カプアン通信

生体販売を考える




今回は、商売としての犬の繁殖について考えます。

猫の繁殖については勉強不足なので、
すみませんが、今回は犬の繁殖に限ってのお話をします。


犬の繁殖家は大きくわけて2種類に分れると言われています。

ひとつは、「シリアスブリーダー」

箇条書きでその特徴を列挙します。

●ある犬種に惚れ込み、その犬の良さを伝えたいとの思いで真面目にブリードをしている
●通常扱う犬種は1種類、もしくは数種類
●犬種の流行に左右されない
●繁殖犬には無理をさせず、交配回数を絞る
●子犬の飼育環境にも配慮する
●病気や遺伝疾患や健康管理について研究熱心

もうひとつは「パピーミル(子犬工場)」です。

●主に、犬はお金儲けの道具と考える
●流行りに敏感で、流行っている犬種にすぐ飛びつく
●扱う犬種は見境なく、数十種類の犬種を扱うこともある
●繁殖犬が健康を害しても、繁殖を無理に行い、
繁殖犬としての価値が無くなったら、捨てることもある
●金にならなくなった犬の健康に注意せず、そのまま病気で亡くなることや
捨てることもある
●病気や、遺伝疾患や健康管理について無頓着


すべての繁殖家が、シリアスブリーダーならいいのですが
残念ながら、日本国内流通されている子犬の多くが、
パピーミルで生まれている懸念があります。



世界一の動物愛護の国といわれるドイツでも
近年、パピーミルの関与が疑われる、ネットを通じた子犬販売が増えはじめているそうです。

ドイツ動物保護連合などが中心に、テレビCMや、ドキュメント番組などで、大掛かりな
不買運動を展開しています。

ドイツでは、生体展示販売が法律で禁止されているわけではありませんが
長年、さまざまな団体の働きかけによりタブー視されていたことや
繁殖や販売方法に関して厳しい規則があり、ビジネスがなりたたないと言われてましたが、
昨年、ドイツ西部の街に世界最大と自称するペットショップ「Zoo Zajac」がオープンし
子猫・子犬の生態販売をはじめました。

これに対し、
動物の販売を行う業者が加盟する、ドイツ動物専門販売店中央連合会(ZZF)では
子犬の養育問題や、子犬の出生が不明であることなどの理由で、生体販売を強く反対しています。

また、日本のジャパンケネルクラブ(JKC)に相当する、ドイツ家庭犬協会(VDH)も、
会員ブリーダーに対し、この店に子犬を卸す事を禁止し、違反者は除名することにしました。
「Zoo Zajac」は東欧から犬猫を仕入れていると疑われています。

ドイツの場合は、日本のパピーミルのように、繁殖環境や、繁殖犬の福祉だけを
問題にしているだけでなく
子犬を金儲けの「商品」として扱うこと自体「倫理観」の問題として反対しています。

そして、ドイツのマイクロチップの登録団体や、VDHや、獣医師連合会などが
「子犬は商品ではない!」というキャンペーンを展開しはじめています。




世界最古の動物愛護王国イギリスでも、大手動物保護団体Dog Trust
子犬の大量生産反対運動「BATTERY FARMED DOGS CAMPAIGN」を大々的に行いました。
(BATTERY=バタリーとは、鶏のバタリー飼育のことですが、犬の繁殖のことを、
狭い檻の中で産卵させる方法になぞって呼んでいるそうです)




さて、わが国でも、動物の展示販売や、パピーミルに疑問を持つ愛犬家が多いですが

動物医療の現場の経験があり、犬にかかわる商売(グッズ販売、トリミングサロン)をしながら
繁殖犬の福祉に疑問を持ち、ちばわんの預かりボランティア、トリミングケアボランティア
を行っているBLOOMの斉藤さんが中心になり
このたび、多くの人に生体販売や、生体展示販売の現状を考えてもらうための、
スローガン募集はじめました。

http://www.facebook.com/events/310622335706774/

締切りは4月14日(日)
のちほど、ちばわんメンバーの選考でスローガンを決めたうえ、
ポスター、チラシ、バナーなどを使ったキャンペーンを行うことを考えています。

生体販売禁止というと、過激な意見に聞こえるかもしれませんが、
注目を集めるため、あえてラジカルな言葉を使いました。
すぐには、ドイツやイギリスのようになれるわけではありませんが
声をあげていかないと、「変化」は期待できないと思います。

斉藤さんは、シリアスブリーダーは動物愛護団体とも共存できる存在との意見であり
あくまでパピーミルの根絶を訴え、消費者とペットショップの意識を変えていきたい。
と考えています。


追記
作家の渡辺眞子さんが毎日新聞のエッセイ「しっぽの気持ち」に、生体販売について
とてもわかりやすいコラムを書いてました。
ご紹介します。 →「成熟した姿示そう」渡辺眞子


【ポスター】
PDFファイルは、こちらのページからダウンロードできます。




【告知バナー 320 x 120 pixel 】
賛同してくださる方は、ご自由にお使いください。使用のお断りはいりません。リンクが可能な場合は、
http://www.facebook.com/events/310622335706774/ 
にお願いします。




【告知バナー 320 x 180 pixel 】
賛同してくださる方は、ご自由にお使いください。使用のお断りはいりません。リンクが可能な場合は、
http://www.facebook.com/events/310622335706774/ 
にお願いします。





今回の記事は、
どうぶつ病院診療日記「シリアスブリーダーとパピーミル」
dog actually「ドイツの『心ない販売者から子犬を買わない』運動」
を参考にさせていただきました。







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ちばわんいぬ親会ねこ親会のおしらせ

第167回ちばわん定例いぬ親会

2月17日(日)12:00~15:00  江戸川河川敷 篠崎緑地にて開催!
参加予定わんこなどの詳細は↑上記バナーをクリック!

