カプアン通信

平成26年度犬猫殺処分データを読む-2


前回は「殺処分が多い自治体」という、新年早々、暗いテーマでしたが、
きょうは「殺処分が少ない自治体」をご紹介します。

「少ない」といっても処分されている犬猫たちがいます。
けして明るいわけではないのでランキングに「ベスト」とつけるのは躊躇しましたが
施設の職員さんや、個人の譲渡希望者さんや、動物ボランティアさんたちの
努力がないと殺処分を減らすことができません。

そういう意味で、地域の努力に対して「ベスト」としました。

今回も、環境省の細かい数値を、老眼の眼を皿のようにして拾い
電卓を叩いて集計しました。見間違いや誤記があるかもしれませんが
間違いがありましたら、ご指摘いただけると有り難いです。


まずは、都道府県別で最も犬・猫の殺処分が少なかった自治体の発表と
ベストランキングの発表です。

比較のために前年度(平成25年度)データのおさらいをします。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※神奈川県のデータには横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市のデータは含みません。長野県のデータには長野市のデータは含みません。富山県のデータには富山市のデータは含みません。岡山県のデータには岡山市、倉敷市のデータは含みません。石川県のデータには金沢市のデータは含みません。


次に、年末に発表になった平成26年度のランキングです。
今回はせっかくなので、都道府県についてはベスト10まで発表します。
今回も、収容された中で殺処分された割合を計算しました。
数値が小さいほど、努力によって命が救われた犬・猫が多いことを示します。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※長野県のデータには長野市のデータは含みません。富山県のデータには富山市のデータは含みません。新潟県のデータには新潟市のデータは含みません。神奈川県のデータには横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市のデータは含みません。京都府のデータには京都市のデータは含みません。岡山県のデータには岡山市、倉敷市のデータは含みません。栃木県のデータには宇都宮市のデータは含みません。富山県のデータには富山市のデータは含みません。埼玉県のデータにはさいたま市、川越市のデータは含みません。秋田県のデータには秋田市のデータは含みません。滋賀県のデータには大津市のデータは含みません。


25年度と比較するとだいぶ改善していることがおわかりいただけると思います。
とくに猫の殺処分の減少が著しいです。

スペースの関係で収容数は記載しませんでしたが
犬の上記10位までの中では、収容数が多い順に、
長野県714頭、東京都563頭、神奈川県546頭となります。
そう考えると、犬1位の長野県の結果は素晴らしいです。
714頭も収容されて、返還が447頭、譲渡が240頭でした。
(*計算が合わないのは年度をまたいだ繰り入れ繰越があるためだと思います)
処分率2.38%ということは、施設に収容された犬の97.62%が救われたことになります。

猫は、上記10位までの中で、収容数が多い順に、
東京都1,035匹、滋賀県834匹、神奈川県645匹となります。
唯一殺処分率10%台の神奈川県の努力が素晴らしいです。
645匹中、返還は1匹でしたが譲渡が528匹でした。


続きまして、指定都市・中核市のランキングの発表です。
こちらは、収容数が少ないこともありますが
すぐにでも「殺処分ゼロ」が達成できそうな自治体が並びます。
まずは、前年度のおさらいから。



続いて平成26年度の結果。



犬1位の川崎市は、収容数135頭に対して、返還67頭、譲渡69頭でした。
殺処分ゼロ達成!本当に素晴らしいです。

猫1位の相模原市は、収容74匹に対して、返還はありませんでしたが譲渡が69匹でした。
殺処分ゼロ達成!お見事。

しかし、一番驚いたのは、猫の収容1,257匹に対して14匹しか処分されなかった
広島市です。収容された猫の98.89%が処分されなかったことを示します。
(*もしかしたらその14匹も負傷または病気での死亡かもしれません)
ここは、みなしご救援隊の地元ですが、彼らの努力だと思います。
あとで発表しますが、広島市の猫の譲渡数は、なんと1,260匹です!
(*計算が合わないのは、前年度からの繰り入れがあるからです)


では、日本で一番犬・猫を一般譲渡した自治体のランキングを発表します。
まずは都道府県から。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※千葉県のデータには千葉市、船橋市、柏市のデータは含みません。熊本県のデータには熊本市のデータは含みません。広島県のデータには広島市、福山市のデータは含みません。栃木県のデータには宇都宮市のデータは含みません。鹿児島県のデータには鹿児島市のデータは含みません。北海道のデータには札幌市、旭川市、函館市のデータは含みません。沖縄県のデータには那覇市のデータは含みません。長崎県のデータには長崎市のデータは含みません。宮崎県のデータには宮崎市のデータは含みません。新潟県のデータには新潟市のデータは含みません。長野県のデータには長野市のデータは含みません。神奈川県のデータには横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市のデータは含みません。宮城県のデータには仙台市のデータは含みません。岐阜県のデータには岐阜市のデータは含みません。愛知県のデータには名古屋市、豊田市、豊橋市、岡崎市のデータは含みません。


