毎年環境省で発表している犬猫殺処分に関するデータは
当該年度が終って、次の年度の12月~2月頃に発表されることが多いようで
そろそろ発表されたかな?と思って
グーグルで「平成25年度犬猫殺処分データ」と検索すると
拙ブログの「平成24年度犬猫殺処分データ」や
「平成23年度犬猫殺処分データ」が検索上位に出てしまい
これはだめだ、と検索をあきらめ、地道に環境省の統計ページをチェックしてました。
環境省のホームページは最近デザインが変わり
以前は、TOPページから「動物愛護ページ」に入れたのですが
「政策分野一覧」左下の「自然環境・生物多様性」をクリックし
「自然環境・生物多様性」ページに飛んだら
ず~っと下にぽつんと「動物の愛護と管理」という入口があります。
さらに欄外「関連資料」の「パンフレット・報告書等」というページの
いちばん下に殺処分データ(犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況)があります。
「自然環境・生物多様性」ページの説明文章には
犬猫に関する言葉はひとこともでてきません。
家庭動物としての犬や猫は、人間が作り出した動物です。
もしかしたら犬や猫を扱うことは「自然環境局」としてのくくりの中には馴染まないのではないか?
という気がしてきます。
といっても、ではどこの省庁が所轄するべきか? 難しいですが
もしかしたら、「人間性」や「文化」と結びつきが深い「文部科学省」のほうが
「動物愛護」の所轄に近いような気がしました。
教育の振興および生涯学習の推進を中核とした豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成、
学術、スポーツおよび文化の振興並びに科学技術の総合的な振興を図るとともに、
宗教に関する行政事務を適切に行うことを任務とする(文部科学省設置法3条)。
話が脱線するのがカプアンパパの悪いクセですが・・・
話を戻すと、
1週間くらい前までは載ってなかった「平成25年度犬猫殺処分データ」が
つい数日前にチェックしたら載ってました。
いつものように、環境省から、データ発表に関して何もコメントは出てないようです。
私は、「犬猫殺処分データ」は重要な統計データだと思います。
所轄の環境省がコメントしないのは不自然だと思っています。
殺処分されている犬猫は野犬などではなく、ほぼ人に飼われていた動物です。
建前として、「野犬等」が「安楽死」されている。と説明される例を見ますが
実際には、犬についてはほぼ家庭犬であり
処分方法は、けして「安楽死」ではありません。
前置きが長くなりましたが、上記のとおり、統計データのチェックは難しいので
表を画像添付します。各の画像はクリックすると拡大されます。
(実際のデータはこちらのページに掲載されています)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/b2/eec72cc9e515cc837644bf23b8335c1e.jpg)
環境省の統計データによると
平成25年度に殺処分された犬は28,569頭
平成25年度に殺処分された猫は99,566匹
犬猫合計殺処分数は128,135頭です。
残念ながら、まだ合計で10数万頭という高レベルです。
ただし、猫の殺処分数が年間で100,000匹未満になったのは
猫の収容を行いはじめた昭和40年代以前を除けばたぶん初めてです。
では、殺処分は例年と比べて減っているのかどうなのか
以下の表で推測できます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/42/ab1a3593603c9e94dd426aa1e91b1ff7.jpg)
当該年度の処分数が、前年度から何頭減っているか計算しました。
犬の場合
平成17年度は、平成16年度に比べて殺処分が17,271頭減った
平成18年度は、平成17年度に比べて殺処分が25,909頭減った
平成19年度は、平成18年度に比べて殺処分が14,134頭減った
平成20年度は、平成19年度に比べて殺処分が16,062頭減った
平成21年度は、平成20年度に比べて殺処分が18,403頭減った
平成22年度は、平成21年度に比べて殺処分が12,097頭減った
平成23年度は、平成22年度に比べて殺処分が8,358頭減った
平成24年度は、平成23年度に比べて殺処分が5,159頭減った
平成25年度は、平成24年度に比べて殺処分が9,878頭減った