3月のちばわん品川ねこ親会いぬ親会

3月3日(日)12:00~15:00  品川区ウエルカムセンター原・交流施設にて開催
参加予定にゃんこわんこの詳細は後日、ねこ親会ブログおよび
品川いぬ親会ブログに発表されます。

コメント一覧

カプアンパパ
ぽぽん&ひよりママさん
私もアンジェロに会う前に、2つの団体の保護犬とお見合いをして、2度とも破談しています。
アンジェロとは3度目の出会いの犬でしたが
今度こそ家族にする、という決意で、ボランティアさんに頼まれる前に、自己アピールのアンケート用紙をお送りしたのを思い出しました。預かりさんには驚かれましたが、熱意は伝わりました。

保護ボランティアさんは、団体ごとに譲渡条件も違うでしょうし、ひとつの団体でも、預かりさんによって考えが微妙に違うこともあると思います。
ちばわんの例でいえば、ほとんどのボランティアさんは、仮とはいえ、預かり犬を自分の家族のようにお世話をしていて、自分の娘を嫁に出すような気持ちで、譲渡後の幸せを願っている人ばかりです。
なので、縁談が成立すれば、預かりさんと譲渡先の家庭とはその後も親戚のようなつきあいが続くケースを多く見てきました。
しかし、希望の犬を譲渡してもらえなかった希望者さんの落胆さも理解できます。
みんな気をつけているはずですが、保護ボランティアが、悪い印象をもたれないように気をつけたいと思います。
ご意見ありがとうございました。
ぽぽん&ひよりママ
システム
たびたびすみません。聞いてきたばかりの話を追記です。
犬散歩でよくお会いする方に、「保護犬、増えてほしいの~」とおしゃべりしたらこう答えられました。

「うちは前に行ったけれど、希望だしたけれど、ダメだった」。「欲しいとか、ちゃんと飼うとか、アピールしてもらわないとダメです、と言われた」。「そんなの私、だめだもの」。「それ以来、保護団体は行っていないの」。

朴とつとした、無口な方なのです。でも優しくて、先代のワンちゃんは学校に捨てられた子の直接引き取りでした。

これ以前にも二件それぞれ別の方から、「保護団体はお高くて…」、「あなたには無理ですとか言われたり、ね」と、聞いたことがあります。

いずれもお散歩をかかさず、ワンちゃんをとても可愛がっておられる方々です。
私には良識ある方々だと感じられますので、残念としか言いようがありません。

譲渡する時、相手の方を見定めるのはとても大事とは思いますが、必ず複数人で見守るなどなど、より工夫をお願いできればと感じています。
小さな噂が保護団体全体への誤解・警戒を生んでしまってはもったいなさすぎます。

「保護団体と言っても色々なところがありますから。もし次にとお考えならうちもアドバイスできるから」と、おしゃべりを重ねてきました。
小さい小さい運動でも、何とか少しずつ実れば。
カプアンパパ
yumi-ginoさん
スローガン募集の情報拡散ありがとうございます。
ぜひ、多くの方に参加していただき、勢いのある運動になって欲しいと思います。

パピーミルの取材動画のご紹介ありがとうございました。
アメリカもひどい場所がありますね!
でも、こうやって著名人も、動物愛護活動に参加しているところがアメリカのすごいところですね。
日本も、世間に影響のある著名人などが、こういう活動にどんどん参加して欲しいと思います。
カプアンパパ
ぽぽん&ひよりママさん
今回の「しっぽの気持ち」は、スローガン募集の内容とリンクしていて、ちょっと驚きました。
私がうまく言えなかったことを、渡辺眞子さんがとても上手に語ってくれました。
真面目なブリーダーから純血種犬を買うことは、否定されることではありません、ただ、世の中の人に、飼う人がいないだけで処分される犬たちのことももっと知ってもらいたいと願っています。
保護犬を家族にした人も、保護ボランティアをやっている人にも、純血種犬が好きな人はたくさんいます。同じ愛犬家だと思います。
保護団体は、どうしても、飼い主より保護犬の幸せを第一に考えますので、意見が合わないこともあると思います。もっと保護犬の譲渡というシステムについて正しい情報が広まる必要がありますね。
保護犬についてのアドバイスありがとうございます。
yumi-gino
ミクシィのほうでスローガン募集の件を
つぶやいたところ、文才のある知り合いが
早速応募してくれました。
選ばれるといいな~と思います。

ちょうど、ハリウッド女優のシャーリーズ・
セロンがリポートしているこんな映像
(仔犬工場の現状について)を見つけました。
http://www.youtube.com/watch?v=kScoSuT5f00
是非ご覧になってみてください。

ぽぽん&ひよりママ
犬を飼おうと思ったら
毎日新聞の「しっぽの気持ち」、主人がFBに掲載してくれました。
うちの方では愛犬家が多いのに、保護犬はほとんど見かけません。理由は二つあり、まずペットショップが身近に幾つもあり、気軽に買えること。次に、友人たちからもれ聞こえるところによると 保護団体への評判が、この辺ではあまり良くないようなのです。

私たちも二番目の仔を頂く時は大変だったし、わからないではないのですが、一つ二つの噂だけに振り回され「引き取りは面倒くさいから」で終わってしまってはとても残念。
犬を飼おうと思ったら保護犬のことを思い出して、「私達もアドバイスしますから」、と私もFBに今書きこみしてみたところです。少しでも輪が広がりますように。
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