Del Amanecer

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遂に封切り!~「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part2」を鑑賞

2011-07-17 00:05:44 | Harry Potter
10年もの間、ダニエルはずっとハリーだった。
そしてエマもルパートも、ハーマイオニーでロンだった。
ロンドン、キングスクロス駅。9と3/4番線から紅の汽車に乗って、百味ビーンズや蛙チョコレートを食べているうちに(カボチャパイも!)魔法学校ホグワーツに到着する。
そんなのんきで夢がいっぱいだったハリー・ポッター・シリーズ。
1話完結の児童文学だと思ってうっかり手を出したらヤケドをした!そんな感じ・・。

ここまでダークになると、子供には見せたくない。
大人には面白いかもしれないけれど、もはや「ファンタジー」ではなく「ダーク・ファンタジー」になってしまったのね。
私はダークになりかけの3・4作目辺りが好きだった。
でも・・・。
張り巡らされた伏線をどのように収束させるのか、ハリーはどんな風にヴォルデモートと最後の戦いをするのか。ラストに向けて物語は5・6・7とどんどん暗く重苦しくなっていく。
原作がそうなのだから、映画もしかり。前作には確かPG12指定がついていたと思う。
その前作、死の秘宝Part1は気が滅入るほど暗かった。暗くて悲しくて重かった。
それに続くPart2。10年間の物語の謎解きと二人の対決が余すところなく描かれていなくてはならない。
もちろん原作ありきなのだけど、映画はどんなふうにアレンジをしているのか。

ダンブルドアの墓からニワトコの杖を盗むヴォルデモート。
オープニングシーンからしてダークな空気が漂う。
空を舞うディメンターの映像がすごくリアルで怖い。
ビルとフラーの海辺に建つ貝殻の家。ドビーの墓。
そうだった。ここでPart1は終わったのだった。

しかしその後は怒涛のような展開。前後編に分けても今回は上映時間が2時間10分。
もはやここまでくると小さな子供は観ないと思うから、あと20~30分長くても良かったかも。
もう少し時間をかけてほしい場面がさらりと流される感じが残念だ。
映画は映像で見せる分、説明が少なくてすむ場合が多いのだけど、逆に心理的な描写などは映像にするには工夫がいるし、監督の腕の見せどころとなる。
今回のPart2はスピード感あふれ、前回とは裏表、静と動という感じか。
どんどん進む場面展開の速さに、原作組でないとついていけない感も否めない。
説明不足なのは上映時間の関係で仕方ないけれど、どこをどんなふうに端折るかが大事。

タイトルにもなっている死の秘宝については今回は説明不足かな。
ハリーが全てを手にして、そして下す決断がちょっと解りにくいかも。
ダンブルドアの想いとか、大切な仲間の死(特にフレッド!)があっさり流されているような感じがする。
映画版のラストだけにタイトルクレジットにもひと工夫あったらよかったのにね。
夢の世界から始まったのに、シリアスなドラマとしての終わり方はちょっと地味かも。
原作のラストのハリーの独白がなかったのも残念。

そんな中、今回はスネイプの場面に泣かされる。
原作を読んでいるとは言え、アラン・リックマンの納得の演技にはハリーの母、リリーへの哀しい愛が貫かれていて、分かっていても涙してしまった。
いかんせん時間が短いので、様々な登場人物の想いがまだまだ十分描ききれなかったのも心残りだ。

ファンゆえに辛口になってしまったけれど、10年間を共に過ごした作品が、こうして最後の幕を下ろしてしまうのは寂しい。
ひとつの時代が終わったような思いだ。
ずっとハリー・ポッター・ファミリーだったキャストのみんなにありがとうを!
次回は月曜日、今度はデジタル2Dで2回目を。

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「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」~1回目(3D)
原題「HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS: PART II」

2011年: イギリス・アメリカ
鑑賞日: 2011年7月15日(金)13:15~(130分)
映画館: ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10 F-18



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