カプアン通信

平成26年度犬猫殺処分データを読む-1


昨年暮れ12月29日に発表された「平成26年度犬猫処分データ」
詳しく見てみました。

まず最初に、合計の殺処分数ですが
犬は、平成25年度に28,569頭だったのが平成26年度は21,593頭になり
前年度に比べ6,976頭減りました
猫は、平成25年度に99,566頭だったのが平成26年度は79,745頭になり
前年度に比べ19,821頭減りました
犬猫合計は、平成25年度に128,135頭だったのが平成26年度は101,338頭になり
前年度に比べ26,797頭減りました

着実に減ってはいますが、まだ10万頭以上の悪い意味での高水準です。
平成元年頃、つまりつい最近まで年間100万頭以上殺処分されていたことに比べれば
だいぶ改善されましたが、まだまだです。

では、どの地域の処分数が多いのか、
環境省の「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況(都道府県・指定都市・中核市)」
を細かく見てみましょう。

細かい数字を老眼で拾い、電卓を叩いたので、間違いもあるかもしれません。
間違いがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。


まず自治体別の処分数ランキングをご覧ください。
比較のために、平成25年度のデータを最初に掲示します。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※香川県のデータには高松市のデータは含みません。沖縄県のデータには那覇市のデータは含みません。広島県のデータには広島市、福山市のデータは含みません。熊本県のデータには熊本市のデータは含みません。山口県のデータには下関市のデータは含みません。鹿児島県のデータには鹿児島市のデータは含みません。愛媛県のデータには松山市のデータは含みません。千葉県のデータには千葉市、船橋市、柏市のデータは含みません。長崎県のデータには長崎市のデータは含みません。兵庫県のデータには神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市のデータは含みません。福岡県のデータには北九州市、福岡市、久留米市のデータは含みません。宮城県のデータには仙台市のデータは含みません。


つぎに、今回発表になった平成26年度のデータです。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※香川県のデータには高松市のデータは含みません。沖縄県のデータには那覇市のデータは含みません。広島県のデータには広島市、福山市のデータは含みません。山口県のデータには下関市のデータは含みません。長崎県のデータには長崎市のデータは含みません。愛媛県のデータには松山市のデータは含みません。熊本県のデータには熊本市のデータは含みません。福岡県のデータには北九州市、福岡市、久留米市のデータは含みません。鹿児島県のデータには鹿児島市のデータは含みません。愛知県のデータには名古屋市、豊田市、豊橋市、岡崎市のデータは含みません。千葉県のデータには千葉市、船橋市、柏市のデータは含みません。兵庫県のデータには神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市のデータは含みません。福島県のデータには郡山市、いわき市のデータは含みません。


パッと見て、処分数が各県ともかなり減っていることに気づきます。
犬についてはだいたい200~400頭くらいでしょうか。
猫はどの県も500匹くらい減っています。

犬のワースト1位~4位は変動がありませんが
平成25年度5位だった熊本県が1,303頭から725頭へほぼ半減しました。

平成25年度猫のワースト1位だった兵庫県も
3,221匹から2,085匹と、1,000匹以上減らしています。

そのわけは、データ上に見つけましたが、後でお伝えします。


千葉県について言うと
犬は11位から13位へ。猫は8位から7位になりました。



2011年に、私はこんなポスターを作りました。
平成21年度のデータを基に作ったものですが
当時の犬の殺処分は全国ワースト4位。犬の殺処分は全国ワースト1位。
犬猫合計の殺処分も全国ワースト1位でした。
「8,556」という数字はその殺処分の数です。
※環境省のデータではなく、ALIVEさんのデータです。データ利用の承認をいただいています。

5年後にあたる平成26年度は合計2,634頭になります。
まだまだ多い数字ですが、5年で1/3以下。6,000頭近く減らすことができました。


今回、殺処分のワーストランキングで、もうひとつ調べたことがあります。
それは、収容された犬猫は何%くらいが処分されてしまったのか
言い換えれば、救う努力をしたのはどの自治体だったか。です。

もちろん、収容数を減らせば、処分も減らせます。
しかし、仮に収容が多くても、迷子犬猫が多い場合
飼い主さんが見つけてくれれば、処分される犬猫は減ります。
そして、もちろん大きいのは一般譲渡です。
センターで譲渡会を開いて新しい飼い主さんに譲渡したり
保護団体などに積極的に譲渡すれば
収容数が減り、処分される犬猫は減ります。

おおまかに計算するには、飼い主からの引取り+所有者不明の引取り(捕獲など)で
その年の収容数を計算し、殺処分数を収容数で割れば、
何%が処分されたか目安になる数字が出ます。
例)[殺処分数80頭]÷[収容総数100頭]=0.8(殺処分割合80%)

ただし、10頭しか収容されなくても10頭全てを処分すれば100%です。
あくまで参考のために、処分数が多かった上記、犬ワースト13までの自治体と
猫ワースト10の自治体のみ調べました。それが以下の表です。

