カプアン通信

ただすべき問題


前回に続き、パブリックコメントについてのお話です。

今回は、「動物販売の適正化」についての意見募集ですが
いいかげんなやり方で、犬猫を産ませて
いいかげんに販売すると
犬猫母子の健康への悪影響だけでなく
いいかげんな飼い方をされて、
捨て犬、捨て猫、処分を依頼される犬猫が減らないと思います。

動物愛護管理法改正の結果は、
かならず殺処分問題にもかかわってくると思います。


前回の改正時(2005年)に、
「8週齢未満犬猫販売規制」の問題は
マスコミ等でも紹介されて、法案は通ると思われましたが
パブリックコメントが募集されると
賛成約200通 反対約10,000通
と圧倒的多数の反対意見が集まったそうで、法案は作られませんでした。
ペット販売業界が組織的に反対に動いたわけです。

すみません。2005年の時点では、
私は、法改正のことも、パブリックコメントのことも知りませんでした。
今回こそは、愛犬家、愛猫家、動物を愛護する人々が
国に意見をちゃんと届ける必要があります。


そこで、具体的な動物販売の問題点ですが
ちばわんも協力・連携をしている
公益財団法人どうぶつ基金さんのサイト
さまざまな意見が紹介されていました。
転記させていただきます。どうぞ参考になさってください。
*青字の文字と写真はカプアンパパが追加しました。


1、インターネットの犬猫の販売を禁止すべき
(理由)
・空輸、陸送による幼齢犬猫の負担。
→子犬を一般の宅急便で送って死なせた例がある
・購入者の犬猫飼養の説明義務が果たせない。
→具体的な正しい飼い方の伝達が難しい
・写真と違う、実際の毛色と違うなどトラブルの原因になる得る。
・道義的に命をワンクリックでやり取りするものでない。
→未成年者(子ども)でも購入可能


ネットオークションの画面。子犬の価格は1円から、もしくはタダ。
動物実験や、殺害目的で買われる可能性もある



2、幼齢犬猫は生後8週齢まで母親と離してはならないと法で規制すべき
(理由)
・犬猫の社会性、健康面から鑑みて生後8週齢まで離すべきではない。
・科学的根拠がなくともイギリス、フランス、アメリカ、ドイツが
法で規制している。 日本の犬猫だけ特別丈夫なわけではない。
・日本では、小さければ小さいほど可愛いと思う風潮から繁殖用犬猫を苦しめ
犬猫の生産工場としている社会問題は諸外国からも指摘され
法で規制しない限りこの問題は解決できない。
・犬猫とも感染症が多く、小売店やペットオークション会場で集団感染がある。
ワクチンは接種すればすぐに効能が現れるものではなく定着まで10日~14日
が必要。母体抗体がある時期は接種しても無効であるのですぐに死亡してしまう。
集団感染を防ぐためにもワクチン定着後、生後8週齢以降でなければ
販売してはならないと法で規制すべきである。


深夜営業のペットショップ。生体販売業界では、ぬいぐるみのような子犬を
「抱かせてしまえば勝ち」という言葉があります。



3、動物取扱業を登録制から許可制にすべき
(理由)
・現在は届出の事項が埋まれば誰でも簡単に登録でき、繁殖が出来てしまう。
それが大きな社会問題になっている。
→素人の気軽な繁殖参加


4、動物取扱業の年齢制限を細目として設けるべき
(理由)
・問題となるブリーダーの共通点として定年後始め、楽して儲けるという意識がある。
犬猫の看護(特に大型犬)、万が一売れ残りなどを終生飼育するとして
70歳代の人間が成し遂げられる事はあり得ない。
また楽して大金が入る職業ではないという今後の問題提起も考えて
60歳以上の登録を認めない年齢制限を設けるべきである。


5、ケージ飼養、広さ、人員の規定を設けるべき
(理由)
・一番問題になっているのはパピーミルと言われてる犬猫の生産工場である。
繁殖用の犬猫を生涯に渡りケージで飼養するのは虐待の定義にあたる。
年に1度、1胎のお産までとする。
5歳以上の犬猫を交配してはならない。
ケージの上にケージを積み重ねない。
→繁殖犬は糞尿まみれになる。
生涯、鉄の網の上での生活を強いられる犬猫は、足を障害し歩けなくなる

同じ犬種などを狭いケージに数頭入れない。
広さはトイレ、食事のスペースを除き、横になり耳の先と尻尾の先がケージに触れてはならない。
犬猫どちらも10頭に繁殖業の人員1人とする。
・数値の曖昧さが現行法で規制できなかった反省点も含め明確な数字が必要である。


ブリーダー崩壊の現場から救助された犬たち
長期間劣悪な環境におかれたため全身糞尿にまみれている



6、生体展示販売を禁止すべき
(*今回の環境省の「案」には入っていないため受け付けられるかは不明)
(理由)
・狭いショーケースに長時間展示され購買欲を煽り深く考えぬまま購入することが
日本の犬猫殺処分の多さの第一原因である。
・欧米の先進国では法で生体展示販売はすでに法で禁止されている。
・深夜営業、移動販売は社会問題になっており禁止すべきである。
6の特記事項
・生体展示販売は全く賛成できないが少なくとも時間制限を設けるべきである。
犬猫の睡眠は重要であり科学的に幼齢の場合約16時間と言われている。
照明は自然照明にし展示時間は最大6時間までと細目に加えるべきである。