猫の場合
平成17年度は、平成16年度に比べて殺処分が12,227匹減った
平成18年度は、平成17年度に比べて殺処分が1,671匹増えた
平成19年度は、平成18年度に比べて殺処分が27,613匹減った
平成20年度は、平成19年度に比べて殺処分が7,012匹減った
平成21年度は、平成20年度に比べて殺処分が27,977匹減った
平成22年度は、平成21年度に比べて殺処分が13,042匹減った
平成23年度は、平成22年度に比べて殺処分が21,593匹減った
平成24年度は、平成23年度に比べて殺処分が7,736匹減った
平成25年度は、平成24年度に比べて殺処分が23,834匹減った
犬についてはここ1、2年の中では殺処分が少なかったですが
平成21年度以前は前の年度に比べて1万頭から2万頭くらいずつ殺処分を減らしていたので
そのくらいの減少が続かなければ、殺処分ゼロへの道が遠のきます。
猫については、平成21年度以来の20,000匹以上の減少なので
このペースを落さず、殺処分を減らしていって欲しいです。
グラフも載せておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/dc/e66d26c0d0d67ae7f4f03b03106ccc40.jpg)
ところで、収容施設での殺処分数が減ったとしても、
例えば、引き取りを拒否された飼い主や業者が
犬や猫を捨てたり、殺害してしまったら本末転倒です。
動物愛護法が改正になり、引き取りを「拒否」できるようになったので
そういう業者が増えているのでは、という意見もあります。
しかし、犬猫殺処分の調査を長年行っている団体によると
法改正前の2011年に実施した調査でも、
全国110自治体のうち89自治体は既に業者からの引き取りを拒否しており
「報道されなかっただけで以前から年に数件は大量遺棄があった」そうです。
<犬遺棄>背景にペットブーム沈静化 販売業者数、高止まり
毎日新聞 12月28日(日)18時8分配信
上記の報道のとおり、ペットブームが沈静化し、「売れなくなった」というのが
大量遺棄の本当の理由かもしれません。
記事にもあるとおり、
「無責任な業者を増やさないよう日本でも許可制やライセンス制を導入し、
飼育状況なども厳しくチェックすべきだ」
そのとおりだと思います。
また、センターや保健所も、単に引き取りを門前払いするだけでなく
引き取りを拒否したあと、犬や猫を捨てないか「追跡調査」したり
事前にブリーダーの抜き打ち調査や、市民からの通報を活かすなどの行動で
犬猫の遺棄を防ぐべきだと思います。
ちばわんは26日、今年最終のセンター引き出しを行いました。
http://centrerep.exblog.jp/
42頭の引き出しでした。
センターが長いお休みに入る前、一頭でも多くの子を極寒の収容所から出して
暖かい部屋で過ごさせたいというメンバーの思いから、42頭という数になりました。
他団体もこの日引き出し作業を行ったそうですが
それでも、全ての犬たちがセンターから出られたわけではありません。
あまりにも収容頭数が多いのです。
収容数を減らせれば、すべての命を救えるかもしれない。
しかし、捨て犬、遺棄は防がないといけない。
もしかしたら、積極的に保護犬猫を家族にしてくれる人が劇的に増えれば
すべての命を救えるかもしれない。
でも、大切に育ててくれる家族でないとまた捨てられるかもしれない。
「鶏が先か、卵が先か」
じゃないですが、難しい問題です。
とにかく
金もうけを企む悪徳ブリーダーは淘汰され
犬猫は最期まで愛情と責任を持って飼う。という意識が浸透されるよう
私も微力ながら、なにができるか考えてまいります。
今年のカプアン通信は今日が最後です。
年末になり家族のことでごたごたが続いてますが
カプアの爪が抜けたことを除けば、(おかげさまで生えてきました)
カプアンたちが一年とおして大きな病気や怪我がなかったことがなによりです。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後の写真は、ちょっと寂しい風景ですが
2014年、唯一カプアンたちと旅行に行った想い出の1枚です。
(来年はもっと旅行ができるといいなぁ)
どうぞよいお年を!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/d5/6d175238ef8e2977ff42371caff2f70f.jpg)