自治体名の隣の数字が収容数。右端が収容中何%が処分されたかを示します。
※実際には、前年度からの繰越や翌年度への繰越、収容中の死亡もあり
厳密な数値ではありません。


(※2016年1月13日追記)
※「県」と表記しているのは、地域としての県全体の集計データではありません。
※香川県のデータには高松市のデータは含みません。沖縄県のデータには那覇市のデータは含みません。広島県のデータには広島市、福山市のデータは含みません。山口県のデータには下関市のデータは含みません。長崎県のデータには長崎市のデータは含みません。愛媛県のデータには松山市のデータは含みません。熊本県のデータには熊本市のデータは含みません。福岡県のデータには北九州市、福岡市、久留米市のデータは含みません。鹿児島県のデータには鹿児島市のデータは含みません。愛知県のデータには名古屋市、豊田市、豊橋市、岡崎市のデータは含みません。千葉県のデータには千葉市、船橋市、柏市のデータは含みません。兵庫県のデータには神戸市、姫路市、西宮市、尼崎市のデータは含みません。福島県のデータには郡山市、いわき市のデータは含みません。


この図表からいろんなことがわかります。

犬のワースト1位茨城県は例年処分数が多いことで有名ですが
実は、返還数・譲渡数がとても多く、収容中処分されたのは約67%
3割以上の命が救われています。
逆に、香川県は返還数・譲渡数とも少なく、収容された犬のおよそ9割近くが処分されてます。

千葉県は、犬については約30%と
収容された犬の約7割の命が救われるようになりました。


猫についていえばどの県もかなり厳しく、
ワースト7位の福島県までは収容された猫の9割以上が処分されています。


表を見ていて、意外なことに気づきました。

最初に示したとおり、猫の殺処分数は犬の3.5倍以上あるので
きっと猫の収容も多いのだろうと思ってました。
しかし実際には、猫の収容が最も多かった山口県で2,676匹
犬の収容の最も多かった茨城県で2,568頭とほとんど差はありません。

偶然ですが、上記表の犬の4位の茨城県と、猫の4位の愛媛県は
ともに2,568頭で収容数が同じです。
しかし、猫の場合、返還数・譲渡数とも犬よりかなり少ないため
茨城の犬の処分は1,728頭 愛媛県の猫の処分は2,448匹と差がついてしまいます。

実は猫はほとんど返還されません。
自治体別のデータを見ると0や1という数字がずらり並んでいて驚愕します。
これは、収容の大部分を飼い主のいない「野良猫」が占めていることを示します。

ざっと見る限り、譲渡数の多い県は、処分数も少なく
ここに出ているような県や市は譲渡数も少ない場合が多いのです。

ただし、猫の処分数ワースト7位だった千葉県は、譲渡数が全国で5位という
優秀な活動のため、処分割合8割未満と、このランキングでは
最も処分割合が低くなっています。


長くなったので、次回に続きます。

次回は、処分の少ない自治体や、譲渡数の多い自治体など
がんばっているエリアのご紹介をする予定です。






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コメント一覧

茨城人
完璧すぎるほど完璧な注釈で恐縮しました。
お騒がせしました。
ありがとうございました。
カプアンパパ
茨城人さん
たしかに、「都道府県」と書かれていれば、地域全体のことだと思う人もいるでしょう。

「県全体ではありません」という注釈と、県という表記には市のデータは含んでいません。という注釈を追記させていただきました。

ご指摘ありがとうございました。
茨城人
自治体という言葉
再々度ですみません。

単に、「自治体別」 としか書いてないので、受け取る人によっては混乱が生じるおそれがあるかと。

お答えにあるように、都道府県=地域ではなく、県もそれに含まれる市もどちらも自治体だから。
カプアンパパ
茨城人さん
香川県全体の殺処分数と、茨城県全体の殺処分数を比べたら、そうかもしれませんが、環境省のデータは地域別ではなく、所轄の自治体別で集計しています。
そのため、掲載したランキングは地域別ではなく、所轄の自治体別で作りました。
たとえば、平成25年度の猫のワーストランキングの9位と平成26年度の猫のワーストランキングの8位は大阪府ではなく、大阪市です。
地域別のランキングを作るには、110自治体のデータを地域別に集計する必要があり、正しい集計ができる自信がないのでご容赦ください。
茨城人
そうだから
うん、そういうこと。
だから、平成25年・26年の、犬処分ワースト1と2は、香川と茨城が逆になるのではないか?
つまりこの香川県の数字には香川県の高松市の数字が合算されてないから。
カプアンパパ
茨城人さん
コメントありがとうございます。
説明不足ですみません。環境省のデータは、都道府県のデータに、政令指定都市および中核市のデータは含んでおりません。
例えば、千葉県のデータは千葉市、船橋市、柏市のデータを含みません。神奈川県のデータは横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市のデータを含みません。
大阪府より大阪市の猫の処分数が多いことや、広島県より広島市の猫の譲渡数が多いことでもわかります。
茨城人
データの読み方
 香川県のデータは、高松市と合算するのが正確ではないのか?
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