7、猫カフェ営業の時間制限を法で規制すべき
(*今回の環境省の「案」には入っていないため受け付けられるかは不明)
(理由)
・猫カフェの開店、廃業が繰り返され近年問題になっている。
・繁華街のふさわしくない場所に朝方まで営業している店もあり
猫の健康面から全く度外視した営業である。
風営法でさえ時間制限があり順守されている中、動物取扱業のみ規制強化がされていない。
猫のストレスや健康を考えれば日照時間に合わせての営業が望ましく
アルコールなどの販売も猫カフェという観念からみて禁止すべきである。


8、ペットオークションの禁止
(理由)
・犬猫の競り市は先進国ですでに問題になっており道義的にも禁止すべき。
・悪質なブリーダーの温床の場であり犬猫が欲しければ直接繁殖者に行くシステムを
今後確立すべきである。
・小売店、仲介者も繁殖者の環境を把握できない。
・感染症の観点から犬猫を集団させる場を設けてはいけない。
・犬猫の親、兄弟、遺伝病など追跡調査が困難である。


9、遺伝病を作り出す繁殖の禁止
(*今回の環境省の「案」には入っていないため受け付けられるかは不明)
(理由)
・近年猫の人気ランキングはスコティッシュフォールドが1位だが
乱繁殖や無知な繁殖による骨形成不全症に苦しむスコティッシュフォールドが増えている。
イギリスではスコティッシュフォールドの繁殖を禁止しており
アメリカではアメリカンショートヘアー、ブリティッシュショートヘアーの交配のみ許可されている。
日本ではブリーダーのモラル、自主規制、自己申告などの曖昧な言葉で血統書が作り出され
またスコティッシュフォールド同士でも繁殖を許可している。
立ち耳と折れ耳という条件だが血統書見る限りでは非常に疑わしい。
消費者の立場から見ても生涯に渡り苦しむ猫を介護せねばならず
遺伝病が出る確率の高いものは法で規制すべきである。
よってスコティッシュフォールド同士の繁殖は禁止しアメリカに習い
アメリカンショートヘアー、ブリティッシュショートヘアーのみと細目を設けるべきである。
・人気が出れば出るほどその品種の乱繁殖が行われ苦しむ犬猫が増えてしまう負の連鎖は
ガイドライン、自主規制、モラルなどでは期待できず厳しい法規制を望む。


10、動物取扱業の指導、勧告の強化
(理由)
・動物取扱業の指導は事前通告では意味を持たない。
特に悪質な場合は抜き打ち検査が当然である。
・むやみに指導回数を重ねても改善が見られぬ場合は速やかに勧告
その勧告が2度目で取り消しをスムーズに行ってもらいたい。
何度も事前通告し同じことを言うのは労力、税金の無駄である。
・現行法では取り消し後2年経過すると再登録が出来るが
年数を引き上げ最少5年、虐待など悪質な動物愛護管理法違反は無期限にすべきである。

以上。


すこし前に、ペットショップオーナーの告白インタビューがありました。
本人も質問者もちょっと乱暴なコメントが多いですが
犬猫販売業界のウラ側が見えるかもしれません。

『「だから私は儲からない」ペットショップオーナーの独白』
Webマガジン 月刊チャージャー






◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
ちばわんお手伝いイベントのお知らせ



「癒しフェア2011 in TOKYO」
http://www.a-advice.com/tokyo/


被災地支援などでちばわんと連携しているみなしご救援隊さんが、
福島で保護されたワンコたちを連れて参加されます。
当日ちばわんスタッフがお手伝いします。

避難区域に取り残された動物達の現状を
知ってもらうためのパネル展も開催します。
7日11:00-11:45みなしご救援隊代表の講演会もあります。
http://egoen.jp/blog/iyashifair/entry/7250

●開催時間:明日8月6日(土)朝10:00時~午後6:00
明後日7日(日)朝10:00時~午後5:00
●入場料:1,000円(中学生以下無料)
●開催場所:東京ビッグサイト
〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1
TEL:03-5530-1111 (代) FAX:03-5530-1222
●主催:株式会社フレイア「癒しフェア事務局」
協力:PHP研究所/サンケイリビング新聞社/地球丸/実業之日本社/
BABジャパン/エルアウラ/NPO法人日本ホリスティック医学協会
後援:TOKYO FM

※8kgまでの犬なら同伴可能です。
※ペットコーナー以外は会場内リード歩行禁止、キャリーバック等による
移動をお願いします。ワンコ用カートレンタルあり(身分証明書必要)


