株式会社ANの社長ブログ

株式会社AN社長向山かおりです。ナチュラルワイン×沖縄料理飲食店を経営。経営や社会課題に関する情報を発信します。

【株式会社AN】SDGsに貢献する農業×観光業のあり方ーアグリツーリズムとは

2023-08-28 12:24:20 | 日記

株式会社AN代表取締役の向山かおりです。

前回は、先日トークイベントでお話を伺いましたBIKAS COFFEEの取り組みに関連して、アグロフォレストリーの意義や現状についてお話ししました。

森を育てながら行うサスティナブルな農業が少しずつ広まってきているのは、SDGsの様々な目標達成につながり嬉しいことですね。

今回は農業に関連した観光の取り組みについてお話しします。

みなさんはアグリツーリズムという言葉を聞いたことがあるでしょうか。

Agriculture(農業)+Tourism(旅行)の造語で、農村や農場で滞在しながら休暇を過ごす観光形態を指します。

都市部からの旅行者が農村の人々と交流し、様々な農作業や自然体験をする中で、農業についての理解を深めることができるものとして、近年注目を集めてきています。

アグリツーリズムの発祥はヨーロッパです。ドイツやフランスなどで、都市部の住民が長期休暇に農村部に出かけ、現地の農家に滞在しながら自然や交流を楽しむ習慣がありました。

日本では、1994年に「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」が制定されたのが始まりでした。

都市部の住民が農林漁業の体験をしたり理解を深めたりしつつ、農山漁村地域の振興に寄与することを目的とした同法に基づいて、農林水産省が推進してきています。

近年のSDGsの意識の高まりは観光業にも及び、サスティナブルなあり方を大切にする動きが出てきた中で、アグリツーリズムがより注目されているようです。

アグリツーリズムには、地域の雇用創出や、地元の魅力の再発見などのメリットがあります。

サービスを提供するための雇用が生まれたり、地元の農産物をPRすることを通じて、地域の魅力を見つめ直すきっかけになったりすることは、農村部にとって地域の活性化につながると言えるでしょう。

一方で、少子高齢化による人手不足、整備コストによる導入のハードル、

旅行者の体験や地域の活性化の過度の重視による伝統的景観の喪失などの課題もあると言われています。

アグリツーリズムは、農村部とのつながりが少ない都市部の住民にとって貴重な体験となりうるものであり、かつ地域の活性化につながりうるもの。

サスティナブルな社会の実現に貢献していくには、こうした取り組みも相互の理解に努めながら効果的に推進していくことが重要だと感じました。

これからも当社の理念に基づき、SDGsにつながる情報発信に努めてまいります。

引き続きよろしくお願いします。

 

参考
https://eleminist.com/article/1183
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=406AC0100000046_20230616_505AC0000000063

 


【株式会社AN】サスティナブルな農業ーアグロフォレストリーとSDGsの関連

2023-08-01 09:39:46 | 日記

株式会社AN代表取締役の向山かおりです。

前回は、BIKAS COFFEEの管様とのトークイベントについてお話ししました。

BIKAS COFFEEがアグロフォレストリーでコーヒーの森をつくる取り組みを行い、サスティナブルな地域の発展に貢献していること、
コーヒーを通して消費者同士の想いをつなぎ、社会に貢献していくアクションを起こすという理念を大切にされているのを深く感じました。

今回はアグロフォレストリーの意義や、日本での取り組みなどについてご紹介します。

アグロフォレストリー(Agroforestry)とは、Agriculture(農業)とForestry(林業)の造語で、日本語では混植、森林農業などと訳されます。

コーヒー等の栽培で歴史的に発展してきたプランテーション農業は、森林破壊や単一栽培による経済の不安定さなどの課題が指摘されてきました。

アグロフォレストリーでは様々な植物と木々を一緒に育てることにより、肥沃な土地を取り戻し、生産者の収入を安定させることが可能です。

自然保護や気候変動対策、そして生産者の経済の安定と、SDGsの目標の多くに関わる画期的な取り組みといえるでしょう。

一方で、アグロフォレストリーは多くの品種を少しずつ育てるため、
生産管理を軌道にのせ、収益化できるようになるまで時間がかかり、息の長い取り組みが求められます。

日本ではアグロフォレストリーの導入はまだまだ少ない状況ですが、徐々に取り組んでいる例が見られるようになってきました。

例えば、株式会社明治は、アグロフォレストリーで作られたブラジルのトメアス産のカカオ豆を使用したチョコレートを商品化しています。

またアマゾンフルーツを届けるフルッタフルッタは、南米アマゾンの地で日本人移住者が試行錯誤しながらアグロフォレストリーに取り組むのを応援しようと立ち上がった企業。

彼らが運営する農協CAMTA(トメアス総合農業協同組合)から、主にアグロフォレストリーで生産されたフルーツ原料などを直接輸入しています。

以上にみてきたように、アグロフォレストリーは、地球にも生産者にも優しい、サスティナブルな農林業のあり方だということ、
その維持発展のためには長期的な管理体制を確立し、関係者の協力を得ながら進めていくことが大切だとわかりました。

先日トークイベントでコラボレートしましたBIKAS COFFEEは、ネパールのハルパン村で自然と行われていたアグロフォレストリーの社会的意義を発信し、理念で生産者と消費者のつながりをつくる素晴らしい取り組みだと感じます。

どのような事業も、長期的に継続していくためには、生産者から消費者に至るまで良好な関係性を築き、社会全体に貢献していくものであることが大切です。

当社としてもサスティナブルな社会につながるこうした取り組みを応援し、情報を発信することでSDGsに貢献してまいります。

引き続きよろしくお願いします。

 

参考
https://www.meiji.co.jp/products/brand/agroforestry/

https://www.frutafruta.com/fruit/agroforestry/

https://eleminist.com/article/551