”黙殺の音”低周波音 silent killer

サイト「黙殺の音 低周波音」http://yatanokarasude.gozaru.jp/tei/tei.htm

風力発電事業者にとって極めて好都合な事実

2008-07-21 17:07:13 | 風車被害

 

「風力発電導入ガイドブック」の詐欺的記載

 風力発電施設には多くの利点がありながら、同時に幾つかの欠点がある。その中で直接人間に被害をもたらすのは騒音被害であるが、これは決定的な欠点である。風力発電施設が発する“騒音”には2種類有る。①人間にハッキリ音として聞こえる160Hz前後の音と②人間には具体的な音としては聞こえにくい、空気圧として感じる数Hz以下の超低周波空気振動である。

 ②に関しては「聞こえない音では人間には被害は生じない」と言う全く被害の現状を無視した“科学的理論“により法的規制は全く無い。①に関してはザル法に近く、現実的な規制力が無いわけではないが、殆ど無い様な、「騒音に係る環境基準」として一応法的規制がある。この規制に基づいて風力発電施設で規制らしきモノを謳っているのが「風力発電導入ガイドブック」なのだが、そこには素人を意図的に誤解に導くような記載がある。

 国は風力発電事業を推進させるために、風力発電事業者に補助金を始め可能な限りの“援助”を尽くすのだが、この手助けをすると同時に仕切るのがNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構New Energy and Industrial echnology Development Organization)である。
 ここが発行する「風力発電導入ガイドブック(2008年2月改訂第9版)」は風力発電事業者並びに関係者の謂わばバイブルみたいなモノだろうが、これには風力発電事業開始に際しての様々な事が210ページにわたり述べられている。その殆どは風力発電事業者自体のための内容であり、一般人との関係と言うことになると、騒音問題だけである。その騒音関係に絞って見るとおよそ5ページあるのだが、内容としては、次の2点になる。

① 「騒音に係る環境基準」の中の45dBをクリアしろ

②そのためには、「騒音レベルの目安」である「図4.2.19 風車騒音の距離減衰例」を参考に住宅との距離を確保しろ。

 冊子の中で正味この2点だけが風力発電施設の騒音問題を縛る点である。

 ①は騒音問題の最低限の基本中の基本なので外すわけにはいかない。風車建設地域は大抵「A:専ら住居の用に供される地域かB:主として住居の用に供される地域」と見なされている地域なので夜間45dBとなる。

 風力発電施設は広範な地域を要するので、最低でも半径200m地域に住宅が密集するような地域に風力発電施設が造られることは現実問題としてまずない。従って、AB地域と言っても、人家はまばらな場所に限定される。そういった地域は、元々、日常的には昼間でも40dBを下回る静かな地域であることが少なくない。

 そんなところに突然風車が造られて365日24時間風車騒音が撒き散らされても「このレベルの騒音は法律的には問題無い」と言われたら、あなたは素直に納得できるであろうか。

 この「例」を単純に風車建設地に当てはめると風車は住宅から200m~300m離せば「騒音に係る環境基準」をクリアすることになる。
 しかし、ここで注目してほしいのは、図にもあるように、これはあくまで「風力出力:800kW,ハブ高:50m」の場合の単なる「一例」であると言うことだ。現実には機種、地形、風況によって異なるはずであるから、どんな場合でも200m~300m離せばOK等と言うことになるはずはないのである。問題はあくまで距離ではなく、音なのである。もちろんその音自体も問題なのであるが敢えて今回はそれには触れない。

続きは

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