ちばわんとは関係ありませんが
カプアンがお世話になっている先生も講演会に参加されます。


◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
【緊急】迷子犬探しています

数日前にトライアルに入ったばかりのひとみちゃんが
八王子市ゆりのき台で迷子になりました。
周辺の方のご協力をお願いいたします。

ひとみちゃん、本日、無事保護できました。
怪我もありません。
ご協力どうもありがとうございました。




詳しくは迷子ブログをご覧ください。

コメント一覧

カプアンパパ
幸多父さん
リンクありがとうございます。

パブリックコメントの書き方についても、情報を見つけたので
記しておこうと思います。
カプアンパパ
ゆうぴょんさん
フェイスブックへのご紹介もありがとうございます。
わたしは、フェイスブックどころかツイッターもやっておりませんが、糸井重里さんのツイッターによく迷子犬猫情報が載っていて、迷子場所近くの通行人がツィッターを見て、捜索に協力する。ということが行われているのを知ってますので、効果は高いと思います。

ただ、ちばわんのツイッターや、フェイスブックとなると、専任を設ける必要があり、専任スタッフがいるNPO団体などと違い、みなさん仕事も持って空いた時間を見つけてボランティアに・・・と忙しく、なかなか踏み切れないようです。しかし、世の中の流れですので、いずれツイッターや、フェイスブックあるいは違うコミュニケーションを利用することが、きっと当然になるでしょう。
ゆうぴょんさん、ぜんぜん出しゃばってないですよ。貴重なご意見ありがとうございました。
カプアンパパ
フローラママさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
お名前はよく拝見しております。
いつも、預かりボランティアや清掃ボランティア
ありがとうございます。

転載ありがとうございます。
こんど、いぬ親会にうかがったら、
ロンママさんにフローラママさんを紹介してもらいます。
ゆうぴょん
カプアンパパさま、上のコメント、迷子捜索の大変さも知らないで 出しゃばったような事を書いたような気になりました。ごめんなさい。どうぞ、無視してくださいね。
幸多父
分かり易い説明、素晴らしいです!

事後ですみませんが、リンク貼らせて頂きました。
ゆうぴょん
http://blog.goo.ne.jp/yusan2525-1515
カプアンパパさま、詳しくまとめてくださり、ありがとうございます。そしてリンクご承諾ありがとうございます。
先にフェイスブックにてご紹介させて頂きました。反応もきています。今、他の(会社の同志による)チャリテイーも行っているのですが(T-シャツとリストバンド販売をして、東北の子供達を招待するイベント)フェイスブックの力で 沢山の注文を頂いてます。今皆スマフォでFBはすぐ見れて、反応できるので早いです。 ちばわんでもFBのページを作るようにはできませんでしょうか? 迷子の連絡なども早くできると思います。ひとみちゃん、見つかってよかったですね!!
フローラママ
カプアンパパさんへ☆

お世話になります。
ロンママさんちからフローラを迎えましたUです。
清掃で、ご一緒しました、はなこさんのブログ記事から拝見致しました。

変えてほしいことが山積みですね。
私も転載させてください。
いつもご挨拶に伺おうと思い中々お会いできず・・・
また改めてm(._.)m

カプアンパパ
猫の手さん
リンクありがとうございました。

正直言って、捨て犬、捨て猫や、処分を依頼するのは、飼い主が一番悪いと思いますが、飼い主を規制するような法律を作るのは、動物取扱業を規制するより、たぶん難しいと思います。
今回は、とりあえずすべての案がきっちり法制化されて、販売側だけでもきちんとさせて欲しいと思います。
カプアンパパ
あずきママさん
たとえば、8週齢規制問題は、5年前はかならず決まるだろうと思われてましたが、まさかの業界多数派工作で、破棄されてしまいました。
業界にとっては、ぬいぐるみのような子犬が売れなくなるのが一番困ると思ったのか、一点突破で大反対したのでしょう。

愛犬家にしてみれば、なにもかも改善して欲しいものばかりで、なかなか意見を書くのも骨がおれるところでしょう。

私は今回、特に通して欲しいのは、8週齢未満販売規制、繁殖制限措置、インターネット販売規制、移動販売規制、深夜販売規制あたりだと思います。

これらの法案が改正されれば、販売環境はだいぶ改善されると思います。
猫の手
http://blog.goo.ne.jp/10diana01-roro-mook
お忙しいのに、わかりやすくまとめていただきありがとうございました。
リンクさせていただきますね。

人間と同じように喜怒哀楽の感情を持ち、あたたかい赤い血が流れている命です。
モノじゃないんですよね。
ペット業者だけの問題じゃないけど、とりあえずは、ですね。
あずきママ
カプアンパパさん、ペットにとって、とても大事な法改正ですけど、何から手を付けたらいいかとなると、たくさんありすぎて、読むほどに頭が混乱してきます。

業者の許可制はやってほしいものです。業者側の規制を厳しくしないと、愛護センターの収容数が減らないということにもなりますよね。

どの項目をとっても、当たり前といえば当たり前なのに、ペットの命が商品として、工場生産されていて、命として考えられていないのが現実なんですね。

何月だったか、法改正を訴えるデモに行ったことがあります(渋谷)。ほんの数百人でしたが。ネットで署名をしたこともありますが、そんな程度では、あまり効果がないのかな?

パブリックコメントも、書くとなると身構えてしまいます。少し勉強しないとなりませんね。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Change」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事