存在しないのは、国際専門機関の一致した結論」と指摘。「基地局の電磁波は国の電波防護指針よりはるかに低く、最大でも指針の226分の1に過ぎない。医師の所見も問診だけで判断している」と反論した。

 昨年5月には裁判官3人が現地視察を実施。過去の電磁波を巡る訴訟ではいずれも住民側が敗訴している。

2012年10月17日  読売新聞)
 

 

「見えぬムチ、いつまで」 携帯基地訴訟住民敗訴 宮崎

 

「不当判決」の旗を掲げる弁護団の弁護士=17日午後1時11分、延岡市、上田幸一撮影

 健康被害を訴える住民の声は届かなかった。延岡市大貫町の住民が携帯電話基地局の操業停止を求めた訴訟で、宮崎地裁延岡支部は17日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。「見えないムチは今後も続くのか」。原告の住民らは無念さをにじませた。

 「一縷(いちる)の望みを託した司法が、暴論を並べて請求を棄却した」。原告団長の税理士、岡田澄太(すみお)さん(64)は判決後の記者会見で、憤りをあらわにした。

 夫婦で耳鳴りや不眠に苦しむようになって6年がたつ。肩こりや動悸(どうき)もひどく、自宅にはいられない。ローンを抱えたまま、市内の実家、アパートと転々とした。基地局から40メートルの自宅兼事務所は、症状が出始めた直後から空き家のままだ。

 KDDIが基地局建設を進める2006年10月、婦人会や子供会など電磁波の影響を心配する女性たちを中心に撤去を求める署名運動が始まり、岡田さんも加わった。ひと月で4千人分以上が集まったが、当時は大企業に直接提出することはできなかった。「そんな小心者が、ここまで闘ってきた」

 基地局が建てられたマンションの家主に土下座し、KDDIに抗議し、国にも相談した。市の健康相談も実施されたが、状況は変わらず、裁判が最後の手段だった。

 住民の中には、悩んだ末に「裁判は無理だ」と告げてきた人がいる。「友達が来なくなる」「家が売れなくなったらどうする」。住み慣れた町が「生存闘争」の現場になったことに反発する声も、根強くある。

 それでも、岡田さんの「闘争」を続ける決意は固い。「私たちは日夜、見えないムチでたたかれている。裁判を始めた時、撤去が確定するまではやめないと、腹をくくったんです」

 原告に加わる建設会社経営の西本幸則さん(57)は「絶対に勝つと思っていた。現実に被害が起きているのに。自殺者が出るとかもっと深刻な被害がなければ、司法は受け止めてくれないのか」と憤った。

 基地局の真向かいに住む原告の一人、自営業の西田雅男さん(69)は敗訴と聞いた時、「頭の中が真っ白になった」。頭痛と耳鳴りがするなか、判決を聞きに来た。「こんなにあっさりと否定されるとは」。3年近く続く裁判で、心身ともに疲れ切ったといい、「控訴に加わろうにも体が持つだろうか」とうなだれた。

 基地局から80メートル以内に住み、顔の神経痛や耳鳴りなどを訴える原告女性(58)は「予測はしていた。結局、先頭に立って物事を変えていくのは簡単ではないということ」。淡々と話しつつ、結審から8カ月かかったことに、「いつの間にか5年がたち、どんどん被害者が増えてきた。こういう結果ならなんで待たせたの」と不満を漏らした。

■実態調査を

 《解説》 17日の宮崎地裁延岡支部の判決は、基地局の電磁波による健康被害は認めなかったものの、症状の存在を初めて認めた。国などは、住民たちの訴えをくみとり、実態と原因を調査していくべきだろう。

 住民たちはこの6年間、実際に苦しみ続けてきた。「電磁波から逃れるために」と寝室の壁にアルミ板をはった住民もいる。判決はこうした点を根拠に症状の発生を認めた。

 一方、判決は「住民の中には」と限定しながら、「電磁波の健康への影響を意識したことから症状を重くとらえた可能性がある」などとして、健康被害との関係を認めなかった。ただ、この認定には「では、電磁波が原因で症状が出た人はいないといえるのか」という疑問は残る。多くの人に出た「鼻血」という他覚的な症状の原因にも判決はふれていない。

 電磁波と健康との関係は科学的にはまだ研究途上だ。そうした中、国内外で原告たちのような「電磁波過敏症」の症状を訴える人たちは増えており、症状の存在は世界保健機関(WHO)も認めている。国や携帯電話会社は「健康被害」の訴えをただ否定するのではなく、真摯(しんし)に向かうべき時がきているのではないか。(大畠正吾)

 
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