手前味噌で恐縮ですが、やはり自分が関わっている地域の譲渡数が一番なのは嬉しいです。
ちばわんも頑張ってますが、地域の団体や個人ボランティアの皆さんの頑張りの
結果だと思います。
千葉県は猫の譲渡数も全国5位です。
最近ちばわんの引き出しが増えてますので今後に期待です。

前回お伝えした、熊本県の犬の処分数が半減したのは839頭も譲渡されたからです。
何が起きたのか聞いてみたいです。


続きまして、指定都市・中核市。



さきほども紹介しましたが、広島市の猫の譲渡数1,260匹はびっくりぽんです。
都道府県も含め、全国2位の譲渡数です。
全国の他の自治体も広島市のように頑張れば、猫の殺処分は急減するはずです。

次年度平成27年度は現在も進行中です(平成28年3月31日まで)
平成26年度よりず~っと処分数が減っていることを期待します。

わかりにくい説明を最後まで読んでいただきありがとうございました。










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コメント一覧

カプアンパパ
葉月さん
こんにちは。
動物愛護管理法は、2005年(平成17年)に5年を目安に改正が検討されることが決まり、2013年に改正されました。
たしか猫カフェの営業時間などが今年また検討されることになるのでは、と思いますが、すみません。今年の環境省のパブコメについては、まだ情報がありません。
情報を入手したら、当ブログでもお知らせしようと思います。

アークヒルズのマルシェに行かれたのですね。
ブログのリンクありがとうございました。

残念ながら、土曜日はアンジェロの通院があり、そのあとも別の場所にお散歩に行ってしまいました。
今年はどこかでお目にかかれれば嬉しいです。

カプアンママは、洋服ポスト用の洋服の整理がまだ出来てないようです(汗)
葉月
http://ameblo.jp/maple-sugar/
今年は愛護法改正のパグリックコメントの年ですよね。
5年前よりも多くのコメントが集まり
大きく良い方向へ改正されることを祈っています。

9日にアークヒルズのマルシェへ行きました♪
カプアンパパが年末に紹介されていた
洋服ポスト目的です。

事後報告で申し訳ありませんが
昨日ブログをリンクさせて頂きました。

マルシェでカプアンちゃんに会えるかなと
期待していたのですが会えずに残念・・・。

カプアンパパ
はなこさん
Facebookのシェアありがとうございました。

千葉県は、何年前からかは忘れましたが、
もうず~っと犬の譲渡数は全国1位です。
環境省の統計では、25年度も24年度も、譲渡数は1,000頭以上でしたので、
平成26年度はやや減りましたが、それでも他の自治体を引き離して1位です。
迷子犬の返還数も全国トップクラスです。(平成26年度は全国5位/409頭)

施設から救い出す側は全国トップレベルなので
入りの頭数が減れば、たちまち殺処分ゼロになると思うのですが
これが難しいのでしょうね。

平成26年度のデータを見ると、千葉県は成犬の持ち込みが全国ほぼ1位です。(1位 鹿児島県285頭、2位 千葉県284頭)
所有者不明の成犬(捕獲犬など)も非常に多いです。
沖縄県、熊本県に次ぐ3位、1,556頭でした。
成犬を捨てる人が多いのか、迷子が多く、飼い主が探さないのかわかりませんが、この部分が劇的に改善されれば殺処分ゼロも夢ではないと思います。

前の記事で書きましたが、たった5年で、犬の殺処分は
全国ワースト4位から13位へ改善されました。
これからを期待します。
はなこ
わかりやすい殺処分関連のデータ解説、いつもありがとうございます。
楽しみにしている、と言うと語弊がありますけど
自分でただ数字を眺めているよりもずっと理解が進むので本当に助かっています。

今回のデータ解説、いろんな思いがこみ上げてきて、
読んでいて涙が出てきました。
やっぱり自分も少なからず関わっている自治体で、
その成果が上がっている様子を目にすると本当に嬉しいですね。

センターの職員さんだけでなく、
そこに関わる個人や団体のボランティアには励みになりますね。
地域の人々の理解も進んでいると信じたい。
もちろん、まだまだ改善の余地があることですけれど、
引き続きみんなで頑張りましょう!というモチベーションのアップにも繋がります。

「犬猫を1頭ずつ引き取ったところで…」という人もまだまだたくさんいるからこそ
小さな力も集まれば大きな山を動かすことができるというところを見てほしいです。

多くの人に見てほしいので
(多分、環境省のHPまで行ってデータを確認する人はたくさんはいないでしょうから)
Facebookでシェアさせていただきました。
事後報告でスミマセン!
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