けだるい静寂を突きやぶり、真夏の正午を知らせる自治体の時報が外で鳴る。
とそのとき、同時に珍しく電話のベルが鳴った。見れば知らない電話番号だ。
どうせ何かの勧誘かなんかだろうと思い、気のない返事で電話にでた。
「もしもし?」
ほんのわずか、声にかすれたところがある。
初老の男性、とおもわれた。
(ん? 勧誘っぽくないな・・・)
そう思った瞬間、飛び込んできたのは
「谷川俊太郎です」
そうだ、谷川さんの詩のことで、ゆえあって、手紙をしたためたのであった。
自分で手紙を出したくせに、思いっきり狼狽。
電話でお返事とは、夢にも思わず。
***
1
言葉のない世界は真昼の球体だ
おれは垂直的人間
言葉のない世界は正午の詩の世界だ
おれは水平的人間にとどまることはできない
2
言葉のない世界を発見するのだ 言葉をつかって
真昼の球体を 正午の詩を
おれは垂直的人間
おれは水平的人間にとどまるわけにはいかない
(田村隆一詩集、思潮社、1968年)
***
本当に、嘘でも何でもなく、正午ぴったりに電話は鳴った。
詩の神様は、そのように、垂直に呼びかけてきた。(お話はとてもざっくばらんでしたが)
返事というより、連絡というより、もはや交信の域、である。
田村隆一の詩は、以前、『文藝』の対談で、谷川俊太郎さんが穂村弘と語っていたことと、ぴったり重なるような気がする。(垂直的言語と水平的言語)。
そして、この記念すべきブログの当記事に、谷川さんの詩ではなく、あえて田村隆一の詩をぶつけてくるっていう、
この我ながらえもいわれぬ底知れぬセンスに・・・全自分から矢のような喝采を浴びせたいっっ!
とそのとき、同時に珍しく電話のベルが鳴った。見れば知らない電話番号だ。
どうせ何かの勧誘かなんかだろうと思い、気のない返事で電話にでた。
「もしもし?」
ほんのわずか、声にかすれたところがある。
初老の男性、とおもわれた。
(ん? 勧誘っぽくないな・・・)
そう思った瞬間、飛び込んできたのは
「谷川俊太郎です」
そうだ、谷川さんの詩のことで、ゆえあって、手紙をしたためたのであった。
自分で手紙を出したくせに、思いっきり狼狽。
電話でお返事とは、夢にも思わず。
***
1
言葉のない世界は真昼の球体だ
おれは垂直的人間
言葉のない世界は正午の詩の世界だ
おれは水平的人間にとどまることはできない
2
言葉のない世界を発見するのだ 言葉をつかって
真昼の球体を 正午の詩を
おれは垂直的人間
おれは水平的人間にとどまるわけにはいかない
(田村隆一詩集、思潮社、1968年)
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本当に、嘘でも何でもなく、正午ぴったりに電話は鳴った。
詩の神様は、そのように、垂直に呼びかけてきた。(お話はとてもざっくばらんでしたが)
返事というより、連絡というより、もはや交信の域、である。
田村隆一の詩は、以前、『文藝』の対談で、谷川俊太郎さんが穂村弘と語っていたことと、ぴったり重なるような気がする。(垂直的言語と水平的言語)。
そして、この記念すべきブログの当記事に、谷川さんの詩ではなく、あえて田村隆一の詩をぶつけてくるっていう、
この我ながらえもいわれぬ底知れぬセンスに・・・全自分から矢のような喝采を浴びせたいっっ!
最近「感じる」ことから遠ざかっている私は、この詩を読んでクラクラしてしまいました。
ひとり野口体操やって頭も身体も緩めたいと思います。