Tousei Style

IKEBANAの事や音楽の事、友と酒や海の事

常念岳より その2

2008年08月13日 | 旅行記
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常念乗越より 御来光
松本平は雲海に包まれていた


当初の計画では小屋について荷物を置き
その日のうちに常念岳山頂を目指す予定だったが
ど素人二人には
小屋にたどり着くのが精一杯だった

何はともあれ
部屋の布団でひっくり返った

山小屋のせんべい布団はまさに極楽そのものだった


一休みをしてホールに降りると
みなビールなど片手に談笑していた
驚く事に年輩の方が多い

見知らぬ者同士が

その日の苦労や今までの山自慢などを語り合っていた

燕岳から縦走して来た人は尾根で落雷にあい
荷物を尾根に残し、激しい雨の中,
はい松の影に1時間ほど潜んでいたと云う
でもそんな話しも不思議と誇らしげだ



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情念小屋の夕食

夕食の前、そんな人達にまぎれ
とりあえず日本酒を一合飲んだ
そして夕食を食べながらもう一合
二組の年輩のカップルと同席し
皆さんの山の話しに僕たちは相槌を打った



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情念乗越より見た常念岳山頂
だと思っていたら
山頂は更にこの先だった


朝食を済ませ
僕らはのんびりと出発した
あとは山頂を目指し
前常念岳経由で三股に降りるだけだ


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八合目より情念小屋を見下ろす
すでに僕たちはここまで登るのに1時間近くかかっている

この頃には
すでに登頂をし降りて来る人達と結構すれ違った


そして
ついに常念岳山頂が見えた
時折強い風が吹く
僕たちは岩陰を見つけては
休み休み登った

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そして8時
僕らは常念岳山頂にたった
正確に云うのならば
僕たちは常念岳山頂の岩に
しがみついたと云うべきかもしれない(笑)


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えらく細かい事を言えば
積み重ねられた石の左側にある岩が
この山のてっぺんだ~
なので恐らく
常念岳山頂に立った人はいないのかもしれないな(笑)
勇気があれば
この岩の上に立つのもいいが
転げ落ちる可能性は
かなり高い

頂上は岩だらけ
こんなふうに岩を積み上げたのは
きっと山の神様の仕業だな
と思うほどだ


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ここから蝶ケ岳に行くか、あるいは小屋に戻り
燕岳に行くのが一般的なようだが
僕らど素人はいち早く下山をし
浅間温泉を目指すのでした



山頂より
三股への分岐点まで下り
前常念岳への尾根を歩く

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岩にペンキで描かれた
○や→や×印だけを頼りに
歩いて行く


常念岳を振り返る
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前常念岳山頂

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ここからはひたすら下って行く
こんな岩場を・・・

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これは下を見下ろした図だ~


尾根を歩いていた時
高度計をぶら下げ、短パン姿の若者とすれ違った
そして彼は常念岳に登り
ここでまた僕らを追い抜いて
走るようにこの岩場を駆け降りて行った

彼に聞くと2,300メートル辺りから樹林帯に入るので
この岩場はあと300メートルほど続くと
高度計を確かめながら教えてくれた


こんな岩場を降りて来た

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突然きりに包まれたりもする

岩場を何とか抜け
はい松だらけの細い道を抜ける
腰掛けると頭だけが見える
水を飲んで一休みすると
10メートルほどの距離に生き物の気配がするが
それが何だかは判らない
おそらく雷鳥なのかもしれない

熊ではないのは判る

岩場さえ抜ければ

思っていたら
やはり
ど素人の考えは甘いのだ~



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ランボーが潜んでいそうな
こんな道が果てしなく続く事になる

思わず僕はえっちゃんに
これって楽しい?
と聞いた
当然意見は一致した
じゃ
もう帰ろうか~
なんて
とぼけた会話を楽しんだ

すでにお昼はだいぶ前に過ぎていたけど
ほとんど食べ物を食べていなかったのに気付き
軽く食事を採った


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足下にはこんな花のようなものが咲いている


「さぁ行くぞ~!しゅっぱ~つ ローレン ローレン ロレ~ン♪」
山中に響くように大きな声で歩き出す
が5分もすると
「まだ~」なんてとぼけた会話に変わる


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倒れた木の根
このまま持ち帰って
花展に出品したいくらいだ


しばらくして
沢の音が聞こえて来たときは嬉しかった
どこか辺りも幾分明るい


三股下山口に到着
もうダメ~
立ってるのがやっと~の図
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早くおうちに帰ろ~


何で山に登るのかと考えると
そりゃ
家に帰るためだな

つくづく思うのでありました


帰りのタクシーは安曇野の田んぼの中を
心地よく走り
我が家へと向かうのでありました
振り返ると常念岳は雲の上に
ポッカリと浮かんでいました
えっちゃんはとなりで気持ち良さそうに
眠っていました